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ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

計算された爆発物:MUSE/BLACK HOLE & REVELATIONS(2006)

2006-08-15 14:46:48 | 音楽:オルタナティヴ、プリーズ!
MUSE/BLACK HOLE & REVELATIONS(2006)

 英国「技能派宇宙人3人組」今回のMUSEは「戦争」をテーマにしたコンセプトアルバム。音楽的には前回より多少ポップになった感、ずしずしくる重低音の曲が少々減り、明るめのリズムが多いかな?正直もっとばりばり飛ばして、闇を覗き込むような恨めしいヴォーカルを聞かせて欲しいような気もします。相変わらずMUSE節とでも形容するプログレ調の変調と、マシュー君のファルセットボイスは健在。今回はところどころにアクセントとして「西部劇」調のメロディが入ります。

 コンセプトアルバムといっても、さすがにMUSEですから一筋縄では行きません。西部劇メロディーにレトロSF効果音が重なるとか、ブラックホール、新星といった用語、ジャケットの惑星風景など、SF色が強いです。ところでジャケットの四人は誰じゃ?良く見ると1人頭にとげ出てるし?一応向こうに地球らしきものが見えるので、火星かなぁ?と思いましたが、火星の空に雲は無いよ?

 お気に入りは「Supermassive Black Hole」、目の前を原色がちらつくようなソウルフルなヴォーカルと、ずっしり来るべース、重低音の効いたシンセ音、ところどころに入るガアーって雑音。凄いですねえ・・・この曲。余談ですが、以前から自分は人間ブラックホールだと思っていました(私の所に仕事が入ると、どこかに吸い込まれて出てこないんです・・・本当は仕事溜めてるだけです、すみません)ので、ぜひこの曲を自分のテーマソングにしたいと思います。(笑)なにしろさびのコーラスが「お前は巨大なブラックホールだ」ですから・・・

 「戦争」コンセプトは歌詞に最も現れています。各攻める側攻められる側、命令する側命令される側、抵抗する側や権力を握る側からの心境を歌います。アルバム中一番癒し系メロディの「Solder's Poem」、西洋懐メロ風(ハワイアン風とも)のけだるいメロディーと、美しいコーラスに乗って歌われるのは、遠く戦場に送られて意味の無い戦闘を強いられるの兵士達の心境。それもアルバム中一番ストレートに戦うことの愚かさを歌います。一部引用します。

俺達がみんな死ぬのは残念だよね、
それでもってお前は自由を享受する価値が自分にあると思うのか?
こんな故郷から遠く離れた場所に送りだしやがって。
この世に正義なんて無い、今までだって一度もなかった。

とまあ、どう考えても現状イラクのことを歌っていると取れます。このバンドここまで社会派だったとは知りませんで・・・失礼いたしました。前作の「Butterflies And Hurricanes」の歌詞に、「君の声を聞かせるチャンスを利用するんだ」なんてのが有りましたが、実行してますね。

 ビデオは「Knights Of Cydonia」西部劇仕立てで、笑えます。曲のイメージとぴったりで、ベタな映像とストーリー、酒場のホログラムでMUSEが出て来ます。注:職場で見ないように。私は職場でみていて焦りましたって!!!てか普通は見ないか・・・悪役で出ているのはDOOMに出ていたRichard Brakeではないですか!嫌らしい笑顔健在。
Knights Of Cydonia

また、最近出たビデオ「Starlight」はいたって普通。この曲ポップ過ぎ!シングル狙いなのが伺えて、なんか残念。

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