ほんとはひとつの

ほんとはひとつの魂なのに

こうやって枝が二つに分かれてるから

せつなくなったり

涙がこぼれたり

どうしようもなくなったりするんだね

でもね根っこをもいちど確かめてごらん

ほ～ら

ほんとはひとつの魂だから

一歩ずつ

今日は

ひとつ

良いことをしたから

一歩

あなたに近づいた？

わたし時間

窓の外に流れる時間と

この部屋のわたし時間は長さが違う

のんびりわたしに流れる時間は

とてもゆっくり

あなたに歩いて逢いにゆけるよう

このキャンドルの燃え尽きるまで

ゆっくり

ゆっくり

泣かない約束

もう泣かないって約束

あなたと交わしたばかりなのに

ふっ

もう、泣いちゃった

でもね、この涙

未来へのたとへば私にとっては命綱

どうぞ許してくださいね

あなたに逢えてよかった

もしかしたら記憶って

なにかの表面を覆っている

殻のようなものかも？

その中には

マシュマロみたいにふわふわの

たまごみたいにあったかい

なにかがいっぱい詰まってる




『あなたに逢えてよかった』　新堂冬樹：著

月に恋

『月に恋』
　　　（ネイチャープロ編集室：編　　PHP研究所：発行）

お月様のことをいろいろな角度から眺めた
ほんとうに、月に恋してしまいそうなご本です。
美しいお写真を眺めながら、ゆっくりゆっくり
文章に浸ってゆくうちに
そこはもう夢の世界
読み終えてしまうのがもったいないほど
ステキなご本です。

花束あみもの

ゆ～らゆら

ロッキングチェアに揺られながら

わたしは編み物しています

ぽかぽか暖炉のはぜる音

あなたになにか届けたくって

ふわふわモヘアの白い毛糸で

自分の心を花束にして

ゆっくり　ゆっくり編んでます

もう泣かない！

わたしはもう泣かない！

もしもわたしがたった一粒でも

涙を流せば

それはたちまち刃となり

あなたの心に突き刺さり

あなたの心は血を流す

わたしの頬を伝うたった一粒の涙が

あなたの心をこんなに深く傷つけてしまうなんて

あなたとわたし

ふたりでひとつの命と気付いたから

わたしはもう泣かない！





　　　ほら




　　　　　春はもうすぐそこに

春待草

ピンク　ももいろ　さくら色

あなたにあげるよシクラメン

ピンク　ももいろ　春待草

キスするみたいに色を数えて

あなたにあげるよシクラメン


あなたにあげるよシクラメン

あなたのための

あなたのための

あなたのためだけの魂になりたい

この黒髪のゆれるのも

熱く胸の躍るのも

あなたの吐息がそこにあるから