goo blog サービス終了のお知らせ 

イスラーム勉強会ブログ

主に勉強会で扱った内容をアップしています。

預言者伝41

2013年02月21日 | 預言者伝関連

アル=フダイビーヤの和議
ヒジュラ歴6年ズ・ル・カアダ月
128.預言者(祝福と平安あれ)の正夢と信徒たちによるマッカ進入の準備:
  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は、ある夜、ご自身がマッカに入り、カアバ神殿でタワーフする夢を見ました。ただそれがいつなのか、日時がはっきりした夢ではありませんでした。この詳細については、勝利章27節に解説があります。
  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)が、夢を見たことを教友たちに伝えると、彼らはとても喜び、その夢を吉報と捉えました。彼らはマッカとカアバに長く慣れ親しみ、イスラームによって、そのつながりはさらに強化され、彼らの心の中にあるマッカへの憧れは日を追うごとに深くなっていたのでした。また人々はカアバの周りを巡回することを懐かく思い、切望していました。

  マッカから移住して来たムハージルーンたちは、特に強い愛情をマッカに寄せていました。かの地で生まれ育った彼らは、残念なことにそこから隔たれてしまっていたためです。そんな中、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)がご自身の見た夢を彼らに伝えると、彼らは、それがきっと今年中に実現すると確信し、またそうなることを強く望みました。マッカを懐かしむ気持ちと胸の奥深くにあった愛情が目を覚まし、人々は少数を除き皆、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)と共に出発する準備に取り掛かりました。

129.長い時を経て、マッカへ:
  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は1500名と共に、ズ・ル・カアダ月に-戦闘目的ではなく-小巡礼者としてマディーナを出発し、アル=フダイビーヤを目指しました。犠牲の家畜を共に連れ、小巡礼のために禁忌状態に入ったのは、自分たちがアッラーの館の訪問するためであることを周りに知らしめるためでした。

  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は、フザーア族の中から一人をスパイとし、マッカにいるクライシュについてこっそり探らせました。アサファーン近くまでやって来ると、彼が戻り、次のように知らせました:カアブ・イブン・ルアイがあちこちから男らを集めてあなた様を攻撃しようとしております。彼らはあなた様を館に入れないよう阻止してくるでしょう。
アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はそのまま彼らが下りてくる丘の上まで進みました。そこに彼(祝福と平安あれ)のラクダが腰を下ろしました。それを見た人々は:カスワーゥ(預言者(祝福と平安あれ)のラクダの名前)が座った!座った!と言いました。アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は言われました:「カスワーゥは座ったのではない。(マッカ侵入を妨げられたアブラハの)象を阻止した原因がカスワーゥを座らせたのだ。私の魂をその御手にされる御方にかけて、アッラーが神聖と成し給うた事や、家族の絆を繋げる事を、彼ら(クライシュ)が私に求めて来たら、必ずや私はそれらを彼らに差し出そう。」
そう言うと彼(祝福と平安あれ)はラクダを立たせ、丘からクライシュのところへ行く計画を変更し、アル=フダイビーヤの端の方を目指しました。そこには少し水が溜まっている所がありました。共にいた人々がアッラーの使徒(祝福と平安あれ)に喉の渇きを訴えたため、彼(祝福と平安あれ)は弓入れから一本の弓を取り出し、それを水溜りの中に入れるよう命じました。すると、アッラーの奇跡により、人々が出発するまで、そこには水が溢れるようになったのでした。

130.ムスリムたちがマッカに入ったことを恐れるクライシュ:
  クライシュはアッラーの使徒(祝福と平安あれ)が自分たちのところにやって来たことを恐れました。そこでアッラーの使徒(祝福と平安あれ)は彼らに教友の中から一人の使者を送ることにしました。ウマル・イブン・アル=ハッターブを呼びましたが、彼は言いました:アッラーの使徒様!マッカには私の親戚であるアディー・イブン・カアブ家の人間がいないので、私の身に何かあったときに助けてくれる人がおりません!マッカに親戚のいるウスマーン・イブン・アッファーンをお送りになるのはいかがでしょう。彼ならあなた様の望むことを実行するでしょう。そこでアッラーの使徒(祝福と平安あれ)はウスマーンを呼び、彼をクライシュに送りました。アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はウスマーンに言いました。「我々は戦うためではなく、小巡礼のためにやって来たと彼らに伝えなさい。そして彼らをイスラームに導きなさい。」他にも、マッカに住んでいる男と女の信徒たちのところに行って、勝利の吉報を彼らに伝えること、また至高偉大なるアッラーがマッカ内で信仰が隠されることがなくなるよう彼の宗教を現し給うことを伝えるようにと、ウスマーンに言付けました。

(参考文献:「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P273~275など)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