ブラジル地質調査所の研究者らが先月、南米で1万年以上前に生息して既に絶滅したとされる巨大ナマケモノの巣穴をアマゾン地域で発見した。4日付の地元紙が報じた。
この洞窟は以前からロンドニア州ポンタ・ド・アブナン地域の住民らに知られていたが、絶滅した古生物の巣穴として分類されてはいなかった。巣穴を発見した地質学者のアミルカル・アダミ教授によると、巣穴が作られたのは1万年以上前で穴の全長は100メートルに及ぶという。巣の内部には爪で引っかいた跡が残っていることなどから巣穴を掘ったのが巨大な生物であることが推測され、アダミ教授は「この地域に現在生息している動物でこのような種類の巣穴を掘る動物はいない」と説明している。
アダミ教授が同地域を最初に訪れたのは2010年だった。巣穴が大型の円形や半円形であることや多数のトンネルが交差していることで多くの研究者の関心を集めたが、洞窟に分類するための情報が不足していたという。アダミ教授はその後、ブラジル国内で古生物の研究を行っていたリオ・グランデ・ド・スル国立総合大学とサンパウロ州立総合大学の研究者らと接触し、先月半ばに再びアマゾン地域へ戻り巣穴の分析を行った。「彼らの協力によって、この巣穴が自然の作用や人間によって作られたものではないと結論付けることができた」と述べている。
巣穴の詳しい分析と絶滅したナマケモノの生態調査に加え、新たな巣穴を探索するためのさらなる調査がアマゾン地域で行われる予定となっている。さらに、大昔の人間の化石を探す目的で小規模な発掘調査隊も派遣される。
アマゾン地域の地質調査は、観光を促進させることによってロンドニア州の経済発展につなげる地質多様性プロジェクトの一環とされているが、アダミ教授によると洞窟観光の将来的なめどはまだ立っていないという。
サンパウロ新聞
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