プラスチックによる海洋汚染が深刻化している。
レジ袋やペットボトル、プラスチック製の漁具、網などが海洋を漂っている。
また、小さなプラスチック片が海中を漂い、海底に堆積している。
現在問題になっているマイクロプラスチックである。
マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチック粒子のことで、プラスチックの生産段階で発生するものと、プラスチックが紫外線や風雨にさらされて劣化し、粒子状になったものの2つに大別される。
マイクロプラスチックは海洋生物に摂食され、それが原因で海洋生物を死に至らしめる。
また、有害物質を引き寄せ付着させることがわかってきた。
その有害物質はPOPs(Persistent Organic Pollutants〈残留性有機汚染物質〉の略)と呼ばれる。
POPsとは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質のことを指します。
環境省ホームページより
POPsは大気や水や水の動きにのって越境移動する。
海洋に流れ出ているPOPsは、海を漂うマイクロプラスチックに付着する。
なぜマイクロプラスチックにPOPsが付着するか?
プラスチックは石油から合成されているので、もともとの石油の中の基本的な骨組みはかわらず、いわば固形状の油である。
POPsは油に溶けやすい性質を持っているため、固形の油であるプラスチックとは相性がよくどんどん吸着・濃縮されていく。
そしてプラスチックには様々な添加剤が使用されている。
たとえば車に使われているプラスチックなら燃えにくくするための難燃剤、それら添加剤の中には有害物質も含まれていることがあり、さらにPOPsも付着し有害度が増す。
それを海洋生物が摂食する。
POPsは脂溶性が高いので食物連鎖上位の海獣は皮下脂肪に蓄積していく。
皮下脂肪にたくわえられた有害物質は母乳から子供に移る。
最近頻繁に発生しているクジラやイルカなどのストランディング(海岸に乗り上げて身動きがとれない状態(座礁)を意味する)の原因の一つではないかともいわれている。
二つの有害物質が一つになることでさらに地球の脅威となる。
だが、マイクロプラスチック、海洋に出てしまったプラスチック、マイクロプラスチックを回収する方法を生み出せば、POPsまで回収できるのではないのだろうか?
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