作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

家庭で育つ国語力

2017-05-26 | 読解力
 算数の力は、問題集を解く勉強で身につけることができますが、国語力は、そういうわけにはいきません。なぜなら、国語力は、生活の中で自然に培われていくものだからです。同じ日本人でありながら、国語力に差があるのは、育ってきた環境が違うからです。

 では、どのような環境なら国語力をつけることができるのでしょうか。幼いころから、広辞苑を読み聞かせするといった難しいことではなく(これは逆効果になるでしょう。(笑))、家族がいつも笑顔で話しかけ、じっくり子供の話を聞き、それに対して関連する話をしてあげるといったような対話のある環境です。

 長い時間でなくても構いません。子供が何かに興味を持ったり、深く考えたりするきっかけを作ることが大事なのです。国語力は、言葉を使って論理的に考え、表現する力とも言えます。子供のころから、日常生活の中で自然とその習慣を身につけることが、将来の国語力のみならず学力につながります。

 国語力を育てるには長い時間がかかります。小学生になってからでは遅いということはありませんが、できれば幼少期から、国語力を高める環境を意識的に作ってあげるのがよいと思います。



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音読の効果

2015-08-27 | 読解力
 日曜個別作文教室の読解講座では、1500字から2000字程度の長文を読んで選択問題と記述問題を解く練習をしています。

 苦手な生徒ほど、黙読して問題を解くのと、音読して問題を解くのとでは、正解率に大きな差が出ることがわかりました。音読の方が正解率が高く、問題を解く時間も大幅に短縮されるのです。日ごろから音読を繰り返していれば、黙読でも音読と同じように集中して内容を読み取ることができるようになるのだと思います。

 音読は黙読より時間がかかりますが、「急がば回れ」です。読解問題が苦手な受験生は、まずは問題文を音読してみることをおすすめします。受験生でない人は、問題を解く必要はありません。ひたすら音読を続けてください。

 家庭で音読の学習を無理なく続けるために


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読書と四行詩

2010-03-07 | 読解力
 言葉の森の通学教室では、読書と四行詩を自習の中に取り入れています。小学校4年生までの生徒は自分の好きな本を読んで詩を書き、小学校5年生以上の生徒は問題集の問題文を読んで詩を書きます。詩と言っても、たったの4行なので時間はかかりません。

 詩を書くのがむずかしい場合は、本の中から自分の好きな文を選び、それを詩らしく4行に分けて書き写します。小学校4年生以上になると、ほとんどの生徒が、文の抜き出しではなく、自分の感想を四行詩として表現できるようになります。

 四行詩のノートは、立派な読書記録になります。また、詩のリズムをつかむ練習にもなります。表現力も磨かれます。問題集を読んで四行詩を書くという作業は、文章のテーマを的確につかみ、筆者の伝えたいことをとらえる練習になります。特に受験生には毎日続けてほしい作業です。

 現在は、通学生のみの自習ですが、今後、通信生にも広げていく予定です。


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塾泣かせの国語勉強法

2010-02-22 | 読解力
 国語の成績は、塾に通ったからといって上がるわけではありません。国語の授業は、自分とは違う考えの人の意見を聞いたり、先生の解説を聞いたりして、情緒性を身につけるという点では効果があるかもしれませんが、受験生は、そんなのんきなことはやっていられないというのが現状でしょう。

 しかし、そのことに気づかない人も少なくないのです。特に国語に関しては、塾の授業を過信しない方がよいと思います。国語力は、問題を解く量ではなく、読む量に比例します。塾の授業を受ける時間があったら、自分でどんどん文章を読んだ方がずっと効果があります。その具体的なやり方が書かれているのがこのページです。
 http://www.mori7.com/bennkyou.html

 このページは、受験生向けに問題の解き方などについても触れていますが、基本は、やはり、難しい文章を繰り返し読むことです。

 我が家でも、子供たちの中学受験、大学受験の際にこの方法を取り入れました。特に、あまり国語が得意ではなかった息子は、この方法で成績が著しく上がりました。娘は、もともと読書が好きだったので、難しい文章を読むことにさほど抵抗がなく、勉強の締めくくりとして、毎晩楽しく続けていました。

 受験生には本当にお勧めの方法です。

 http://www.mori7.com/bennkyou.html


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情緒的読解力と論理的読解力

2009-06-29 | 読解力
 『公立中高一貫校合格への最短ルール』(若泉敏著)という本の中に、「国語的な問題の読み取り」とは、情緒的な読み取りのことであり、「算数的な問題の読み取り」とは、論理的な読み取りのことであるという内容が書かれていました。「国語的」、「算数的」という言葉が使われているのは、わかりやすい分類にするためで、実際には、どちらも国語の勉強において身につけるべき力だと思います。

 言うまでもなく、物語や詩を読むときは、登場人物の会話から気持ちを推測したり、行間から作者の心情を読み取っていくという情緒的な読み取り方が必要です。しかし、国語の勉強は、それだけではありません。説明文、論説文を論理的に正確に読み取っていくことも、国語の勉強の中で身につけなければいけない力です。本物の国語力とは、算数(数学)、理科、社会、英語など、どの科目を勉強するときにも困らない力だと思います。

