作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

小論文自動採点の是非

2005-02-25 | コラム
 朝日新聞一面を飾った小論文自動採点のニュースは、さまざまな波紋を呼んでいるようです。疑問視する声も少なくはありませんが、小論文の評価に自動採点ソフトを利用することは奨励されるべきことではないでしょうか。
 なぜなら、まず第一に、客観的な判断が即座に下されることによって、意欲的に勉強することができるからです。私の勤務する作文教室でもパソコン入力の小論文の評価には「森リン」という自動採点ソフトを利用していますが、このソフトを利用するようになってから、生徒たちは、「森リン」での高得点を目指して以前より意欲的に作文に取り組むようになりました。
 また、第二に、自動採点ソフトの登場によって、入学試験に小論文を課す学校が増えることが予想されるからです。人間による採点に手間と時間がかかるという理由だけで作文・小論文を入試科目から外すというのは非常に残念なことです。自動採点ソフトを利用することによって入試に小論文を課す学校が増えることは望ましいことだと思います。
 確かに小論文の判定を自動採点ソフトのみに頼ることはできないでしょう。しかし、その使い方は私たち人間に任されています。小論文自動採点ソフトは、使い方次第で、大きなプラスの力となるにに違いありません。

作文検定を受けてみよう ~準1級・1級~

2005-02-17 | 小論文
 準1級と1級は、課題となる長文が複数になりますから、さらに速読力をつけておく必要があります。二つの長文からテーマを見出し、そのテーマをもとに意見文を書いていきます。その際、6級から2級までの構成のいずれかを使います。どの構成で書くかは指定されるわけではありませんから、自分の書きやすい構成を選びましょう。
 また、森リンの採点で、準1級は92点以上、1級は96点以上でなければ合格できません。難易度はかなり高いと言ってよいでしょう。日ごろから、難しい文章を繰り返し読み、語彙力をつけておくことが合格につながります。

 ★「問題」「理由」「確かに」「ではなく」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

小論文自動採点ソフト「森リン」における三種類の語彙

2005-02-16 | コラム
 素材語彙は、接続詞などあまり特徴のない語彙を除いた語彙です。素材語彙を増やすには、同じ言葉を繰り返さないことが鉄則です。繰り返し使われている言葉があったら、ほかの言葉に言い換えられないかどうか考えてみます。「やって来る」を「訪れる」と言い換えたり、「強固」を「強靭」や「頑強」に置き換えたりといった具合です。

 重量語彙とは、漢字を使った熟語です。たとえば「取る」という言葉を「取得する」に変えると重量語彙になるわけです。重量語彙を増やすことは素材語彙を増やすことにもつながります。重量語彙は、普段の会話では使わない難易度の高い言葉が多いので、読書などによって難しい語彙を身につけておく必要があります。四字熟語などの勉強も役に立ちそうです。ただし、重量語彙を多用しすぎると、文章全体が硬い感じになり、しなやかさがなくなるので、読みやすく、わかりやすい文章を目指すなら使いすぎにも注意する必要があります。

 強力語彙とは、「しかし」「ゆえに」「~ならば」「~はず」「~だろう。」「~と思う。」など、意見を組み立てていくときに使う言葉です。強力語彙は、のべ数でカウントされます。つまり、同じ言葉でも、強力語彙と分類されている言葉が現れる度にカウントされるので、極端に言えば、文末に「~だろう。」や「~思う。」などをつけていけば数は増えるのですが、実際にそれをすると、とても不自然で幼稚な文章になってしまいます。ですから、文末を工夫するよりも、仮定の表現を入れたり、接続詞を効果的に使う工夫をした方が作品全体の印象がよくなります。

作文検定を受けてみよう ~2級~

2005-02-16 | 小論文
<第一段落>
 長文の要約または状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。そして、そのあとに長文のテーマをもとに、これから起こり得る問題を提起します。
 【例】「メディアによって作られたイメージが、現実を離れて独り歩きするという問題が予測される。」

