感想文というと、本を読んだ感想を書くものと考えてしまいがちですが、感想だけで字数を伸ばすのは至難の業です。その結果、感想は最後の数行のみ、ほとんどが本のあらすじというような感想文になってしまうのです。
では、どうすれば内容の濃い感想文にすることができるのでしょうか。そのポイントは、「似た話」です。本の内容と似ている話を自分の体験やお父さん、お母さんに聞いた話から見つけて書いていくのです。
この「似た話」が入ることによって、感想文が書き易くなるわけですが、書き易くなるだけではなく、感動的で面白い感想文になります。単なるあらすじや感想が並べられているだけのものとは違い、オリジナリティのある内容になるからです。
というわけで、まず、この「似た話」が書き易い本を選ぶことが大事です。読んで面白い本と、感想文が書き易い本とは少し違います。似た話を思いつきやすい内容、想像をふくらませやすい内容の本を選んでください。
入選を目指すなら、似た話のポイントは、「個性」「挑戦」「感動」「共感」です。「個性」とは、他の人とは違うオリジナリティのある話、「挑戦」とは、敢えて挑戦したというような話、「感動」とは、自分自身が感動して書けるような話、「共感」とは、自分の弱みを出すことによって共感が得られるような話です。
本を読むときは、似た話を思いついた箇所に附箋を貼るなどしながら読んでいくとよいでしょう。
具体的な書き方ですが、まずは、本のはじめの方から一か所、似た話の書けそうな場所を選び、その部分を引用します。そして、自分の似た話を書きます。似た話を書いた後は、その似た話についての感想を書きます。感想を書くときは、「たぶん」「きっと」「もしかしたら」などという言葉を使いながら書いてみましょう。
次は、本の真ん中くらいから一か所、似た話の書けそうな場所を選び、同様に「本の引用」→「似た話」→「感想」という順番で書いていきます。
最後に、本の終わりの方から一か所、似た話の書けそうな場所を選び、「本の引用」→「似た話」→「感想」という順番で書いていくのですが、最後の「感想」の部分は、本全体の内容についての感想を書きます。低中学年の場合は、本全体について思ったことを書けば十分ですが、高学年の人は、その本から学んだことや「○○は(人間にとって)……である」というような一般化した大きな感想が書けるとなお良いです。また、高学年の人は、続けて、「私はこれから」などという言葉を使い、この本から得たことを自分のこれからの生き方にどうつなげていくかを考えてまとめます。
お父さん、お母さんの役割は、自分の子供時代を振り返って、似た話を提供してあげることと、書いている途中でも、書き終えたあとでも、子供の書いた内容のいいところや面白いところをたっぷりほめてあげることです。子供の意欲をそぐことのないように、未熟なところを指摘したり、書き直しをさせたりしないようにしてください。
さらに具体的な感想文の書き方については、こちらをご覧ください。
「桃太郎」を例にした感想文の書き方
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