・・・・・・義妹と嫁さん、子供達。沖縄にて。
平成24年3月22日、およそ7時間かかって私の手術が終った。
進行性の胃がんで胃を全摘、胆のうも摘出した。
術後、体重は激減し、おなかが刳り取られた状態まで痩せた。
食べる度に詰まり、吐かないと楽にならない食事が続いた。
幽門も噴門もないから、上半身を上げて寝なければならなかった。
それでも夜中にアルカリ性の腸液が逆流して、喉や食道が焼けて、痛みで寝られなかった。
眠られない日が続き、心はダウンしていった。
口には出さないようにしていても、死にたい日が続いた。
身体に力が入らず、心もだめになっていった。
食べる力も生きる力もなく、家族に大きな負担だけをかけていた。
自分は生きている意味や価値がないとただただ思い、死ぬことばかり考えていた。
夜中眠れず、ベッドに座って、朝を迎えていた。
いつも自分が情けなかった。
そんな時こんな私を見て、嫁さんが「あなたが生きているだけでいい。」と言った。
この日から私は変わった。
今までの身体じゃないんだ。今までみたいにできなくても生きているだけで人生丸儲け!なんだ。
術後いろいろあったが、やっと心からそう思えるようになった。
とはいえ、心が元気になっても胃がないから少量しか食べられない。
だから、一日の食事回数は6〜7回になり、その管理が大変だ。
胃のないことの辛さは、無理できないこと。
ただそのことを自分の心が受け入れると、あとは楽になった。
ゆったりまったり生きること!
身体は不自由だが、心は自由だ!
そんな私は、昨日で術後丸5年が経った。
上の子は5歳に、下の子は2歳になった。
生きていて本当に良かった。
記念すべき日に、
嫁さんと子供達は、嫁の実家に昼間から出向き、帰って来るはずが泊まりになった。
一人で祝った夜になったが、
北の大地に家族がいるだけでいい。
ただそれだけでいい。