<第二段落>
 第一段落で示した予測問題を解決するための対策の一つ目を書きます。
 【例】「対策の一つ目は、自分の目で現実を見るということである。」
 次に、その対策についての実例を挙げます。まずは体験実例が書きやすいと思います。読む人の共感を得られるような実例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 対策の二つ目を書きます。
 【例】「対策の二つ目は、情報を受け取るだけでなく、自分自身が発信するということだ。」
 次に、第一段落と同じようにその方法に関する実例を挙げます。もちろん、体験実例でもよいのですが、伝記実例、歴史実例、自然科学実例などを挙げると話題が広がります。

<第四段落>
 反対意見への理解を示した後、提起した予測問題を解決するためにどうしていくべきかをまとめます。
 【例】「確かに、メディアは私たちにとって大きな情報源となっている。しかし、メディアによって作られたイメージに対して受動的にならず、自分の目で確認し、能動的にとらえて姿勢を忘れてはならない。」
 ここには「○○○とは、AではなくBである。」という形の自作名言も入れてみましょう。
 【例】「イメージとは、与えられるものでばなく、自分たちが作り出していくことのできるものなのである。」

★「問題」「対策」「確かに」「ではなく」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~準2級~

2005-02-16 | 小論文
<第一段落>
 長文の要約または状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。そして、そのあとに長文のテーマをもとに、社会問題を提起をします。
 【例】「日本人に個人主義が欠けており、世間に流されやすい面があるところに問題がある。」

<第二段落>
 第一段落で示した問題の原因の一つ目を書きます。
 【例】「その第一の原因としては、日本の農耕民族の歴史が、日本人の国民性を作ったということが考えられる。」
 次に、その原因についての実例を挙げます。まずは体験実例が書きやすいと思います。読む人の共感を得られるような実例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 原因の二つ目を書きます。
 【例】「第二の原因としては、日本の社会が島国であるために、異質の文化を持った人との接触が少ないということが考えられる。」
 次に、第一段落と同じようにその方法に関する実例を挙げます。もちろん、体験実例でもよいのですが、伝記実例、歴史実例、自然科学実例などを挙げると話題が広がります。 

<第四段落>
 反対意見への理解を示した後、提起した問題を解決するためにどうしていくべきかをまとめます。
 【例】「確かに、日本人の世間志向が安定した社会を築いてきた面はある。しかし、これからの国際化社会では、日本人も自分の意見をしっかり持った個人主義的な発想をしていく必要がある。」
 ここには「○○○とは、AではなくBである。」という形の自作名言も入れてみましょう。
 【例】「個人の意見を主張することは、社会の中で孤立することではなく、社会の中で生きるための方法なのである。」

★「問題」「原因」「確かに」「ではなく」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

小論文自動採点

2005-02-15 | 小論文
 今日の朝日新聞の夕刊についに載りました。小論文自動採点の記事。Jessが朝日新聞からの取材を受けているとは聞いていましたが、一面トップとは思いませんでした。
 この記事を見て、もう一つの小論文自動採点ソフト「森リン」だと勘違いした人もいるようです。日本語作文小論文検定試験には「森リン」が使われているからです。
 「森リン」がJessと大きく異なるのは、一人の開発者がお金をかけずに開発したことです。(笑)もちろん、Jessと「森リン」とでは判定の仕方にも大きな違いがあります。Jessは10点満点評価、「森リン」は100点満点評価です。また、「森リン」は、Jessのようにあらかじめ理想の小論文を記憶しているわけではありません。素材語彙、強力語彙、重量語彙の3種類の語彙をもとに、点数をはじき出します。実際、私もいくつかの作文を試してみましたが、点数の信憑性はかなり高いというのが実感です。
 現在、「森リン」は作文検定試験の判定にしか使われていませんが、今後は、Jessと競合する形で、入学試験や入社試験に採用されるようになるのではないかと予想されます。(私個人の予想です。(^^ゞ)
 もちろん、試験に使われることだけに意義があるわけではありません。私の勤める作文教室でもこの「森リン」を採用するようになってから、生徒たちが意欲的に作文を書くようになりました。書いたその場で客観的な評価が表示されるからです。これは非常に画期的なことだと思います。
 「森リン」については、日本語作文小論文検定協会の「日本語の文章解析ソフト森リン」のページにくわしく載っています。
 Jessにしても「森リン」にしてもまだ発展途中ではありますが、、小論文を短時間で客観的に判定できるということは、作文小論文指導に携わる者にとっては非常にうれしいことです。確かに、全面的にソフトに頼るというわけにはいきませんが、作文小論文の学習に大きな役割を果たすことは間違いないでしょう。また、情感に訴える文章を機械で判定できるのかという批判もありますが、機械を使うのは人間です。すべては人間の使い方次第だと思います。

