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朝の8時のことだった。僕は僕のPCの前に座り1時間以内に記事を送らないと今月号に間に合わないというメッセージを貰ったばかり。僕は昨夜飲んだグラス2杯の、砂糖のたっぷり入ったオーストラリア産ワインのおかげでちょっと頭が痛かった。そしてすでに4度も変えているコラムの題材で頭を悩ませていた。いじめについて書こうかと思ったが、それは暗過ぎる。それともマリファナの事、スタジオで出会ったラリったおかしな連中の事について書こうか。自分でも何故か判らないがトマト・ソースの事について書き始めたことさえあった。でも多くの努力を費やしたアルバムの完成が間近な今、自分の事を書こうって思い立ったんだ。
3枚目のアルバム制作が終わりに近づき、僕は2枚目を完成させた時とは全く違う位置に居る。1枚目の成功と環境の変化は僕を見知らぬ世界に導いた。言うならば僕は成し遂げた訳なんだ、アルバムが成功したからって言うだけでなく、僕はその変化に悪い影響を受ける事が無かったから・・・それとも自分でそう思ってるだけなのも。
13歳から僕はロンドンの名門ウェストミンスター校へ通っていた。この古い学校はウェストミンスター寺院のそばの美しい中庭の脇に建てられ、僕の最大の悩みと言えばどうやって気付かれずに学校を抜け出すかだった。第一の障害は中庭で、僕のロッカーからピアノのあるミュージックセンターへ行くにはこの中庭を横切らなくちゃならなかったんだ。センターに辿り着けば僕は作曲が出来る、作曲の仕方を試行錯誤する・・・僕の目的は明確だった。僕の頭にはメロディがこびりついていて、何らかのパワーだって自分で判っていた。誰であろうとメロディって言うのは取り憑きやすい物なんだ。ミュージックセンターは狭い廊下の左右にピアノと椅子だけがある部屋へ続く、沢山のドアが並ぶ小さな建物だった。他の部屋では難しいクラシックの練習をしていたかもしれない、でも僕は、似たような部屋でバカラックやキャロル・キングみたいな連中が完璧なポップソングを書こうと競争していた60年代NYのブリル・ビルに居るんだって思うことにしていた。
僕が何をしようとしているかがわかると、不思議なことが起こりはじめた。友人や教師たちが団結して彼らに可能なやり方で僕を助けてくれようとしたんだ。友人たちは僕の曲を演奏するのを助けてくれ、曲を聴いて感想を教えてくれた。学校の司書は僕が作曲の時間をもっと持てるよう、僕が週に2日、午後の仕事を手伝っていると嘘をついてくれた。ドラッグにまつわる逸話を語ってくれた元英国Mr.ゲイ・コンテスト出場者の、悪名高い僕のフランス語の教師は僕の音楽を聴いてくれ、彼の人生の物語を教えてくれ、僕を指導し僕が遅刻した時は助けてくれた。今では高名な劇場監督になっている僕の国語教師、彼女は僕に彼女の劇の役をくれ、僕と一緒に雑誌制作を始めてくれさえした。僕は背後に秘密の軍隊を持つ一匹狼だった。彼らが居なければ僕は何一つ成し遂げられなかったんだ。何年か後、王立音楽大学でも同じことが起こった。
ファーストアルバムの後、僕は誰とも関わらず孤独を感じていた。僕は伝説のオリンピック・スタジオを借り、6ヶ月間そこで作曲し終わりの見えないデモ録音をしていた。毎日昼の2時になると近所の素敵なイタリアン・レストランに行き昼食を済ませた。大抵は1人で。僕はあの小さな部屋とアップライトピアノが恋しかった。でももっと恋しかったのは僕の仲間たちだった。今では遠くに越してしまった司書とのお茶の時間や、もうこの世には居ない僕のフランス語の教師との不適切なからかい合いや、今では有名人になってしまった国語教師との議論。友人のアレックスが恋しい・・・彼は僕のメロディを怪しげなオーボエで演奏し、クラシックのファルセットでデュエットしてくれた、オーバー・マイ・ショルダーでしてくれたみたいに。僕の歌は彼らのためにあり、彼らについての歌でもあったんだ。僕は彼らを笑わせるためになら自分自身のことを歌にしたし、僕のフランス語の先生を赤面させるためにならビリー・ブラウンも書く。彼ら無しで僕はどうしたらいいんだろう?
