伯国の深刻な所得格差 Ｇ20加盟国では下から２番目

所得分配の向上が格差縮小に不可欠

メ キシコで19、20日に開かれる20か国・地域（Ｇ20）財務次官・中央銀行副総裁会合を前に国際団体オックスファム（Ｏｘｆａｍ）が行った調査による と、伯国はＧ20加盟国の中で２番目に所得格差が深刻であることが分かった。19日付エスタード紙（ウェブ版）が報じた。

世界92か国で貧困撲滅活動を展開しているオックスファムがＧ20加盟国を対象に所得格差調査を行った結果、伯国よりも悪い結果を残したのは南アフリカのみだった。

同調査はさらに、そのうち12か国で最も貧しい人口10％が国民総所得（ＧＮＩ）に対して占める割合も調べたが、この項目では伯国が最下位となり、その次に南アフリカが続いた。

オッ クスファムによると、今回の調査で結果が悪かったＧ20メンバーは主に新興国で、伯国と南アフリカのほかメキシコ、ロシア、アルゼンチン、中国、トルコも 挙げられた。一方、最も所得格差が少なく平等とされたのはフランス、ドイツ、カナダ、イタリア、オーストラリアなどの先進国だった。

ただ し、所得格差問題を露呈した一方で、伯国は近年の貧困撲滅プログラムが最も効果的だった国だという評価も受けている。調査結果によると、伯国内では １９９９～２００９年に１２００万人が絶対的貧困から抜け出し、所得分配を０（平等）～１（不平等）の数字で示すジニ係数は0.52から0.47に減少し たことも判明している。

また調査によると、国際通貨基金が予想しているように伯国が12年に３・６％、その後４％の成長率と所得格差減少 の傾向を維持した場合、20年までには貧困層の人口が５００万人減ることが示されている。しかし、今後所得分配の不平等さが悪化した場合、国内総生産 （ＧＤＰ）が大きく成長したとしても貧困撲滅は効果を発揮しないことが警告されている。

◆所得分配

オックスファム伯国支 部のシモン・チセフルスト支部長は「貧困撲滅を掲げて進歩してきたが、伯国は依然として所得格差が深刻だ」と述べている。さらに、伯政府が「ボルサ・ファ ミリア」などの生活扶助制度によって所得分配を向上することが重要だとし、「労働市場は雇用率を上げることはできても、所得分配を平等に行うことはできな い」と説明した。

チセフルスト支部長は「物価の上昇を最も身近に感じるのが低所得層であり、伯政府はそれらの国民についてしっかりと考慮 した上で政策を推進させる必要がある」と強調している。そのほか、貧困層の47％が農村地域で生活しており、伯国で消費される食品の75％が小規模農家で 生産されるため、農地改革と小規模農業の推進も所得格差の縮小に重要だと分析した。

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