作文検定を受けてみよう ~3級~

2005-02-15 | 小論文
<第一段落>
 長文の要約または状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。そして、そのあとに長文のテーマに対し、「……べき」という形で自分の意見を示します。
 【例】「相手もまた自分たちと同じなのだと思うべきだ。」

<第二段落>
 第一段落で示した意見を実現するための方法の一つ目を書きます。一つ目の方法は、自分自身の心構えという観点から考えてみるとよいでしょう。
 【例】「そのための第一の方法は、相手の立場に対する想像力を働かせることだ。」
 次に、その方法についての実例を挙げます。まずは体験実例が書きやすいと思います。読む人の共感を得られるような実例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 方法の二つ目を書きます。二つ目の方法は、社会的な観点からさがしてみるとよいでしょう。
 【例】「また、第二の方法は、自分たちだけの狭い世界に安住せずにもっと広い世界に目を向け、多くの人との関わるを持つことだ。」
 次に、第一段落と同じようにその方法に関する実例を挙げます。もちろん、体験実例でもよいのですが、伝記実例、歴史実例、自然科学実例などを挙げると話題が広がります。 

<第四段落>
 反対意見への理解を示した後、書き出しの意見に戻ってまとめます。書き出しの意見に戻るという点はとても大事です。反対意見に理解を示しただけで終わってしまったり、中庸の意見になってしまったりすることがないように、第一段落で示した立場を貫きましょう。
 【例】「確かに、自分の世界に深く入り込み自己を探求することは大切だ。しかし、相手の立場になって物事を見つめることもそれ以上に大切だ。」
 ここには「○○○とは、AではなくBである。」という形の自作名言も入れてみましょう。
 【例】「自己とは、自分の内側だけに存在するものではなく、他人との関わりの中にこそ見出されるものである。」

★「べき」「方法」「確かに」「ではなく」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~4級~

2005-02-14 | 小論文
<第一段落>
 長文の要約または状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。そして、そのあとに長文のテーマのもとに、どんな生き方をしたいか、どんな人間になりたいかという自分の意見を示します。
 【例】「私は、専門的な知識だけではなく、幅広い教養を身につけた人間になりたい。」

<第二段落>
 第一段落で示した意見について、どうしたらそのような生き方ができるか、どうしたらそのような人間になれるかという方法の一つ目を書きます。一つ目の方法は、自分自身の心構えという観点から考えてみるとよいでしょう。

 【例】「そのための方法としては第一に、得意な分野、好きな分野以外のことや一見無駄に思われるようなことにも目を向けることである。」
 次に、その方法についての実例を挙げます。まずは体験実例が書きやすいと思います。読む人の共感を得られるような実例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 方法の二つ目を書きます。二つ目の方法は、社会的な観点からさがしてみるとよいでしょう。
 【例】「また、第二の方法としては、学校などでも知識をつめ込むだけの教育をするのではなく、幅広い教養が身につくような教育をすることである。」
 次に、第一段落と同じようにその方法に関する実例を挙げます。もちろん、体験実例でもよいのですが、伝記実例や歴史実例などを挙げると話題が広がります。 

