作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

問題集読書の効果

2015-01-30 | 作文
 言葉の森では、国語力をつけるための一つの方法として問題集読書をすすめています。

 毎日10分程度、入試の過去問の問題文だけを読んでいくという勉強法です。

 私が個別に指導している受験生たちにも問題集読書を宿題にしています。たぶん、最初のうちは、意味がよくわからないままとにかく読んでいるという状態が続いていたと思うのですが、数か月経つと、読むスピードも速くなり、作文に使われる語彙も明らかに増えていきます。

 以前だったら使わなかった(使えなかった)であろう難しい言い回しを取り入れているのです。

 そのことを指摘すると、「○○中の○○年の過去問の文章にありました。」と……。

 問題集読書は、問題集を数冊の冊子に分け(分解してしまいます)、それぞれを4回繰り返し読むことになっています。4回目を読むころには、印象的な言葉はそのまま覚えてしまうのでしょう。

 インプットがなければアウトプットはできません。

 日常的に使う言葉をインプットするのはたやすいですが、日常的に使わない言葉は意識してインプットしなければなりません。問題集読書は、そのための最適な方法だと思います。

 思考力をつける作文と、その裏づけとなる問題集読書
(言葉の森の問題集読書についての記事です。)



にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
  ↑
ブログランキングのページです。
よろしければクリックをお願いします。<(_ _)>

いいとこ取りゲーム

2015-01-27 | 作文
 小学校4年生の女の子の作文の一部です。

「わたしはときどきクラスを見回して、それぞれのよいところをじゅんに言っていくゲームを心の中でします。一人一人にいいところがたくさんあって大変です。クラスでひょうばんがよくない子にもいいところがあります。クラスの子たちも、いろんな人のいろんなところをほめられるいい心の持ち主がたぁっくさんいます。」

 悪口に花を咲かせるよりも、一つでもいいから、口には出さなくてもいいから、ほめ言葉を考える方が自分も幸せになれるはず。

 そんなことをこの作文から教えられました。

 心の中で思っていることは、外側にも反映します。マイナス面に注目するより、プラス面を探す方が周囲にもいい影響を及ぼします。気になることはあっても、そこに留まらず、ふと目を逸らして、明るい方を見ようとすると全体の流れも変わっていくと思います。


にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
  ↑
ブログランキングのページです。
よろしければクリックをお願いします。<(_ _)>

知らないことを知っている?

2015-01-25 | 作文
 今週の小学校5年生の感想文課題は、ソクラテスについての文章です。


 「ソクラテスは、自分が知らないということを知っていた。」という一文がこの文章のテーマを端的に表しています。

 「小さいころは、大人は何でも知っていると思っていたけれど、大人でも知らないことがたくさんあることが分かった。」と書いていた生徒がいました。

 確かにそのとおりです。私自身、幼いころは、大人になれば、いろいろなことがわかって、怖いものもなくなるのだと思っていました。でも、実際は、大人になった今でも、わからないことはたくさんあるし(むしろ、子どもに教えられることの方が多いくらいです。)、怖いものも一向に少なくなりません。^^;

 また、ある生徒は、知っているふりをして嘘をついてしまった話を書いてくれました。その後、心は、とげが刺さったようにずっと痛かったと書いています。小さな出来事だったけれど、ずっと苦しかったと……。

 でも、きっと、文章にすることで、その傷も少し癒えたのではないかと思います。作文は、心のどこかに残っている傷痕を浄化する効果もあるのかもしれません。(^^)

 自分が知らないということをきちんと認識していることは大切です。そのためには、視野の広さと、あらゆる可能性を想像できる心の広さが必要なのだと思います。



にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
  ↑
ブログランキングのページです。
よろしければクリックをお願いします。<(_ _)>