作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(2)

2010-02-28 | 作文
●たとえ

 実際に指導する際は、「たとえ」という言葉ではなく、「まるで……みたい」「まるで……よう」と、具体的に説明します。低学年では、まだうまく使えない子供も多いので、例を挙げて説明します。自分で思いつかないときは、先生の例をまねさせても構いません。「何に似ているかな?」と聞きながら指導していくのも効果的です。低学年のうちは、形ができていれば上出来です。

 ときどき、「たとえ」を「たとえば」と勘違いする子供もいます。そのような子供にも、「まるで」という言葉を必ず使うように指導すると、自然にわかるようになります。また、身の回りのものをたとえを使って表現するなど、日常生活の中でゲームのようにたとえを楽しむ工夫をするとよいでしょう。

●思ったこと

 「楽しかったです。」「おもしろかったです。」など、単純な感想を書いてしまいがちな結びを一工夫する練習です。ただ「楽しかった」「おもしろかった」ではなく、自分なりに思ったことを書いてまとめるために、「思いました」という言葉を使うように指導します。

 最初は、「楽しいと思いました。」「おもしろいと思いました。」というように形だけになってしまっても、「思いました」が使えたことを認め、ほめてあげましょう。どこが楽しいと思ったのか、どうして楽しいと思ったのか、また、楽しいと思ったからどうしたいのか、などを考えさせると、思ったことを長く書けるようになります。ただ、この過程は急がず、時間をかけて指導していく必要があります。

 「思いました」というありきたりの言葉を使わない方がよいという意見もあるようですが、低学年のうちは、「思いました」という言葉を使って思ったことを書くという指導で十分です。子供の成長に合わせて、感想や意見の表現の仕方を広げていけばよいのです。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(1)

2010-02-27 | 作文
 項目指導レベル1では、小学校低学年の指導項目について説明していきます。

 小学校低学年の作文指導でいちばん大切なことは、楽しく書いて、書くことを好きにさせることです。表記ミスがあっても、字数が短くても主語と述語のある文を書けていたらたっぷりほめてあげましょう。文を書くことに慣れてきたら、比較的簡単に入れられる項目から指導していきます。

●はじめに絵をかく

 これは、作文の中心を決めるための指導です。絵をかくことによって、何がいちばん印象に残ったのかを子供自身が認識し、焦点のしぼられた作文になります。

 しかし、絵とはあまり関係のない作文になってしまったとしても気にすることはありません。絵をかいているうちに夢中になりすぎて、作文に書くことを忘れてしまったのでしょう。それなら、何のための絵をかいたのかということになりますが、教える側も子供の気持ちになって、そのあたりを深刻に考えないことが大切です(笑)。

 子供は絵をかくのが大好きですが、中には、絵をかくのが好きでないという子供もいます。そのような子供には、棒人間など簡単な絵でよいと指導します。

●名前・数字

 友達や場所などの名前、時刻や量などを表す数字を書くと、正確な文章になります。数字や名前をくわしく書くことは、作文の表現の面白さには直結しないので評価されることの少ない分野です。しかし、低学年の子供や作文の苦手な子供でも簡単に入れることのできる項目なので、積極的に指導し、できたらたっぷりほめます。

 縦書きで書くとき、数字は漢数字を使うのが一般的です。子供が、縦書きの原稿用紙に算用数字を書いていたら、数字をくわしく書いたことに対してプラスの評価をした後で、さりげなく漢字で書いた方がよいと教えてあげましょう。ほめるときは大袈裟に、注意するときはさりげなくがポイントです。


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構成図――このわずかな手間が作文を変える!

2010-02-26 | 作文
 言葉の森では、作文を書く前に構成図(小2以下は絵)を書いてもらっています。テーマを決めたら、そのテーマに関連する出来事、自分の思い、家族に聞いた話など、思いついたことを四角い枠の中にどんどん書き込んでいくのです。そして、考えた順番がわかるように矢印で結びます。

 構成図を書くのに時間がかかってしまうのではないかという私の心配は杞憂でした。小学校3~4年生の子供たちも楽しく構成図を書き、それをもとに作文を書いています。小学校5年生以上の生徒の構成図は、文句のつけようのない立派な設計図になっています。この構成図があれば書きたいと思ったこと、途中で思いついたことなどをもらすことなく作文に盛り込むことができます。

 先日、日経新聞の取材を受けたのですが、その際、記者の方がこの構成図に強い関心を示していらっしゃいました。四角い枠がいくつか並んでいるだけのA4サイズの用紙ですが、この用紙が非常に重要な役割を果たすのです。

 そのときの記事はこちらです。
  ↓
 http://www.mori7.com/pr/e/pr20100115.jpg

 急がば回れ。手早く、内容の濃い作文を書きたければ、構成図を書く手間を省くわけにはいきません。一度試してみるとそのよさがわかると思います。


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上位10%以内に入れるか?

