大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

大阪市交渉

2011年11月15日 | ノンジャンル
 今日の午前は港区民センターで大阪市教育委員会との2日目の交渉日でした。
 ご参加の皆さん、ご苦労様でした。

 中心は小中学校の通常学級と特別支援学級で学ぶ障害のある子どもたちへの教育保障です。「教育活動支援員」の増員、市独自の「障害児教育加配」の創設、障害種別の学級増設、「特別支援教育補助員」の大幅増員、大規模・困難特別支援学級の特別支援学校分校化、医療的ケア児への教育保障、聴覚障害児教育の充実などについて、保護者や卒業生、現場教員などから切実なねがいや実態をもとにした訴えがありました。

 特にぽぽろのご近所の鶴見区や城東区などの小中学校の特別支援学級の保護者の方々が多数参加して発言されました。
 これは鶴見区の在籍児18人の学級のお母さん方が様々な障害の子らが様々な困難を抱えて在籍している実態を模造紙に絵を描いて分かりやすく示して「介助員の増員を!」と訴えておられる様子です。特別支援学級の在籍児が20名を超える学校は珍しくなくなっており、「ミニ特別支援学校」並みであることを考慮して、学級設置基準・教員配置の条件に恵まれている特別支援学校の分校や分教室にして教員を増やしてほしい!という訴えが出てくることにもうなずけました。


 皆さん顔なじみの方々ですが、ぽぽろの利用者の保護者の方も2名参加されており、私も張り切って司会をやらせてもらいました。 


目いっぱい青春してね!悩みいっぱいの中学生。

2011年11月14日 | 児童デイサービス
 この頃はスタッフの配慮で相談室兼学習室にこもって仕事をすることが多くなりました。
 それでも、みんな楽しめているのかがとても気になります。とりわけ、「周辺参加」の子どもたちのことが…。

 先週の土曜日は中学3年のMoちゃんとKoちゃんを学習室に招いて、Koちゃんが悩んでいる自らの「障害」のことや卒業後の進路について話し合いました。1時間ぐらいでしたが、話したいこと、聞いて欲しいことがいっぱいあるKoちゃんは、通常学級での勉強がまったく分からなくて面白くないことや、支援学級も含めてあそぶ友だちがあまりいないこと、高校への進学を考えて見学に行っているという話しなどをしてくれました。

 一方で、Koちゃんは階段が苦手なので一人で電車に乗るのがこわいので高校への通学が心配なことなどを語ってくれました。外出はいつもお母さんと一緒で、階段はお母さんが横についていてくれるそうです。学校では階段で押されてこけそうになったので、いつもみんなが降りた後からついていくそうです。
 高等部卒業後は「ぽぽろスクエア」に何としても行きたいと言うMoちゃんも、「ぽぽろスクエアは自主通学だから、一人で電車に乗れるように練習しなくっちゃ。」と言われ、一瞬顔がこわばりました。進学する高等部での「自主通学」も考えてみたようですが、ラッシュの中で通わねばならず、危険がいっぱいの電車の乗降にも時間がかかるし恐いのです。

 普段はどうしているのかが気になり、ガイヘルさんのことを聞くと、Moちゃんは一度だけガイヘルさんと一緒に「ひらパー」に遊びに行ったことがあると言い、Koちゃんに聞くとガイヘルさんとの外出は「ない」とのこと。
 Moちゃんには卒業まで(ぽぽスク入学まで)まだ3年間もあるから「今から少しずつでも練習したらMoちゃんだったら必ず行けるよ!」と言うとパァッ~と顔が明るくなりました。Koちゃんには「ガイヘルさんをつかってお出かけしてみたら。階段もガイヘルさんが支えてくれるから大丈夫。」と話しました。(お迎えに来られたお母さんにもお伝えしました。)

 二人にはバリアとしての「障害」と適切なケアがあれば「障害」が乗り越えられることを絵本を読みながら話し、人の手助けを借りていろんなことにチャレンジしてみようと提案しました。二人で共通の楽しみがあれば、ガイヘルさんとお出かけして目的地で一緒になるなんてこともできるのに…。バリアフリー会話の中で、「ぽぽろはエレベーターないなぁ。階段やから恐いし、大変やろ?」と言うと、彼女らは口を揃えてこう言いました。「うん、そうやなぁ。でも来年エレベータがつくやろ。ぽぽろはあわてんでもええし、ゆっくりできるしなぁ。待っててくれるやろ。失敗してもええしなぁ。」と語ってくれたのがとっても励みになりました。