 私も、以前は、「国語=文学」というイメージを持っていました。しかし、作文を教えるようになってから、大切なのは情緒的なものだけではなく、文章を論理的に読み取ること、また、論理的に表現することだということがわかりました。確かに、文章に花を添える感覚的な表現や気の効いた言い回しなども身につけておきたいものですが、文章の幹や枝となるような論理的思考を育てることを忘れてはならないと思います。

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読解力をつける問題集読書

2009-06-25 | 読解力
 言葉の森では、受験生に問題集読書を勧めています。毎日10分程度、国語の問題集の問題文だけを黙読するというものです。受験生にとっては、毎日の生活の中で読書の時間を確保することはむずかしいと思います。しかし、読解力は、問題を解く量ではなく、読む量に比例してついていきます。従って、特に受験生は、質の高い文章をコンスタントに読んでいくことが必要です。

 問題を解く必要はありません。問題は解かずに、ひたすら問題文だけを読んでいきます。空欄も気にせずに飛ばして読みます。最初は、文章の内容をつかめなくても構いません。どんどん読み進めていって、問題集の最後までいったらまた最初に戻ります。1冊の問題集を4回読むことが目標です。4回目ぐらいになると、文章の意味がつかめるようになります。


 読むときに注意することは、読み返しをしないということです。後戻りせずに、先へ先へと読んでいきます。この作業によって、速読力が身につきます。読解問題が苦手という子供の場合、速読力がなくて問題を解き切れないことが原因である場合が少なくありません。集中して一度で読み取るくせをつけておきましょう。最初のうちは、読み返しをしないと意味がわからないということもあるかもしれませんが、そんなときも、後戻りしたくなる気持ちをぐっと我慢して先に進みます。4回目になれば、自分でも驚くくらい楽に読み取ることができるようになっているはずです。

 他の勉強と同じように読解力をつけるためにも繰り返しが大切です。同じ文章を繰り返し読むという単純な作業が大きな力につながるのです。受験生のみなさんは、是非、この10分間の問題集読書を毎日の勉強の中に取り入れてみてください。問題集は、過去問を集めたものなど、少し難しめのものを選ぶとよいでしょう。

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国語力をつける読解作文

2005-05-03 | 読解力
 国語の読解の勉強というと、物語文、説明文などの問題文を読んで設問に答えるという形がほとんどですが、本当にそれで読解力が身につくものなのでしょうか。わかる問題は、問題を解くまでもなくわかっていたことですし、間違えた問題を解き直してみたところで、それは本当の自分の力とは言えません。解説を聞いてわかったような気持ちにはなるかもしれませんが、解説を聞くことによって実力がついたことにはなりません。もちろん、このような設問に答える問題にも解き方のコツはあります。記号問題なら、消去法で解いていく、また、断定的な言い方のものは避けるなどといったことです。受験生は、このようなコツを覚えておくことも必要ですが、それも最終段階で間に合います。
 では、本当の読解力をつけるためにはどうしたらよいのでしょうか。まずは、ひたすら読むことです。読書好きでない人は、国語の勉強と割り切って、少しむずかしいと思えるくらいの文章を読んでいきましょう。読書好きの人も、自分の好みの本、つまり、同じレベルの本を何冊読んでも読解力がつくとは限らないので、普段はあまり読まないような論説文などを中心に少しむずかしい文章を読んでみましょう。ただ、普段から読書をしている人は、速読力がついているはずですから、速く読み進めることができると思います。問題集の問題文を読むことを日課にするとよいでしょう。ただし、同じ問題集を4回くらい読まないと実力はつきません。
 もう一つお勧めしたいのは、文章を読んだら、その文章について作文を書いてみることです。私は、これを「読解作文」と呼んでいます。もちろん、すべての文章について書いていたら時間がかかって大変ですから、週に一度ぐらい、できれば、毎週違ったテーマの文章を選んで書くとよいと思います。単に、その文章を読んでどう思ったかという感想を書くだけではなく、自分の体験などを具体的書くのがポイントです。自分の体験だけでは足りない場合は、是非、お父さんやお母さんが助言をしてあげてください。文章の内容を、自分の体験や身近な人から聞いた話と重ね合わせることによって、筆者の視点が見えてくるからです。そして、少しずつですが、筆者の意見を自分のものとして理解できるようになります。最初は長く書くのがむずかしいかもしれません。また、見当はずれの作文になってしまうこともあるでしょう。でも、読解作文を繰り返していくうちに、文章の内容を深く読み取ることができるようになるはずです。
 このやり方は、遠回りに見えますが、確実に読解力をつけていくためには一番良い方法です。作文を書くためには時間も労力も必要ですが、設問に答えるような勉強よりは効率的です。また、読解力をつけるという狭い目的だけでなく、自分の生き方を考えるときにも役に立つと思います。すべての勉強は、幸せに生きるためのものですが、特に、国語の勉強は、自分の考えを整理し、自分の生き方を考えるときの直接の手段となるというすばらしい側面を持っています。そんな意味でも、広い視野を身につけ、着実に国語力を伸ばしていってほしいと切に願います。