シリーズ平成の「本音」 民主党石川議員辞職勧告決議は野党の選挙区奪還のため?!
東京地検特捜部は2月4日、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体である陸山会の収支報告書の記載を巡る問題で、小沢議員については“嫌疑不十分”で不起訴とする一方、当時秘書であった民主党石川議員他2名を起訴または追加起訴する旨明らかにした。
これで政治資金規正法違反を巡る小沢議員に対する捜査は終結し、石川議員他2名については法廷で争われることになる。石川議員は、収支報告書記載上の不備については一部認めているが、不正な資金は受け取っていないとし、離党も議員辞職も考えていないとしている。
石川議員の起訴を受けて、野党自民、公明両党は同議員の議員辞職勧告決議を国会に提出し、議員辞職を要請している。それと平行して、自民党は同議員辞職に伴う北海道11区での補欠選挙に備えて、昨年8月の衆院選で石川議員に負けた故中川昭一議員の夫人擁立に動いていると伝えられている。
野党としては非常に分かり易い動きだ。政治倫理や政治的責任などと批判し、議員辞職を要求しているが、要するに昨年8月の衆院選で落選した故中川昭一議員の弔い合戦が目的であり、与党への揺さぶり、政争目的の色彩が強くなっている。
石川議員は、収支報告書記載上の不備があったとしても故意の誤記であることは否定しており、また不正な資金は受け取っていないとし、裁判で戦う姿勢を示しおり、更に議員として起こした問題ではなく、5年も前の秘書時代の事案であるので、直ちに責任を取って議員を辞職するという結論にはなり難い。同議員の主張が正しければ無罪となる可能性があり、誰にでも自己を弁護する権利がある。それが保証されなければ官憲による恐怖政治となり、法治は維持されず、人権も保障されなくなる恐れがある。
収支報告書の記載不備を巡り、検察側は資金の出所に狙いを付けたが、小沢議員については“嫌疑不十分、”不起訴であるので、私財を充当したと主張する小沢議員が正しかったことになる。私財を投じてまで政治活動を進めようとする政治家は少なくなっているが、それ自体は悪いことではない。また数億の現金をタンス預金していたことも、90年代以降の政党再編やバブル期の相次ぐ金融破たんなどを勘案すると、タンス預金が最も価値の保全には良かったとも言える。滋賀県で、夫人が手押し車に数千万円の現金を積んで徘徊し、警察に保護される時代である。あるところにあって良い。日本中に先祖から受け継いだ田畑や山林その他の資産を保有し、公共事業での収容や開発などで巨額の収入を得ている人は多数居るのも事実である。議論が過剰にサラリーマン化、矮小化し、建前論化してしまっているように見える。小沢議員は、野党代表であった昨年3月に西松建設関連団体による献金問題、更に与党幹事長にとして今回の4億円内外の原資を巡って検察に狙いを付けられたが、いずれも起訴に至らず、小沢議員の主張が正しいことが明らかになった形となっている。従って同議員側としてはそれ以上の説明のしようがないのであろう。小沢議員への疑惑が一部紙で連日のように報道されていたが、根拠が薄弱で憶測の域を出ない報道であったことが明らかになったと言えよう。また未だに“説明責任、”“説明責任”と大合唱であるが、根拠の薄弱なかんぐりの域を出ないように見える。
他方、西松建設からの献金については自民党二階議員の事務所の問題がある。また、首相官邸が持っている官房機密費(報償費)問題があり、昨年8月の総選挙の2日後、政権交代が明らかになってから2.5億円も引き出されている。これは私財ではなく、公金であり、
その金額からしてもより問題がありそうだ。
国民が一部の報道に振り回されることなく、報道の意図や政治姿勢を見極め、報道を取捨選択し、冷静に判断しなくてはならない時期にあるようだ。国民の本音は、記載上の違反は違反として処理し、後は裁判所に委ねれば良く、このような繰り返しはもううんざりだ。官僚組織が新政権と一丸になって現在の経済停滞、雇用問題や一票の格差の縮小などの国内問題や日米、日中関係や温暖化などの国際問題に集中して取り組んで欲しいということであろう。
また政治資金規正法については、折角一方で政党助成金を出し、政治資金を一部税で支援することにより企業・団体献金への依存をなくすことが期待されたが、自・公政権下で各議員の資金管理団体への企業・団体献金を温存すると共に、収支報告書の提出という繁雑な手続きとした上、外部監査を義務付けていないなどいわばザル法であるので、国会で政党助成金の存廃を含め抜本改革を検討することがより重要だ。
こんなことを何時までも繰り返していたのでは、日本の景気回復や生活再建はおぼつかない。(02.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
