作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

言葉の森・小6の長文を読んで思ったこと

2012-03-17 | コラム
 言葉の森の小6の感想文課題に「勉強」に関する長文があります。

 「「勉強」を訓読みにすると「つとめしいる」となり、無理じいするニュアンスがふくまれる。しかし、「勉強」は人から強制されるものではない。自分の勉強する目的をはっきりさせ、勉強する中で自分の生きがいを見出すことができたら、「勉強」は苦痛ではなく、充実したものになるだろう。「勉強」とは、それ自体が目的ではなく、手段にすぎない。手段を目的と勘違いするときに「勉強」は単なる苦痛の種になってしまう。」という内容です。

 「教育」にも同じようなことがあてはまると思いました。「教育」は目的ではなく、手段です。子供が幸せな人生を送れるようにするための手段です。教育が手段であることを忘れ、目的と勘違いしてしまうとき、教育は誤った方向に向かうのではないでしょうか。親や先生という立場で、躾をしたり、知識を身につけさせたりすることも必要ではありますが、ときには、子供に寄り添うこと、またときには、後ろからそっと見守ることが大切なのだと思います。

 「作文」を通して「教育」を考えるとわかりやすいです(笑)。表記ミスを直したり、表現を工夫するように指導するだけではなく、作文に書く内容について子供と対話をすることや子供が書き上げた作文を読んで、ほめてあげることはそれ以上に大切なことです。子供が安心して作文を書けるように、そっとバックアップし、子供の成長を見守ることこそが、本当に子供のためになるような気がします。

 入試など、目の前の目的のために必死でがんばらなければならないときもあるでしょう。でも、そんなときも、その先のもっと大きな目的を忘れずにいたいものです。教育の目的は、試験で百点を取ることでもなく、ましてや、教える人が満足することでもなく、子供が幸せな人生を送ることだからです。


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言葉の森・小5の作文 定説は嘘だった?

2012-03-12 | 作文
 言葉の森の小学校5年生の3月3週の課題は、科学は決して完成したものではなく、これからも新しい考えが出て古い考えが否定されることがあるという内容の長文の感想文です。科学に限らず、これまで定説だと思われていたことがくつがえされたという実例を挙げながら感想を書いていきます。
 昨年の3月、原子力発電所について書いた生徒がいました。

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原子力発電は、石油を使わず、煙も出さない、とても環境にいい発電方法だ。放射能は有害な物質を持っていて、とても危ない物質だ。しかも原子力発電所が爆発してしまうと、草木は枯れはて、大地は干からび、人は、放射能を大量に体内に取り込んでしまうと、がんになり死んでしまう。しかし、原子力発電所は厳重に守られているため、絶対安全だと言われていた。ところが、今回の東日本大震災では、放射能汚染が大きな問題になっている。原子力発電所は安全だという定説は嘘だったということだ。定説は確かなものと不確かなものがあると改めてわかった。

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 定説だと思われていたこと、定説だと信じさせられていたことが実は嘘だったという例はほかにもたくさんありそうですね。


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言葉の森・小6の作文 土の道

2012-03-07 | 作文
 言葉の森の小学校6年生の2月2週の課題は、土の道についての長文の感想文です。自然の残る土の道は良いという意見で書く生徒が多いのですが、中には、土の道の良い点と悪い点の両方から考えて書く生徒もいます。

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土の道はそのままの自然という感じがするし、道沿いに雑草や花が咲いているのがいいなあと思う。しかし学校の授業で福祉体験をしたとき、車椅子の人は「舗装されていない道路はとても危険だ。」とおっしゃっていた。

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 このように、一つの物事をいろいろな側面から考える力を育てるのも作文の効果だと思います。また、物事を多角的に見るためには、大人の人との対話が不可欠です。これは、言葉の森で家族の対話を重視している理由の一つでもあります。子供の意見に耳を傾けると同時に、大人としての意見を子供に示し、視野を広げてあげることが必要だと思います。


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本当の試験結果

2012-03-02 | コラム
 先ほど、合格情報をアップしましたが、当然のことながら、合格者がいるということは、不合格だった人もいるということです。長い人生、たった一度の試験ですべてが決まってしまうわけではありません。合格した人にとっても、合格しなかった人にとっても、その結果を今後に生かしていかれるかどうかが、本当の意味での分かれ道になるような気がします。