<第四段落>
 反対意見への理解を示した後、書き出しの意見に戻ってまとめます。書き出しの意見に戻るという点はとても大事です。反対意見に理解を示しただけで終わってしまったり、中庸の意見になってしまったりすることがないように、第一段落で示した立場を貫きましょう。
 【例】「確かに、一つのことに専念し、深く追求していくことも大切である。しかし、私は、専門的な知識だけではなく、幅広い教養を身につけていきたい。」
 余裕があれば名言を引用してみましょう。代表的な名言は「名言の木」に載っています。

★「人間」「方法」「確かに」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

ちょっとひといき ~血液型と作文~

2005-02-13 | コラム
 血液型による性格判断がはやったのはもう一昔前のことになりますが、当たっているような気がするのは私だけでしょうか。生徒の作文を読んでいると、「きっと●型だろうなあ。」と見当がつくことがあります。

 名前や数字をとにかくくわしく書くA型の男の子。しばらくそんな調子が続きましたが、ひたすらほめ続けたら、会話やたとえも上手に書けるようになりました。どうしても書けないと頭をかかえていたこともありましたが、そんなときもちょっとしたアドバイスをした後、ひたすらほめる。そうしたらすらすらとすばらしい作文を仕上げてくれました。初めて感想文を書いたときも、「○○君は感想文が得意だね。」と言うとすっかりその気になった様子で、次の月も「僕、感想文得意だから。」と、はりきって書いてくれるようになりました。

 中学生の○○君はB型。小学生の間は、むらのある作文が続きました。もちろん、自分ては毎回精一杯書いているのですが(それは伝わってくるのですが)、言いたいことがうまく伝わるときとそうでないときがありました。でも、ひたすらいいところだけをほめ続けていると、中学生になってからは、個性的ないい作品が続くようになりました。実例がユニークで、読む人を飽きさせない作品です。また、小学生の○○君は、「いちばん書きたかったことを丸で囲んでね。」と言うと、単語ではなく、一文字ずつ丸で囲みました。このような丸の囲み方をする生徒は初めてでした。思わず、「B型?」とたずねると、「どうしてわかったの?」とのこと。この○○君も今は感想文などもとても上手に書けるようになりました。

 O型の○○ちゃんは、とにかく豪快。特に会話などは、つつみかくさず、そのままを書いてくれます。会話なので、まあいいかなと思いながら、これもまたほめ続けていると、おうちの人にたくさん話を聞いてきて、そのまま書いてくれるようになりました。お母様も非常に協力的で、作文でも、感想文でも、聞いた話が必ず入るようになったのです。同じくO型の○○君は、とにかく話すのが大好き。キーボードに乗せた手よりも口の方が活発に動いていました。やっと入力した作文は、事実だけのオンパレード。それでも「よくがんばったね。」と言うと、非常に満足気な顔。自分の気持ちを書くようにアドバイスをすると、少しずつ思ったことも書けるようになりました。

AB 最後になりましたが、AB型の○○君。お休みせずに、毎回まじめによくがんばっていいます。むずかしい課題にもポーカーフェイスで、積極的に挑戦し、じっくり仕上げてくれるのですが、どうしてここにこの話が来るのかと思うくらい極端な実例が挙げられていたりして、講評に悩むことも少なくありませんでした。見守り続けて数ヶ月。いつの間にか、コンスタントにまとまりの良い作品が書けるようになっていました。得意分野がはっきりしていたので、そこを生かしながら毎回うまくまとめています。

 もちろん、血液型と作文に関係があるとは言い切れません。同じ血液型でも、一人一人その性格は違っています。書いた作文もそれぞれに個性のあるすばらしいものです。でも、共通して言えることは、見守り、ほめることがいかに大切であるかということです。最初から完璧を求めないことが大事だと思います。

作文検定を受けてみよう ~5級~

2005-02-13 | 小論文
<第一段落>
 状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。ここまでは8級と同じですが、7級の場合は第一段落では自分の意見を示すことはしません。第二段落と第三段落で対照的な異なる意見を挙げていきます。

