デイビットのブラジルいろいろ日記

デイビットの思いつくままなんでもかきます

W杯の一日

2010-08-17 15:29:12 | Weblog


ブラジル中を熱狂の渦に巻き込むサッカーW杯。セレソンの試合がある日は国民は普段とは一味違う一日を送る。サッカーが好きでも嫌いでも全国民がW杯の影響を受けることは避けられない、そんな国なのである。試合時間が日中なら通常学校や会社は早退もしくは休みになり、みんなが選手さながら試合のために準備を整えることになる。

まずは食べ物飲み物の準備。大人にとってサッカー観戦用のドリンクといえばやはりビールである。寒い日にはまずピンガで体を温めてから、なんていう人もいる。これが子供だとやはり炭酸飲料になる。食べ物はポップコーンが一般的で、子供たちは綿菓子を食べたりもする。その点では映画鑑賞と同じ感覚なのかもしれない。また、人によってはシュハスコをやりながら試合観戦なんていう贅沢コースもある。

さて食べ物飲み物を買ったら後は場所である。ある人は自宅に向かい、ある人は大勢のサポーターが集まるレストランやバーに向かう。大画面のスクリーンで試合を中継するパブリックビューも各地で開催されるからTVがない人も観戦場所にはまず困らない。どこで見るかと同じくらい誰と見るか、というのも深刻な問題である。要するに誰と感動を分かち合いたいかということだが、オフサイドの意味も分からない女となんて見てられねえぜ、という硬派な男性陣もいれば、どうせなら愛する家族、親戚と愛国心を確かめ合いたいという人もいるだろう。日本のサラリーマンが仕事上の付き合いで半ば強制的に飲みに連れて行かれるように、これも仕事だからと仕方なく同僚や上司に同伴するという哀れな人もいるに違いない。

試合中は、官民問わずほとんどの機関が実質機能を失うか、あるいは誰もそれらを利用しなくなる。交通機関は乱れるし、道には人がいなくなるし、日本でいうところの台風が上陸したときと似てなくもない。試合が終わっても時間帯によっては仕事や学校に復帰しないのも普通だし、たとえ復帰したとしても興奮冷めやらぬ中とても仕事や授業どころではない。勝てばお祭り騒ぎ、負ければまるで葬式。抱き合う人、踊りだす人、泣き出す人、物を壊す人。結果がどうであれ、ブラジルのあちこちでそれぞれの人間ドラマが繰り広げられる。彼らにとってW杯は神聖な儀式であり、サッカーは宗教といっても過言ではない。
 






 









コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みどりのgoo

<script type="text/javascript" src="http://ct2.karou.jp/sc/1314581"></script> <noscript> カウンター
[PR] テキスト広告</noscript>