 今一番大事なお勉強が分かる・おもしろいという経験は中学部から特別支援学校に転校したMoちゃんの方が「おもしろいで。教科書なんてないで。いつもプリントやで。」と明るく積極的に語ってくれました。
 英語と数学を支援学級で学ぶ以外は通常学級で学ぶKoちゃんの話はとてもつらそうでした。学ぶ上での「障害」を取り除く努力や工夫が必要でしょう。もう少し、通常の学校でも支援学級での集団生活や学習科目を増やすなどの工夫ができないかなっていつも思います。思春期と自己肯定感を台無しにしないで欲しいものです。
 中学校の延長で進路を選択したKoちゃんが行く学校は「高等専修学校」です。ご家庭の願いは先ずは「普通科」に入学して、そこでついていけなかったら「特別支援」対象の「総合教育学科」に編入できるから…というお話です。う~ん、少し複雑な思い…。

 高等専修学校はある種の生き残り策でもあると思いますが、特色づくりとして特別支援対象の学科やコースを設置するところが増えてきているようです。Koちゃんが行く学校にも「高等課程 普通科/不登校傾向生徒受入れクラス『ゆっくりクラス』」、「高等課程 総合教育学科(特別支援コース)『ふれあいクラス』」、卒後の1年課程(1年間で終了しても何年でも1年ずつ更新できる)「専門課程 総合キャリア学科“『はたらく』をまなぼう!”」という課程が用意されています。
 彼女(の親ごさん)が選んだこの高等専修学校の嘱託教員をしている友人(元支援学校の同僚)が進路案内を持ってぽぽろを訪れたのは10日ほど前のことでした。新しい職場で色々チャレンジしながら今春に退職してしまった彼の「疲れた」顔を思い浮かべながら、何としても船出する「ぽぽろスクエア」を安定化させ、府内に拡げていきたい、そして特別支援学校高等部(普通科)の「専攻科」設置につなげたいものだと思ったしだいです。

 いずれにせよ、Moちゃん、Koちゃんのこれからをしっかり見守り、必要な支援をしていきたい、「目いっぱい青春してね!」と願わずにはおれませんでした。

 
 それにしても、命令と競争で学校と教育を支配し、子どもの成長と発達を台無しにする「大阪府教育基本条例案」「大阪府職員基本条例案」。学校や教育の主役は子どもたちです。そのための条例ではなく、半分以上が教師や府職員への懲罰で占められている代物です。子どもも先生も、すなわち学校教育が窒息し、崩壊してしまう。学校の中で或いは大阪府の教育に対してものが言えなくなる。子どもの発達支援に関わるものの立場からも、教育の仕事にたずさわってきた者の立場からも、一府民としてもこれだけは到底許すわけにはいきません。35人学級を促進させるとか、支援学校を建てるとか、支援学級・教員を増やすとか、専攻科をモデル事業でやるとか他にもやるべきこと、議論すべきことはたくさんあるやろう!と言いたいものです。今は府議会での審議はストップしているそうです。選挙結果を見てやるつもりのようです。撤回を求める署名にご協力くださいね。

 さて、「学ぶ作業所・ぽぽろスクエア」の建設が急ピッチで進んでいます。ほぼ外見が整ってきて、建物の内部も壁紙を貼れば各部屋の様子や全体が見渡せるところまできました。
 「夢を形に!」できそうですが、「入学」される利用者の方は定員(目標15名程度)がまだうまっていません。皆さん、是非ご紹介くださいね。



ねがいを行動に!!

