シリーズ平成の本音 小沢議員政治資金記載問題の一件落着!!
4月26日、東京地裁は、小沢議員に対し同議員事務所の政治資金記載問題について無罪の判決を行った。同時に、政治資金記載についてはより正確に記載するよう注意喚起する一方、検察当局の取調べ段階において虚偽の調書が作成されていた上、それを証拠として裁判所に提出してことに対し「ありえないこと」として強く叱責した。
この裁判は、小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載容疑)事件に関連して同議員自体の関与が問われたものである。しかし検察当局は、当時の秘書などを逮捕すると共に関係事務所を広範に家宅捜査したものの、証拠不十分として2010年2月に不起訴としたが、検察審議会で強制起訴の決定を受けて行われたものである。その過程で、検察側が証拠として提出しようとした元会計責任者の大久保隆規被告の捜査段階の供述調書については、郵便不正事件で厚生労働省容疑者から押収した資料を改ざんし、懲戒免職となった前田検事(当時)が作成した供述調書であり、根拠の無い「見立て」による虚偽調書をある可能性が強く、検察側が取り下げた経緯がある。
いずれにしても本件は、裁判長が「無罪です」と2度に亘り告げたところであり、既に検察段階で不起訴され、また強制起訴による裁判でも無罪とされたので一件落着と言えよう。
野党自民党などは、国会での説明責任がある、或いは政治責任を問うとしている。しかしこの記載問題については、3年以上に亘り国会内外で説明され、今回判決においても詳細が明らかにされ、無罪となっているので、今更説明責任もないものだ。野党として与党の実力者を攻撃することは仕方ないが、これ以上この問題で時間を浪費し、政治を混乱させて何の意味があるのだろう。日本は内外の国難に直面しており、解決しなければならない課題が山積しているので、国民としてはその解決を願っており、資金記載問題はいい加減にして欲しいものだ。
同議員の政治責任についても、2009年8月の総選挙で民主党が大勝したものの、その最大の功労者である小沢議員は、選挙を前にして同党代表(従って首相候補)を辞任し、政権与党になってからは党幹事長を辞任し、更に党員資格を停止させられている。政治責任は十分すぎるほど取らされている。無罪なのに一体これ以上何が必要か。
また輿石党幹事長などは判決を好感しているが、前原党政調会長などは上級審があるので“推移を慎重に見極める”として他人事のようなことを述べている。党の仲間であれば、それ以上に現在与党にいられる大功労者の無罪を評価もしないことには、党幹部として以上に人として強い違和感を持つ。党の仲間とは考えていないかもしれないが、無罪である以上、小沢議員の党内責任を問題視して来た菅政権とそれを引き継いだ民主党現執行部の菅、岡田、仙石、前原各議員、及び批判論文を掲載した生方議員などは、評価しないにしても謝罪すべきであろう。その対応のまずさが、今日の民主党内の統一を乱し、ひいては政治を混乱させた大きな原因になっていると言えよう。
同様に根拠の無い検察の「見立て」や虚偽調書に沿って小沢議員の責任を追及して来た一部保守系新聞や評論家、コメンテーターなども読者や視聴者に一方的な誤った情報や印象を与えたことを謝罪すべきであろう。
説明責任ということであれば、判決においてと叱責された検察当局による虚偽調書が何故、どのように作成され、その後の捜査に利用され、一部マスコミにリークされたかなどにつき検察当局は反省し、説明すべきではなかろうか。裁判所に「あってはならないこと」と言われた以上、公文書偽造など法令違反の可能性もあり、その意味するところは重大である。
捜査の経緯を見ると、2009年に総選挙が半年以内に実施される時期に、検察当局は野党民主党の小沢総裁の政治資金記載問題の捜査を開始し、秘書で元会計責任者の大久保被告を逮捕し、事務所を家宅捜査し、これが保守系マスコミを中心として報道されたことから小沢総裁は総裁辞任に追い込まれた。そして同年8月の総選挙で民主党が大勝し、鳩山総裁が首相となり、小沢議員は最大の功労者として党幹事長になると、翌年1月に元秘書を逮捕すると共に、関係事務所を一斉に家宅捜査し、これが保守系マスコミを中心として大々的に報道されたことから幹事長辞任に追い込まれている。この一連の捜査の根拠は「見立て」であり虚偽調書である。練炭連続殺人事件の裁判で、検察側が「朝に雪が積もっていれば、夜に雪が降ったことは明白でしょう」と訴え、木嶋被告は有罪となった。この検察自体の論法で行けば、検察は民主党のトップを狙い撃ちにしたとは言えないのだろうか。そうあってはならないし、そうでないことを祈りたいが、もしそれが事実だとすると検察当局の公平性、政治的中立性に関係し、それ以上に日本の民主主義にとって重大な問題となろう。(2012.04.27.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