 私は、これまでの受験経験の中で、何度か不合格の辛さを味わっているので、不合格だったときの気持ちは痛いほどわかります。そのときは、目の前につきつけられた結果だけで頭の中がいっぱいになってしまい、すぐに一歩を踏み出す気持ちにはなれないものです。でも、まだまだ先は長いのです。自分の人生が、たった一度の試験に振り回されてしまうことなど、絶対にありません。すべては自分次第です。言うまでもないことですが、試験の合否によって、自分らしい人生を歩んでいくことができなくなってしまうなどということはないのです。

 合格した人は、その合格を十分に生かせるように、不合格だった人は、その結果を大きなバネにできるように、これから前向きにがんばっていかれるかどうかが本当の試験の結果と言えるでしょう。

 以下、言葉の森HPの昨年の記事です。

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 今年、中学入試を作文試験で受けた子から不合格の連絡がありました。よく書ける子でしたし、教科の成績もよかったはずで、勉強もよくがんばっていましたから、本人も納得できない気持ちがあったと思います。

 しかし、試験とはそういうものです。実力があっても、運が悪くて不合格になることもあります。大事なのはそれからです。

 不合格になったとき、勉強をやっていて自信があった子ほどくやしい思いをします。そのくやしさがばねになって、これからの勉強に生きてきます。すると、早い子では1年もたたないうちに、第一志望に不合格になっていてかえってよかったと思えるようになってきます。そして、ほとんどの子は、3年後、又は6年後の次の入試のときにはすっかり、その最初の不合格を克服して、逆に、「あそこで不合格になっていたから、それをばねにして自分が成長したんだ」と思うようになってくるのです。

 そして、そのように自分が成長するだけでなく、不合格になったことの痛みを知っているので、自分よりも弱い人に対しても優しい気持ちを持てるようになります。

 また、いつか、自分が大人になり、人の上に立つようになったり親になったりしたときに、部下や子供の失敗をより大きな視野で見てあげられるようになるのです。

 ですから、合格不合格の結果は、ただ第一ラウンドが終わったということに過ぎません。不合格になった人が、いつまでもその不合格をひきずって、「あそこで合格していれば、もっといい人生だったかもしれない」などと思っていては、第二ラウンドでも不合格です。

 たとえ、第二ラウンドではまだすぐに立ち直れなくても、第三ラウンド、第四ラウンドで、「あそこで不合格になっていたから、かえっていい人生になった」と素直に思える日が必ず来ます。

 本当の合格不合格は、何年もたってからわかってきます。そして、あとからわかった合格が、本物の合格なのです。

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言葉の森 合格情報

2012-03-02 | 日記
 言葉の森は、進学塾ではありません。入試に作文、小論文試験がある場合は、入試の5ヶ月前からその対応をしていますが、それ以外は特に受験指導は行っていません。(もちろん、個別に質問があれば、読解問題の解き方や記述問題の書き方などについてはくわしくお話ししています。)それでも、低学年のうちから、考える力、書く力を身につけた子供たちは、受験でも力を発揮しています。

 今年も、たくさんの合格のお知らせが届きました。その一部を掲載します。(進学塾ではないため、合格しても何食わぬ顔をして(笑)、受講を続けている生徒もたくさんいます。というわけで、ここに載っているのは、ごく一部だと思います。)

 立教女学院中学(帰国子女)
 宮城県日立一高付属中
 群馬県立中央中等教育学校
 古川黎明中
 秀明中
 日大三中
 聖徳学園中学校
 恵泉女学園中学校
 東京純心女子中
 麻布中
 大妻中
 栄東中
 都立桜修館中
 都立白鴎中
 聖ヨゼフ学園中
 都立富士中
 千葉大附属中
 城北中
 本郷中
 公文国際中
 鹿児島ラサール中
 都立国際高校
 仙台第二高校
 名古屋大学教育学部附属高校
 神奈川県立湘南高校
 都立国立高校
 神奈川県立多摩高
 仙台育英高
 駒澤大学附属高校
 早稲田大学先進理工学部

 みなさん、おめでとうございます! でも、合格は通過点であることを忘れずに、これからもがんばってほしいと思います。


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