<第二段落>
 長文のテーマに対する一つ目の意見を書きます。
 【例】「短所をなくすように努力することは大切だ。」
 意見を裏付ける実例を挙げます。体験実例、伝記実例、歴史実例などからぴったりの例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 一つ目の意見とは対照的な二つ目の意見を書きます。
 【例】「しかし、短所ばかりに目を向けず、長所をのばすべきだという考えもある。」
 次に、第一段落と同じように意見を裏付ける実例を挙げます。昔話実例などを持ってきてもよいでしょう。

<第四段落>
 第二段落と第三段落で挙げた二つの意見をどちらも肯定した後、さらに上の次元から結論を出します。むずかしい場合は、二つの意見の折衷案になってしまっても構いませんが、二つの意見の上をいくような説得力のある意見でまとめるのが理想です。
 【例】「確かに短所をなくすことも、長所を伸ばすこともどちらも大切だ。しかし、一番大切なことは、いつも前向きにより良い自分を目指す気持ちを持つことである。」
 余裕があれば名言を引用してみましょう。代表的な名言は「名言の木」に載っています。

★「一番大切」「意見」「確かに」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~6級~

2005-02-12 | 小論文
<第一段落>
 状況説明を書きます。状況説明とは、長文のテーマについて、実例を挙げながら現況を説明するものです。そして、そのあとに長文のテーマに対する自分の意見を示します。
 【例】「自分の信念を貫き通すことはよいことだ。」

<第二段落>
 第一段落で示した意見について、その理由の一つ目を書きます。
 【例】「第一の理由は、自分の信念を貫けば後悔しないからだ。」
 次に、その理由を裏付ける実例を挙げます。まずは体験実例が書きやすいと思います。読む人の共感を得られるような実例をさがしてみましょう。
 
<第三段落>
 理由の二つ目を書きます。
 【例】「また第二の理由としては、他人に合わせていると自分らしさがなくなってしまうからである。」
 次に、第一段落と同じようにその理由を裏付ける実例を挙げます。もちろん、体験実例でもよいのですが、伝記実例や本で読んだ話などを挙げると話題が広がります。 

<第四段落>
 反対意見への理解を示した後、書き出しの意見に戻ってまとめます。書き出しの意見に戻るという点はとても大事です。反対意見に理解を示しただけで終わってしまったり、中庸の意見になってしまったりすることがないように、第一段落で示した立場を貫きましょう。
 【例】「確かに他者と協調することも大切だ。しかし、自分の意志を曲げず、信念を貫き通す方が後悔しない、自分らしい人生を送ることができるはずだ。」
 余裕があれば名言を引用してみましょう。代表的な名言は「名言の木」に載っています。

★「よい」「理由」「確かに」など指定されたキーワードが入っていないと減点になるので注意しましょう。
 キーワードについては、日本語作文小論文検定の勉強の仕方「表現のキーワードを入れて書く」のページを参考にしてください。

6級からの作文検定

2005-02-12 | 小論文
 作文検定試験は、6級から少しレベルアップします。7級までは題名が与えられた作文ですが、この6級からは長文の感想文課題となります。長文を読む時間も試験時間に含まれますから、速読力をつけておくことも必要でしょう。
 長文のテーマはさまざまです。細かいところまですべてを読み取ろうとせずに、大きな流れをつかみましょう。何について書かれた長文か、作者はどのような立場でその文章を書いているかをしっかり読み取ることが大切です。大事なところに線を引きながら読むと全体の流れを把握しやすくなります。(慣れるまでは大事なところがどこかを見つけるのもむずかしいのですが。)
 長文の内容を把握すればあとは、級ごとに与えられた構成に従って書いていくだけです。級によって、構成はさまざまですが、四段落構成で書くこと、実例を挙げることはどの級にも共通しています。段落ごとのバランスを取ることと、個性的な実例を挙げることに注意しましょう。実例は、体験実例だけとは限りません。伝記実例、歴史実例、自然科学実例など、得意分野から説得力のある実例をさがしてみましょう。

作文検定を受けてみよう ~7級~

2005-02-11 | 作文
 小学校6年生の人は7級に挑戦してみましょう。具体的なエピソードをもとに、テーマについて大きく考えてまとめていきます。

<第一段落>
 簡単な説明。「私の長所短所」なら、まず、自分の長所と短所について説明します。長所は意外と書きにくいものですが、「私の長所は、明るいところだとよく言われる。」というように他人から言われたことを思い出すといいでしょう。