僕は何とか乗り越え、メロディーと変化に富むテクスチャのすばらしいアルバムが出来上がった。でも音楽には僕の友人たちが欠けていたんだ。2年間ものツアーと家族の事故の後、僕は仲間を見つけようと誓った。失恋し、再び恋に落ち、世界を旅してセッションし奇人を見つけようと努力した。僕は仲間を見つけた・・・沢山の仲間だ、僕はもう1人でアルバムを作ることはしたくなかったし、もしもはやブリル・ビルが存在しないのなら僕はネットを使い海を越えて僕の「ブリル・ビル」を作ろうと思った。有名人だけではなく、無名の仲間もネットで見つけ、最後には12編が完成したんだ。面白いことにこの12曲は今まで以上に僕っぽい。僕は彼らのことを書き、彼らの物語を盗み、僕自身のことも彼らを笑わせるためにそして悲しませるために書いたんだ。
恐れは君を孤立させる。孤立は恐れを増幅し、恐れは君の心を閉ざさせるだろう。君の心の一部が死ぬ・・・そしてリスクを受け入れ他人に心を開かなければそこから抜け出す道は見つからないだろう。このアルバムのタイトルは「The Origin Of Love 」、大人になった今、少年の頃の自分自身を再発見するある男の物語なんだ。
原文記事
http://www.mikafans.net/archives/1905
3枚目のアルバム制作が終わりに近づき、僕は2枚目を完成させた時とは全く違う位置に居る。1枚目の成功と環境の変化は僕を見知らぬ世界に導いた。言うならば僕は成し遂げた訳なんだ、アルバムが成功したからって言うだけでなく、僕はその変化に悪い影響を受ける事が無かったから・・・それとも自分でそう思ってるだけなのも。
13歳から僕はロンドンの名門ウェストミンスター校へ通っていた。この古い学校はウェストミンスター寺院のそばの美しい中庭の脇に建てられ、僕の最大の悩みと言えばどうやって気付かれずに学校を抜け出すかだった。第一の障害は中庭で、僕のロッカーからピアノのあるミュージックセンターへ行くにはこの中庭を横切らなくちゃならなかったんだ。センターに辿り着けば僕は作曲が出来る、作曲の仕方を試行錯誤する・・・僕の目的は明確だった。僕の頭にはメロディがこびりついていて、何らかのパワーだって自分で判っていた。誰であろうとメロディって言うのは取り憑きやすい物なんだ。ミュージックセンターは狭い廊下の左右にピアノと椅子だけがある部屋へ続く、沢山のドアが並ぶ小さな建物だった。他の部屋では難しいクラシックの練習をしていたかもしれない、でも僕は、似たような部屋でバカラックやキャロル・キングみたいな連中が完璧なポップソングを書こうと競争していた60年代NYのブリル・ビルに居るんだって思うことにしていた。
僕が何をしようとしているかがわかると、不思議なことが起こりはじめた。友人や教師たちが団結して彼らに可能なやり方で僕を助けてくれようとしたんだ。友人たちは僕の曲を演奏するのを助けてくれ、曲を聴いて感想を教えてくれた。学校の司書は僕が作曲の時間をもっと持てるよう、僕が週に2日、午後の仕事を手伝っていると嘘をついてくれた。ドラッグにまつわる逸話を語ってくれた元英国Mr.ゲイ・コンテスト出場者の、悪名高い僕のフランス語の教師は僕の音楽を聴いてくれ、彼の人生の物語を教えてくれ、僕を指導し僕が遅刻した時は助けてくれた。今では高名な劇場監督になっている僕の国語教師、彼女は僕に彼女の劇の役をくれ、僕と一緒に雑誌制作を始めてくれさえした。僕は背後に秘密の軍隊を持つ一匹狼だった。彼らが居なければ僕は何一つ成し遂げられなかったんだ。何年か後、王立音楽大学でも同じことが起こった。
ファーストアルバムの後、僕は誰とも関わらず孤独を感じていた。僕は伝説のオリンピック・スタジオを借り、6ヶ月間そこで作曲し終わりの見えないデモ録音をしていた。毎日昼の2時になると近所の素敵なイタリアン・レストランに行き昼食を済ませた。大抵は1人で。僕はあの小さな部屋とアップライトピアノが恋しかった。でももっと恋しかったのは僕の仲間たちだった。今では遠くに越してしまった司書とのお茶の時間や、もうこの世には居ない僕のフランス語の教師との不適切なからかい合いや、今では有名人になってしまった国語教師との議論。友人のアレックスが恋しい・・・彼は僕のメロディを怪しげなオーボエで演奏し、クラシックのファルセットでデュエットしてくれた、オーバー・マイ・ショルダーでしてくれたみたいに。僕の歌は彼らのためにあり、彼らについての歌でもあったんだ。僕は彼らを笑わせるためになら自分自身のことを歌にしたし、僕のフランス語の先生を赤面させるためにならビリー・ブラウンも書く。彼ら無しで僕はどうしたらいいんだろう?
僕は何とか乗り越え、メロディーと変化に富むテクスチャのすばらしいアルバムが出来上がった。でも音楽には僕の友人たちが欠けていたんだ。2年間ものツアーと家族の事故の後、僕は仲間を見つけようと誓った。失恋し、再び恋に落ち、世界を旅してセッションし奇人を見つけようと努力した。僕は仲間を見つけた・・・沢山の仲間だ、僕はもう1人でアルバムを作ることはしたくなかったし、もしもはやブリル・ビルが存在しないのなら僕はネットを使い海を越えて僕の「ブリル・ビル」を作ろうと思った。有名人だけではなく、無名の仲間もネットで見つけ、最後には12編が完成したんだ。面白いことにこの12曲は今まで以上に僕っぽい。僕は彼らのことを書き、彼らの物語を盗み、僕自身のことも彼らを笑わせるためにそして悲しませるために書いたんだ。
恐れは君を孤立させる。孤立は恐れを増幅し、恐れは君の心を閉ざさせるだろう。君の心の一部が死ぬ・・・そしてリスクを受け入れ他人に心を開かなければそこから抜け出す道は見つからないだろう。このアルバムのタイトルは「The Origin Of Love 」、大人になった今、少年の頃の自分自身を再発見するある男の物語なんだ。
原文記事
http://www.mikafans.net/archives/1905
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