作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

にらめっこは10分まで

2011-10-31 | 作文
 「作文用紙に向かったまま、30分も経つのですが、全然進んでいません。どうしたらよいでしょう?」

 こういう電話がよくかかっています。30分も静かに見守り続けていたのだとしたら、お母さんの気の長さは本当にすばらしいと思います。

 でも、はっきり申し上げて、待ちすぎです。

 待つのはせいぜい10分。それ以上待っても、事態が好転する可能性は少ないでしょう。こういうときは、早めに手を打ちましょう。

 お母さんが作文を書いてください。

 まあ、書くわけにはいかないと思うので、お母さんの作文をお子さんに代筆してもらってください。

 と言うより、お子さんになったつもりで文を言ってあげてください。

 「ぼくは、今朝、7時に起きました。朝ごはんは、パンと目玉焼きでした。お母さんが作ってくれた料理は世界一おいしいと思いました。……」といった具合です。

 「本当にそんなことをして、子供が作文を書けるようになるのですか?」

 こうお尋ねになるお母さんは多いのですが、大丈夫です。何度かお手本を示してあげているうちに、子供は、必ず自分の力で書けるようになります。(私は、何度もこういうことを経験しています。)

 子供によっては、「お母さんが作ってくれた料理は世界一おいしいと思いました。」あたりで、拒絶反応を起こし、「そんなことは思わなかったよ。」と言うかもしれません。そこがチャンスです。「じゃあ、どう思ったの?」と聞いてみてください。その答えを作文に書けばよいのです。そうこうするうちに自分で書いた方がいいと思うようになります。

 子供は、本当は自分で書きたいのです。でも、どう書き始めたらよいかわからなかったり、自信がなかったりするだけなのです。(あるいは、書いたものを注意されたことがトラウマになっているのかもしれません。)

 そのきっかけがつかめれば、必ず自分の力で書くようになります。だから、そのきっかけを作ってあげることが必要なのです。

 そして、もちろん、ほめることも大事です。自画自賛になるかもしれませんが、代筆(?)してもらった作文は、たっぷりほめてあげてください(笑)。


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イラ~ときたら……

2011-10-29 | 作文
 子供が作文を書いているとき、または、書き上がった作文を読んで、イラ~ときて、つい怒りたくなってしまうことはありませんか? ここで、「NO」と答えたお母様は、これ以上読まれる必要はありません。大丈夫です。

 でも、「YES」と答えた方は、最後まで読んでください。

 怒ってしまってはおしまいです。(これ、ほんと。)

 親の我慢が子供の能力を伸ばすのです。特に作文はそうです。

 では、怒ってしまいたくなったとき、どうすればよいでしょうか。

 肺のレントゲン撮影を思い出してください。

 「大きく息を吸って……。止めて。」

 そうです。怒る前にこれをやってください。息を止めたときに、「ちょっと待てよ。」と考え直してください。それができればもう大丈夫。

 どんな作文にもいいところは必ずあります。まず、ほめてください。注意したいところはその後でさりげなく。あくまでも「さりげなく」注意してください。

 基本はほめることです。

 どんなにはちゃめちゃな作文でも、とにかくまずほめてください。ほめ続けてください。

 ○×がはっきりしている他の教科に比べて、作文は絶対評価がしやすいという特徴があります。だから、作文でほめてください。めちゃくちゃほめてください。

 その効果は、作文だけでなく、他の分野にも及ぶはずです。


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言葉の森 森林プロジェクト

2011-10-24 | 日記
 現在、言葉の森では、「森林プロジェクト」の講師を募集しています。今なら、先着20名様まで、モニターということで無料で講師資格を取得できます。まずは、ご自分のお子様のために始めてみませんか?

 講師資格を取得された方は、言葉の森の教材をもとに、自宅や貸会場などで教室を開いていただきます。もちろん、ご自分のお子様に教えるだけでもOKです。

 興味のある方は、是非ご参加ください。

 以下、「森林プロジェクト」のページ( http://www.mori7.net/shine/ )からの転載です。

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1、目的

(1)日本に、地域の自治と家庭の文化を生かした新しい教育を作ります。

2、方法

(1)小1から中3の子供に、作文と読解の勉強を教えます。(言葉の森の教材を利用)
(2)幼児教育にも広げます。
(3)数学、英語、家庭での生活習慣などにも広げます。
(4)家庭と地域につながるようにします。(家庭での自習と予習を重視)
(5)ソーシャルサービスを活用します。(facebook、google+など)
(6)限りなく低コストを目指します。
(7)学年別に言葉の森の講師が質問などに対応します。。

3、参加資格

(1)モニターとして小1から中3の子供1人以上に作文を教えていただきます。(自分の子供でも、近所の子供でも結構です。会場は自宅又は地域の集会所などを利用)
(2)教材と指導法は、言葉の森から提供します。
(3)指導と評価のフィードバックをfacebookなどで行います。
(4)当面20名まで指導者を無料で募集します。(学年のバランスなどを勘案して選抜させていただく場合があります)
(5)期間は3か月ごとに更新します。

4、参加方法

(1)下記のグループにご参加ください。グループ名「森林プロジェクト」
http://www.facebook.com/groups/shinpro/
(2)自宅のパソコンから1日1回以上facebookにアクセスできるようにしてください。
(3)指導はできないが企画や運営に加わりたいという人も参加できます。
(4)作文読解以外の、幼児教育、数学教育、英語教育、躾教育に関心のある方も歓迎します。
(5)言葉の森の生徒の保護者も参加できます。
(6)学校や塾などで生徒を指導している方も参加できます。
(7)グループの入退会はいつでも自由にできます。