2010-02-25 | 作文
 先日、お知らせした「作文の日コンクール」ですが、自動採点ソフト「森リン」の集計をもとに、言葉の森事務局が採点します。

 http://www.mori7.net/mori/20100201.html#14535

 「森リンって何?」という方は、下記のページをご覧ください。自分の作文が何点ぐらいか、実際に採点することができます。

 http://www.mori7.info/moririn/moririn1200.php

 これは1200字用なので、1200字以上の作品でないと高い得点は出ません。高得点を狙うなら、1200以上書くことが必要です。また、思考力、知識力、表現力の三本柱で評価されるので、それぞれにあてはまる言葉を使いこなさなければなりません。さらに、リズミカルな文章であることや語彙の豊富さも点数に影響します。森リンの内側は非常に複雑なので、あれこれ頭で考えるよりも実際に文章を書いて、採点してみるのがいちばんわかりやすいです。是非、試してみてください。試行錯誤しているうちに、高得点を出すコツがわかってくると思います。

 こちらは150字用。

 http://www.mori7.info/moririn/moririn.php

 低学年の人は、このページで試した方がよいと思います。

 上位10%以内に入るのは至難の技です。コンクールで入選を目指すなら、まずは、上位10%以内に入ることを目標にがんばってください。


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大文字・小文字・マス目文字

2010-02-24 | 筆跡リーディング
 原稿用紙のマス目いっぱいに、ときにははみ出すくらいに大きな文字を書く子供、虫眼鏡でのぞきこみたくなるくらい小さな文字を書く子供、そうかと思えばマス目の中にきちんと大きさのそろった文字を書く子供。文字の大きさは、その子供の行動力を表します。

 大きな文字を書く子供は、のびのびとしていて行動力があります。積極的で、遠慮せずに堂々と行動する子供が多いようです。

 小さな文字を書く子供は、控え目な性格で、目立つ行動はしません。大きな声ではしゃいだりせず、おとなしいタイプが多いようです。

 マス目文字を書く子供は、気分に左右されることが少なく、コツコツと我が道を進んでいくタイプです。冷静で羽目を外すことも少ないようです。

 中には、大文字と小文字が混在している場合もあります。大文字と小文字をまぜて書く子供は、変化を好み、平凡では満足できない大物性を秘めています。

 実際の筆跡鑑定では、文字の大きさだけではなく、他のさまざまな特徴とあわせて判断するので、字の大きさだけでその人の行動力を決め付けるわけにはいきませんが、当たっていると思う方も多いのではないでしょうか。


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作文上達のための7つの法則

2010-02-23 | 作文
1.書くことに対する敷居を低くする。

 完璧を求めない。
 日常的に気軽に書く習慣を作る。

2.事前指導をしてから書かせる。

 作文のポイントを事前に指導しておく。
 書いた後に注文をつけても効果はない。

3.とにかくほめる。

 いいところを見つけてとにかくほめる。
 書いたことだけでもほめる。

4.注意は最小限に留める。

 否定するような注意の仕方はしない。
 軽くさらりと注意する。 

5.読書の時間を確保する。

 読書は、語彙力、表現力を高める。
 書く力は読む力に支えられている。

6.音読、暗唱を日課にする。

 音読・暗唱により、自然な文の流れを体得できる。
 体を使って学習したことは定着しやすい。

7.親子の会話を大切にする。

 作文の幅を広げるためには大人との会話が不可欠。
 作文の質を高めるための刺激にもなる。
 

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塾泣かせの国語勉強法

2010-02-22 | 読解力
 国語の成績は、塾に通ったからといって上がるわけではありません。国語の授業は、自分とは違う考えの人の意見を聞いたり、先生の解説を聞いたりして、情緒性を身につけるという点では効果があるかもしれませんが、受験生は、そんなのんきなことはやっていられないというのが現状でしょう。

 しかし、そのことに気づかない人も少なくないのです。特に国語に関しては、塾の授業を過信しない方がよいと思います。国語力は、問題を解く量ではなく、読む量に比例します。塾の授業を受ける時間があったら、自分でどんどん文章を読んだ方がずっと効果があります。その具体的なやり方が書かれているのがこのページです。
 http://www.mori7.com/bennkyou.html

 このページは、受験生向けに問題の解き方などについても触れていますが、基本は、やはり、難しい文章を繰り返し読むことです。

 我が家でも、子供たちの中学受験、大学受験の際にこの方法を取り入れました。特に、あまり国語が得意ではなかった息子は、この方法で成績が著しく上がりました。娘は、もともと読書が好きだったので、難しい文章を読むことにさほど抵抗がなく、勉強の締めくくりとして、毎晩楽しく続けていました。

 受験生には本当にお勧めの方法です。

 http://www.mori7.com/bennkyou.html


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筆跡リーディング

2010-02-18 | 筆跡リーディング
 「筆跡リーディング」とは、筆跡からその人の性格や現在の状態を読み取ることです。
 たとえば、最後のハネがわずかしかなかったり、全くなかったりする文字を書く子供は、物事を最後までやり遂げるのが苦手な場合が多いようです。しかし、それは欠点とは言い切れません。気持ちの切り替えが早く、新しいものに対する適応力があるとも言えるからです。
 このような子供に、ハネをきちんと書くようにと指導すると、新しいことに臨機応変に対応できる力を保持しながら(これはもともと持っている性格なので簡単には変わりません。)、必要なことは最後までじっくり取り組む力も育ってくるらしいのです。
 アメリカの哲学者ウィリアム・ジェイムズは「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しくなるのだ。」と言っています。人の行動は、心に影響を及ぼすのです。つまり、ハネをきちんと書くくせをつけると、いつの間にか、物事を最後までやり遂げようという気持ちが芽生えてきます。
 ほんの少し筆跡を変えるだけで、子供にプラスの変化が現れると考えると、子供の筆跡に目を向けないわけにはいきません(笑)。子供の文字を見たら、まずは、ハネがきちんと書けているかどうかチェックしてみてください。ただし、「きちんとはねなければダメ!」と叱るのは厳禁です。子供の持ち味を認め、活かしつつ新たなプラス面を加えていくという発想が大切です。

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