平成の本音―トランプ米大統領の無言のメッセージか!?
11月5日、トランプ米国大統領は、専用機で夫人と共に2泊3日の日程で訪日した。同大統領夫妻の訪日を歓迎する。日本の首相は就任すると早期にワシントン詣でをするのが恒例となっているが、米国大統領の就任後10か月以内の訪日は初めてとなる。
トランプ大統領は、ハワイを経由して訪日したが、ハワイでは日本をはじめとするアジア諸国歴訪前の充電目的と思われたが、真珠湾(パールハーバー)を訪れ、日本海軍に沈められた戦艦アリゾナの記念館を訪問し献花した。パールハーバーは、1941年12月7日(日本時間12月8日)に日本海軍により急襲され2,300人を超える将兵が死亡し、1,300人以上が負傷し、日米の太平洋戦争(第2次世界大戦)のきっかけとなり、米国領土が他国から軍事攻撃された唯一の例として米国人の記憶に残っている。
トランプ大統領は訪日前にそこを訪問した。6日に予定されている天皇陛下との会見及び首相との会談を前にして、米国は‘パールハーバーを忘れない’ことを無言で表明した形だ。
また同大統領の専用機は、至便な羽田空港ではなく、わざわざ横田米軍基地に飛来した。米国大統領は軍の最高指揮官であるので米軍基地に飛来することは不思議ではないが、横田等の米軍基地が北東アジアの前方展開基地として米国の管理下にあることを当然のこととしつつ、‘パールハーバー’と共に、天皇、首相はじめとする日本国民に戦勝国米国の立場を思い起こさせる形となった。
多くのマスコミやコメンテーター等は、ゴルフを含め、首相と米国大統領との‘個人的信頼関係’の構築の機会などとしてトランプ大統領の訪日を一様に評価しているが、国家関係というものはそれほど甘いものではないことを示しているようだ。
5日午後に首相とゴルフをした。通常であればゴルフ自体は良いが、北朝鮮の脅威が増している時期が時期だけに疑問視する向きもある。米国については、国防総省が米国への切迫した脅威はないとしているので問題にはならないだろうが、安倍首相については、選挙前から‘新たな段階の脅威’とし、特に選挙期間中は、今にもミサイルやその破片が飛んでくるように脅威を強調していただけに、言行不一致のご都合主義と見られる向きもある。
日米関係が緊密になることは大いに期待するところであるが、日米の軍事同盟強化については議論のあるところであろう。
北朝鮮は、既に北の脅威を強調し、制裁、圧力強化を声高に主張する安倍政権を批判し‘日本列島を沈める’とまで反発しているが、日米の軍事同盟強化はロシアや中国も警戒し、北方領土はロシアにより軍事的に強化され、また中国とも関係改善は望めそうにない。
この点についての論議やコメント等は、国会でもマスコミなどでもほとんどないと言ってよいほど十分でなく、日米の軍事同盟強化、日本の軍事力の強化一辺倒で終始しているように見える。しかし日本国民の世界における生命と財産の安全にとってそれだけで良いのか、どのような現実的な選択肢があるのかなど、広い視野と中・長期の在り方を考えてみる機会ではないだろうか。
同時に安倍政権に対し、言葉だけでなく、北方領土問題の実質的解決と日ロ平和条約締結、日本人拉致問題と日・中関係の改善などについて、協議や経緯の説明ではなく、実質を伴う具体的な成果と結果を出して欲しいものだ。
(2017.11.5.)
11月5日、トランプ米国大統領は、専用機で夫人と共に2泊3日の日程で訪日した。同大統領夫妻の訪日を歓迎する。日本の首相は就任すると早期にワシントン詣でをするのが恒例となっているが、米国大統領の就任後10か月以内の訪日は初めてとなる。
トランプ大統領は、ハワイを経由して訪日したが、ハワイでは日本をはじめとするアジア諸国歴訪前の充電目的と思われたが、真珠湾(パールハーバー)を訪れ、日本海軍に沈められた戦艦アリゾナの記念館を訪問し献花した。パールハーバーは、1941年12月7日(日本時間12月8日)に日本海軍により急襲され2,300人を超える将兵が死亡し、1,300人以上が負傷し、日米の太平洋戦争(第2次世界大戦)のきっかけとなり、米国領土が他国から軍事攻撃された唯一の例として米国人の記憶に残っている。
トランプ大統領は訪日前にそこを訪問した。6日に予定されている天皇陛下との会見及び首相との会談を前にして、米国は‘パールハーバーを忘れない’ことを無言で表明した形だ。
また同大統領の専用機は、至便な羽田空港ではなく、わざわざ横田米軍基地に飛来した。米国大統領は軍の最高指揮官であるので米軍基地に飛来することは不思議ではないが、横田等の米軍基地が北東アジアの前方展開基地として米国の管理下にあることを当然のこととしつつ、‘パールハーバー’と共に、天皇、首相はじめとする日本国民に戦勝国米国の立場を思い起こさせる形となった。
多くのマスコミやコメンテーター等は、ゴルフを含め、首相と米国大統領との‘個人的信頼関係’の構築の機会などとしてトランプ大統領の訪日を一様に評価しているが、国家関係というものはそれほど甘いものではないことを示しているようだ。
5日午後に首相とゴルフをした。通常であればゴルフ自体は良いが、北朝鮮の脅威が増している時期が時期だけに疑問視する向きもある。米国については、国防総省が米国への切迫した脅威はないとしているので問題にはならないだろうが、安倍首相については、選挙前から‘新たな段階の脅威’とし、特に選挙期間中は、今にもミサイルやその破片が飛んでくるように脅威を強調していただけに、言行不一致のご都合主義と見られる向きもある。
日米関係が緊密になることは大いに期待するところであるが、日米の軍事同盟強化については議論のあるところであろう。
北朝鮮は、既に北の脅威を強調し、制裁、圧力強化を声高に主張する安倍政権を批判し‘日本列島を沈める’とまで反発しているが、日米の軍事同盟強化はロシアや中国も警戒し、北方領土はロシアにより軍事的に強化され、また中国とも関係改善は望めそうにない。
この点についての論議やコメント等は、国会でもマスコミなどでもほとんどないと言ってよいほど十分でなく、日米の軍事同盟強化、日本の軍事力の強化一辺倒で終始しているように見える。しかし日本国民の世界における生命と財産の安全にとってそれだけで良いのか、どのような現実的な選択肢があるのかなど、広い視野と中・長期の在り方を考えてみる機会ではないだろうか。
同時に安倍政権に対し、言葉だけでなく、北方領土問題の実質的解決と日ロ平和条約締結、日本人拉致問題と日・中関係の改善などについて、協議や経緯の説明ではなく、実質を伴う具体的な成果と結果を出して欲しいものだ。
(2017.11.5.)