リオ州立総合大学付属のペドロ・エルネスト病院の遺体安置所内の冷蔵庫に40人分の新生児の遺体が乱雑な状態で保管されていたことが明らかになった。発見者となった検察官が「説明しようとすることさえ困難だ」と語るほど無残な光景だったという。中には4年以上が経過していたり、身元不明の遺体も多数あった。今後、全遺体の両親をDNA鑑定で割り出すと共に、埋葬手続きを進める方針を同州検察局が明らかにした。13、14日付の地元紙(電子版)が報じた。
40人の新生児の遺体が埋葬されることもなくこのような状態で保管されていたことは、偶然発覚した。2012年6月にリオ市北部マンゲイラの丘の貧民街(ファベーラ)に住む麻薬中毒者の女性が妊娠6カ月の時に、わずか800グラム未満の男児を出産したという。「カルリーニョス」と名付けたこの男児を家族と同病院へ連れて行ったところ、男児は保育器に入れられたが同じ年の8月末に死亡した。
遺体は遺体安置所に運ばれたが、母親が必要書類を病院に提出してから埋葬される予定になっていた。しかし母親は病院に姿を現さなかったため、病院側は規定通りに子供・青少年裁判所へ届け出た。
ところが1年以上が経過した昨年12月、既に埋葬が行われたものと判断していた同裁判所は、この件に関する最終手続きを行う目的で病院に連絡したところ、埋葬は行われていなかったことが明らかになったという。このため同件を担当していたアナ・マセド検察官は州検察局に捜査を依頼した。
アナ検察官がカルリーニョス君の遺体を確認する目的で2人の専門捜査官を伴って同病院の遺体安置所まで赴いたところ、冷蔵庫の扉を開けて目にしたのは無造作に積み上げられた40人分の新生児の遺体だった。
同病院のロドルフォ・ヌネス院長は、その原因について「死産の子や、出生後間もなく死亡した子を親が引き取りに来ないからだ」と述べ、「社会問題」だと主張している。しかし遺体の取り扱いに過失があったことは認めており、州検察局は身元不明の15人の遺体に関してDNA鑑定を行った上で判明した両親の氏名と住所のリストを作成するほか、新生児らの遺体を人間としてふさわしい形による埋葬を行うよう指示している。
サンパウロ新聞