2011年11月09日 | ヤンボラ・ヤンクラ
 11月6日、ぽぽろ大東でShaくんとヒューマンウェーブの際に使うボードを作りました。

 文は『福祉にもっと国家予算を増やして!』と書きました。

 内容に関して言えば「これでいいのかなぁ?」とちょっと悩むところも…


 でも実際に困っている人がいたり、困っている施設などもあると思います。

 現に自分もそうです。ほんとはもっともっと働きたい。でも働けない。なぜかと言うとてんかん発作があるからです。発作が頻発して起きると、自分自身の心が傷ついた様な気持ちになります。

 そのような思いがあり、ボードに『思い』をこめて書きました。
小さい小さい声かも知れませんが、声を上げるのと上げないでは違うと思います。
11月8日はそんな『思い』を持って参加したいと思います。



ヒューマンウエーヴで専攻科実現を訴えました

2011年11月08日 | 専攻科・学ぶ作業所
 11月8日(火)は第22回ヒューマンウエーヴでした。

 いつもは12月9日前後(昔は12月9日は国連が定めた「障害者の日」でした)に大阪府庁を取り囲んで宣伝や集会やパレードを行い、障害者・家族・関係者のねがいを府民の皆さんに訴え、知事への直接請願署名を提出してきました。

 今年は大阪府知事選挙と大阪市長選挙が同時開催されるのに合わせて実施し、「私たち・子どもたちの厳しい現状を理解しねがいを聞いてほしい!」「私たちのねがいを実現する大阪府・市政をつくりましょう!」と訴えることになりました。
 いつもよりは少なかったですが、600人の参加がありました。
 
 ぽぽろからはヤングや職員5人も参加しました。

 私は集会には大阪障害児・者を守る会の旗を持っていつも参加しています。
 この写真はおなじみ、会長の播本さんに旗を持ってもらって写しました。
 今年は「守る会ぽぽろ支部」ができましたので、HさんとIさんのお二人の方が集会・パレードデビューを果たされました。


 支援学校の人権侵害ともいえる超過密・過大の実態を告発し支援学校増設(既設の廃校になった学校等の活用も含め)をのねがい、橋下知事が指名した大阪府教育委員からも総スカンの維新の会「大阪府教育基本条例(案)」「大阪府職員基本条例(案)」の撤回を求める発言、作業所の苦しい運営実態を告発し補助金打ち切りをするなという訴え、福祉労働者の非常勤化など劣悪な実態と人材確保策の訴えなどがありました。

 予定された最後の方が発言中に、急に私のところに集会事務局のZさんが来られ(パレードまでの時間が余りすぎて?)「Uさん、しゃべってくれない?急に言うてすぐにしゃべれるのはあんたぐらいや!宣伝カーの上に登ってや!」と耳打ちするではありませんか!
 いったんは断ってみたものの、引きません。頼まれると断れない性格はバレバレです。

 久しぶりに高い所に立ってコールを待つと「発達支援センターぽぽろのUさんから
どうしても訴えたい、発言したいことがあるというので、上がってもらいました。」と紹介するZさん!これではまるで私は「おのぼりさん」ではないですか!

 しかし、マイクを握ると口がすべりだしました。しっかりと専攻科の必要性と、「専攻科は考えていない。一般就労めざす職業教育を強める。」という大阪府の冷たい回答、青年期を台無しにする大阪府の姿勢を告発し、専攻科と「学ぶ作業所」づくりへの支援を訴えました。

 パレード(昔はデモ行進と言った)の先頭を歩く守る会のお母ちゃんたち。22回目ですから、その当時から参加しているお母ちゃんたちもいます。私は最初の第1回ヒューマンウエーヴ(初回はヒューマンチェーンと言って手をつないで府庁を取り囲んだ)主催者でした。こうして次世代に成果とねがいのバトンをつないでいくのです。


 そういえば、守る会の旗を持つ私の横には障連協ののぼりを持つ(持たされた?)ぽぽろ大東職員のTさんもデビューでした。手作りのプラカードを持って参加した職員のSさんは新聞記者のインタビューを受けていました。そして、ハンドマイクを持って活躍したのがヤンクラ生でバイトのOくんでした。のっぽだから目立っていたよねぇ。

 みなさん、ご苦労様でした。
 決してあきらめることなく、ねがいの切実性・正当性を訴え、実現するまで粘り強く頑張りましょうね。
 そして、11月27日には、お互いにわが子と自分も含めた家族、大阪府の未来をしっかり見据え、主権者としての責任ある選択をしましょうね。