作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

ことわざの加工

2005-07-11 | 作文
 結びに、結論に結びつくようなことわざを引用すると、読む人に対する説得力が二倍になります。ことわざの引用に慣れたら、ことわざをひとひねりして「ことわざの加工」をしてみましょう。ときには強調の思いをこめて、ときには皮肉をこめて、またときにはユーモアをこめて。

●「雨降って地固まる」
 このことわざは、「一度ごたごたのあったあとに、かえってよくまとまる。」という意味ですが、これを逆の意味に加工すると、「雨降って地崩れる」となります。ごたごたが続いて、収拾がつかない状況を表すときに使えそうです。

●「案ずるより産むが易し」
 「心配するよりもやってみると、意外にやさしい。」という意味ですが、「案ずるより産むが早し」とすると、心配する間もなく終わってしまったという意味になります。突然やってきた災難がいつの間か過ぎ去っていたというような場合に使います。

●「石橋をたたいて渡る」
 慎重な様子を表すことわざですが、「石橋をたたいて渡らず」とするとさらにその意味が強調されます。また、「慎重さがあだになる」という意味で「石橋をたたいてこわす」と加工することもできそうです。

●「衣食足りて礼節を知る」
 「生活が豊かになって、礼儀にも気を配るようになる。」という意味ですが、生活が豊かになって態度が大きくなってしまう人もいるかもしれません。そんなときは、「衣食足りて礼節を忘れる」と加工します。

●「捨てる神あれば拾う神あり」
 「見捨てられる一方で助けられることもある。」という意味ですが、「見捨てられたり、笑われたりで踏んだりけったり」という意味にしたいときには「捨てる神あれば笑う神あり」とすればOKです。

●「出る杭は打たれる」
 「差し出たふるまいをする者、または頭角を現す有能は者は、他から憎まれたり妨げられたりする。」という意味ですが、「出すぎる杭は打たれない」とすれば、堂々と大きなことをやれば他から憎まれたり妨げられたりはしないという意味になります。

 みなさんも、おもしろいことわざの加工を思いついたら、是非作文の中に取り入れてみてください。