東京地検特捜部は2月4日、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体である陸山会の収支報告書の記載を巡る問題で、小沢議員については“嫌疑不十分”で不起訴とする一方、当時秘書であった民主党石川議員他2名を起訴または追加起訴する旨明らかにした。
これで政治資金規正法違反を巡る小沢議員に対する捜査は終結し、石川議員他2名については法廷で争われることになる。石川議員は、収支報告書記載上の不備については一部認めているが、不正な資金は受け取っていないとし、離党も議員辞職も考えていないとしている。
石川議員の起訴を受けて、野党自民、公明両党は同議員の議員辞職勧告決議を国会に提出し、議員辞職を要請している。それと平行して、自民党は同議員辞職に伴う北海道11区での補欠選挙に備えて、昨年8月の衆院選で石川議員に負けた故中川昭一議員の夫人擁立に動いていると伝えられている。
野党としては非常に分かり易い動きだ。政治倫理や政治的責任などと批判し、議員辞職を要求しているが、要するに昨年8月の衆院選で落選した故中川昭一議員の弔い合戦が目的であり、与党への揺さぶり、政争目的の色彩が強くなっている。
石川議員は、収支報告書記載上の不備があったとしても故意の誤記であることは否定しており、また不正な資金は受け取っていないとし、裁判で戦う姿勢を示しおり、更に議員として起こした問題ではなく、5年も前の秘書時代の事案であるので、直ちに責任を取って議員を辞職するという結論にはなり難い。同議員の主張が正しければ無罪となる可能性があり、誰にでも自己を弁護する権利がある。それが保証されなければ官憲による恐怖政治となり、法治は維持されず、人権も保障されなくなる恐れがある。
収支報告書の記載不備を巡り、検察側は資金の出所に狙いを付けたが、小沢議員については“嫌疑不十分、”不起訴であるので、私財を充当したと主張する小沢議員が正しかったことになる。私財を投じてまで政治活動を進めようとする政治家は少なくなっているが、それ自体は悪いことではない。また数億の現金をタンス預金していたことも、90年代以降の政党再編やバブル期の相次ぐ金融破たんなどを勘案すると、タンス預金が最も価値の保全には良かったとも言える。滋賀県で、夫人が手押し車に数千万円の現金を積んで徘徊し、警察に保護される時代である。あるところにあって良い。日本中に先祖から受け継いだ田畑や山林その他の資産を保有し、公共事業での収容や開発などで巨額の収入を得ている人は多数居るのも事実である。議論が過剰にサラリーマン化、矮小化し、建前論化してしまっているように見える。小沢議員は、野党代表であった昨年3月に西松建設関連団体による献金問題、更に与党幹事長にとして今回の4億円内外の原資を巡って検察に狙いを付けられたが、いずれも起訴に至らず、小沢議員の主張が正しいことが明らかになった形となっている。従って同議員側としてはそれ以上の説明のしようがないのであろう。小沢議員への疑惑が一部紙で連日のように報道されていたが、根拠が薄弱で憶測の域を出ない報道であったことが明らかになったと言えよう。また未だに“説明責任、”“説明責任”と大合唱であるが、根拠の薄弱なかんぐりの域を出ないように見える。
他方、西松建設からの献金については自民党二階議員の事務所の問題がある。また、首相官邸が持っている官房機密費(報償費)問題があり、昨年8月の総選挙の2日後、政権交代が明らかになってから2.5億円も引き出されている。これは私財ではなく、公金であり、
その金額からしてもより問題がありそうだ。
国民が一部の報道に振り回されることなく、報道の意図や政治姿勢を見極め、報道を取捨選択し、冷静に判断しなくてはならない時期にあるようだ。国民の本音は、記載上の違反は違反として処理し、後は裁判所に委ねれば良く、このような繰り返しはもううんざりだ。官僚組織が新政権と一丸になって現在の経済停滞、雇用問題や一票の格差の縮小などの国内問題や日米、日中関係や温暖化などの国際問題に集中して取り組んで欲しいということであろう。
また政治資金規正法については、折角一方で政党助成金を出し、政治資金を一部税で支援することにより企業・団体献金への依存をなくすことが期待されたが、自・公政権下で各議員の資金管理団体への企業・団体献金を温存すると共に、収支報告書の提出という繁雑な手続きとした上、外部監査を義務付けていないなどいわばザル法であるので、国会で政党助成金の存廃を含め抜本改革を検討することがより重要だ。
こんなことを何時までも繰り返していたのでは、日本の景気回復や生活再建はおぼつかない。(02.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)