<第二段落>
 自分の長所と短所があらわれた、実際の出来事を書いていきます。そそっかしくて、いつも忘れ物ばかりしている、一つのことに夢中になると時が経つのも忘れてしまうなどといった話です。

<第三段落>
 家族の長所や短所について、尊敬する人の長所についてなど、別の話を書きます。
 または、第二段落で長所をあらわすエピソード、第三段落で短所をあらわすエピソードを書くという構成でもいいです。

<第四段落>
 長所短所について、「人間」というキーワードを使ってまとめます。「人間にとって、長所と短所はいつも裏表の関係なのだと思う。」など。

 常体で書くことと段落をかえることを忘れずに。字数の目標は1200字です。

●一般化の主題

 出来事などの感想を書くだけでなく、課題となっているテーマについて大きく考えてまとめます。「人間にとって」「日本人にとって」などという言葉を使って書いてみましょう。

 【例】「人間にとって家族とは、どんなときでも心の支えとなる存在だ。」
    「人間にとって読書とは、人生を何倍にも広げてくれるものだ。」

 日本語作文小論文検定協会の勉強の仕方のページも参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~8級~

2005-02-11 | 作文
 小学校5年生の人は8級に挑戦してみましょう。題名は「私の友達」、「私の長所短所」などさまざまですが、それほど書きにくいテーマではありません。次のような順番で書いていくと書きやすいでしょう。
 また、段落を考えながら作文を書いていく必要があります。段落変えの練習は、最初は内容に関係なく、句点三つで段落を変えるという練習をしていくとよいでしょう。慣れてくると、意味の変わるところで自然に段落を変えられるようになります。

<第一段落>
 簡単な説明。「私の友達」なら、仲のいい友達について名前や性格、仲良くなったきっかけなどについて紹介します。

<第二段落>
 実際に出来事を書いていきます。できればおもしろいエピソードを書きましょう。「私の友達」なら、その友達と一緒に遊んだこと、けんかしたことなどについてたとえを使いながら書いてみましょう。

<第三段落>
 もう一つ別のエピソードを書きます。別の友達についての話でも構いません。また、おうちの人に聞いた話があればそれを書いてもいいです。

<第四段落>
 友達についてわかったことを書いてまとめます。「友達とは……ものだとわかった。」という形です。

 字数の目標は1000字です。

●わかったこと
 
 出来事などの感想だけで終わらせずに、課題となっているテーマについて学んだことを「わかった」という言葉を使ってまとめます。
 【例】「何事も見た目だけで判断してはいけないとわかった。」
    「自分が正しいと思ったことは、はっきりと主張することが大切だとわかった。」

 日本語作文小論文検定協会の、勉強の仕方のページも参考にしてください。

作文検定を受けてみよう ~9級・10級~

2005-02-11 | 作文
 小学校3年生の人は10級に、4年生の人は9級に挑戦してみましょう。字数の目標は、600字と800字です。学年の200倍が目標の字数になります。目標の字数に届かなくても受検する級に合格できないというわけではありませんが、作文の自動採点ソフト「森リン」の採点は字数が多い方が有利です。その「森リン」の採点で基準の点数に届かないと合格できませんから、なるべく目標字数は書くようにしましょう。
 また、会話のカギかっことたとえ(まるで)と思ったことを作文の中に盛り込むのを忘れないようにしましょう。

●たとえ

 「まるで~みたい」「まるで~よう」という言葉を使って、たとえを入れます。

 <たとえのない文>
  「ウサギは真っ白でした。」
 <たとえのある文>
  「ウサギはまるで雪のように真っ白でした。」

 <たとえのない文>
  「○○先生はおこると、とてもこわいです。」
 <たとえのある文>
  「○○先生はおこると、とてもこわくてまるで鬼のようです。」

 作文検定の各級の概要は、日本語作文小論文検定協会の、各級の概要をご覧ください。