4月26日、東京地裁は、小沢議員に対し同議員事務所の政治資金記載問題について無罪の判決を行った。同時に、政治資金記載についてはより正確に記載するよう注意喚起する一方、検察当局の取調べ段階において虚偽の調書が作成されていた上、それを証拠として裁判所に提出してことに対し「ありえないこと」として強く叱責した。
この裁判は、小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載容疑)事件に関連して同議員自体の関与が問われたものである。しかし検察当局は、当時の秘書などを逮捕すると共に関係事務所を広範に家宅捜査したものの、証拠不十分として2010年2月に不起訴としたが、検察審議会で強制起訴の決定を受けて行われたものである。その過程で、検察側が証拠として提出しようとした元会計責任者の大久保隆規被告の捜査段階の供述調書については、郵便不正事件で厚生労働省容疑者から押収した資料を改ざんし、懲戒免職となった前田検事(当時)が作成した供述調書であり、根拠の無い「見立て」による虚偽調書をある可能性が強く、検察側が取り下げた経緯がある。
いずれにしても本件は、裁判長が「無罪です」と2度に亘り告げたところであり、既に検察段階で不起訴され、また強制起訴による裁判でも無罪とされたので一件落着と言えよう。
野党自民党などは、国会での説明責任がある、或いは政治責任を問うとしている。しかしこの記載問題については、3年以上に亘り国会内外で説明され、今回判決においても詳細が明らかにされ、無罪となっているので、今更説明責任もないものだ。野党として与党の実力者を攻撃することは仕方ないが、これ以上この問題で時間を浪費し、政治を混乱させて何の意味があるのだろう。日本は内外の国難に直面しており、解決しなければならない課題が山積しているので、国民としてはその解決を願っており、資金記載問題はいい加減にして欲しいものだ。
同議員の政治責任についても、2009年8月の総選挙で民主党が大勝したものの、その最大の功労者である小沢議員は、選挙を前にして同党代表(従って首相候補)を辞任し、政権与党になってからは党幹事長を辞任し、更に党員資格を停止させられている。政治責任は十分すぎるほど取らされている。無罪なのに一体これ以上何が必要か。
また輿石党幹事長などは判決を好感しているが、前原党政調会長などは上級審があるので“推移を慎重に見極める”として他人事のようなことを述べている。党の仲間であれば、それ以上に現在与党にいられる大功労者の無罪を評価もしないことには、党幹部として以上に人として強い違和感を持つ。党の仲間とは考えていないかもしれないが、無罪である以上、小沢議員の党内責任を問題視して来た菅政権とそれを引き継いだ民主党現執行部の菅、岡田、仙石、前原各議員、及び批判論文を掲載した生方議員などは、評価しないにしても謝罪すべきであろう。その対応のまずさが、今日の民主党内の統一を乱し、ひいては政治を混乱させた大きな原因になっていると言えよう。
同様に根拠の無い検察の「見立て」や虚偽調書に沿って小沢議員の責任を追及して来た一部保守系新聞や評論家、コメンテーターなども読者や視聴者に一方的な誤った情報や印象を与えたことを謝罪すべきであろう。
説明責任ということであれば、判決においてと叱責された検察当局による虚偽調書が何故、どのように作成され、その後の捜査に利用され、一部マスコミにリークされたかなどにつき検察当局は反省し、説明すべきではなかろうか。裁判所に「あってはならないこと」と言われた以上、公文書偽造など法令違反の可能性もあり、その意味するところは重大である。
捜査の経緯を見ると、2009年に総選挙が半年以内に実施される時期に、検察当局は野党民主党の小沢総裁の政治資金記載問題の捜査を開始し、秘書で元会計責任者の大久保被告を逮捕し、事務所を家宅捜査し、これが保守系マスコミを中心として報道されたことから小沢総裁は総裁辞任に追い込まれた。そして同年8月の総選挙で民主党が大勝し、鳩山総裁が首相となり、小沢議員は最大の功労者として党幹事長になると、翌年1月に元秘書を逮捕すると共に、関係事務所を一斉に家宅捜査し、これが保守系マスコミを中心として大々的に報道されたことから幹事長辞任に追い込まれている。この一連の捜査の根拠は「見立て」であり虚偽調書である。練炭連続殺人事件の裁判で、検察側が「朝に雪が積もっていれば、夜に雪が降ったことは明白でしょう」と訴え、木嶋被告は有罪となった。この検察自体の論法で行けば、検察は民主党のトップを狙い撃ちにしたとは言えないのだろうか。そうあってはならないし、そうでないことを祈りたいが、もしそれが事実だとすると検察当局の公平性、政治的中立性に関係し、それ以上に日本の民主主義にとって重大な問題となろう。(2012.04.27.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)