5、指導する人に必要な準備

(1)指導のための資格や経験は必要ありません。ただし、人数や学年や対象を制限させていただく場合もあります。
(2)指導する人は、教材をウェブでダウンロードして使う形になるので、プリンタをご用意ください。
(3)印刷画面は、ウィンドウズのインターネットエクスプローラ8に合わせています。(マックは縦書き印刷ができないので使えません)
(4)子供の作文画像をアップロードすることもあるので、できるだけスキャナをご用意ください。


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言葉の森・小6の作文 幸せは歩いてこない

2011-10-20 | 作文
 言葉の森の小学校6年生の10月3週の課題は、努力と忍耐なくして幸運はありえないという内容の長文の感想文です。小6の女の子が実例として、お父さんに取材した話をたっぷり書いてくれました。

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 父は、テニスの練習を繰り返し行った。練習と同じボールが試合でも来るとは限らないが、練習での成功体験を多く積むことで、試合での対応ができる。努力をすれば必ず試合に勝てるとは言えないが、試合に勝つ人は必ず努力をしている。練習でコツコツ積んだことが試合で返ってくると信じて、日々努力をしていると父は言っていた。
(中略)
この前、父のテニスの試合を見に行った。練習では、何球ものボールを狙って打っていた。試合では、相手の出す球を素早く打って、試合に勝った。
(中略)
 人間にとって幸運とは、待っているだけではなくて、日々の努力の積み重ねでつかみ取っていくものである。
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 お父さんの話を聞き、また、実際に試合で戦う姿を見て、課題長文の内容をより深く、実感として理解することができたようです。
 この作文を読んで、「幸せは歩いてこない だから歩いて行くんだね」という歌を思い出しました(笑)。幸せに向かって、少しずつでも歩を進めていきたいですね。


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言葉の森・小2の作文 油断は禁物

2011-10-18 | 作文
 小学校2年生の男の子が町内運動会のようすを作文に書いてくれました。障害物競走で一位になったそうです。

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 ぼくのじゅん番は三番目です。ぼくの番になったときにがんばるぞと思いました。よーいドンのあいずでみんないっせいに走り出しました。まず、ネットをとおります。一番だけどゆだんしちゃだめだと心の中で思いました。つぎは、はしごをとおります。ぼくは、体が小さいから体を少しまるめてひくいたいせいでらくにとおりました。
(中略)
つぎはこむぎこにあめが入ったものです。あめを見つけて顔を入れたとたん、バッとこなをふりかけられていきぐるしくなりました。はをくいしばって思いっきりゴールにつっこみました。
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 「一番だけどゆだんしちゃだめだ」と思いながら走っているところがすごいと思います。2年生なのに冷静です。この冷静さと最後のがんばりが勝因ですね。見習わなくては……。(^^ゞ


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言葉の森・小1の作文 ママのおかげ

2011-10-17 | 作文
 小学校1年生の男の子、スイミングスクールの進級試験になかなか合格することができなかったそうです。問題は背泳ぎ。そこで、お母さんと一緒に背泳ぎの特訓をすることになりました。

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 ぼくは、せおよぎができないのでしんきゅうできません。だから、ママととっくんしました。ぼくはなんかいもなんかいもれんしゅうしました。そのあと、できるようになりました。ぼくは、大よろこびしました。
「やった。できるようになった。」
ぼくは、うれしかったです。ほんばんのときがきました。ぼくは、がんばってやりました。クロールはかんぺきでした。しんぱいなのは、せおよぎです。ぼくは、ふんばってやりました。そうしたら、できました。
「わーい、わーい。イェーイ。できるようになった。」
ぼくは、もういっかいがんばりました。
「やっぱり、できた。ママのおかげ。」
ママもほめてくれました。まるでゆめのようにうれしかったです。
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 「ママのおかげ」という言葉にこの男の子の気持ちが凝縮されているように感じたのは私だけでしょうか。低学年だからこそ書ける、素直な気持ちの表れた作品は、一生の宝になりますね。


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言葉の森・小6の作文 カキの話はカキにくい

2011-10-15 | 感想文
 言葉の森の小学校6年生の10月2週の課題は、柿に関する長文の感想文です。毎年、この課題に苦労する生徒は少なくありません。子供たちにとって、柿は、あまり人気のある果物ではないようです。だから、柿に関する話と言っても、ピンと来ないようなのです。

 でも、今年は、ある生徒がおばあちゃんから聞いた話をたっぷり書いてくれました。

 「柿には、富有柿、次郎柿、八茶柿、百匁柿、豆柿などの種類がある」
 「高い柿の木には、はしごをかけて登り、木製の先が三つに分かれた棒を使って、柿を取った」
 「柿の皮の中心に渦巻状に線が入ると、中には、黒いゴマの模様ができている」
 「渋柿は、干し柿にして熟させると、赤く柔らかくなり、黄な粉をまぶして食べるとおいしい」
 「『柿が赤くなると、医者が青くなる』ということわざがあるように、柿は栄養的にすぐれている」
 「柿を見ると、故郷を思い出す」

 長文の感想文には、おうちの方に取材した話を入れることになっていますが、お父さんやお母さんだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんに取材をしてみると、こんなふうに一味違った話が聞けるかもしれません。

 カキの話はカキにくいなどと言ってはいられません。自分の話だけではなかなか書けないときこそ、取材力を発揮して、内容の豊富な感想文を目指しましょう。


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