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アッサラームアライクム
そして、新年のご挨拶をお送りします。
昨日の晩、ヒジュラ暦1月(ムハッラム)に入りました。
過ぎた年と同じように、昨年もいろいろなことが起き、そこから多くを学びました。
始まったばかりのこの年に起こるすべてのことからも、現世と来世で益になることを学べますように。
皆さんに、アッラーからの変わらぬ御加護と祝福と、導き、そして多大な成功がありますように。
皆さんそれぞれが望む良いことすべてが叶いますように。
ムスリムがムスリムであることを思い出すことで、ウンマに良い改善がありますように。
心から祈っています。
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【ムハッラム月のスンナの斎戒】
ムハッラム月の9日と10日の斎戒はスンナです。
(今回の場合、26日と27日が該当します。)
スンナとは、預言者(平安と祝福あれ)の慣行で、勧められた崇拝行為です。義務ではないけれど、預言者(平安と祝福あれ)が好んで行われたことを模倣することは、大きな幸福の成就を私達にもたらしてくれるきっかけになります。
وعَنْ أَبِي قَتَادَةَ رضي الله عنه ، قَالَ رَسُولُ اللَّهِ صلى الله عليه وسلم : صِيَامُ يَوْمِ عَاشُورَاءَ أَحْتَسِبُ عَلَى اللَّهِ أَنْ يُكَفِّرَ السَّنَةَ الَّتِي قَبْلَهُ.
( صحيح مسلم، 1162(196) ).
アブー・クターダによると、アッラーの使徒(平安と祝福がありますように)は言われた:私は、アーシューラーの日の斎戒により、前の年(の罪業)をアッラーが赦してくださることを望みます。(ムスリム)
وعَنْ ابْنِ عَبَّاسٍ، رَضِيَ اللَّهُ عَنْهُمَا، قَالَ: أَمَرَ رَسُولُ اللَّهِ صلى الله عليه وسلم بِصَوْمِ عَاشُورَاءَ: يَوْمُ الْعَاشِرِ.
( صحيح / صحيح سنن الترمذي للألباني، 755 ).
イブン・アッバース(アッラーのご満悦がありますように)は言った:アッラーの使徒(平安と祝福がありますように)は、アーシューラー:つまり(ムハッラム月の)10日目に断食するように命じられた。(アル=アルバーニーのアッ=スナン)
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どうして、9日と10日を一緒に斎戒するか?というと・・・
ムハッラム月10日に斎戒するユダヤ人たちに反するため、といった理由も考えられます。この斎戒の叡智については、アッラーのみが最も良く御存知です。
なお、10日に斎戒して、前日の9日にしなかった人は、11日に(10日に続けて)斎戒することが好まれます。
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قال النبي صلى الله عليه وسلم : (أفضل الصيام بعد رمضان شهر الله المحرم). رواه مسلم
預言者(平安と祝福がありますように)は言われた:ラマダーン月に次いで断食において優る月は、アッラーの月であるムハッラムです。
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ご指摘の「アッズマル章53」の言葉は、「タウバの存在」と、「罪がアッラーに同位者を置く(シルク)でないこと」という条件があって、成立します。つまり、シルク以外のすべての罪は、タウバすれば赦されるということです。女性章48節を参照してください。
人に対しての罪はどうか?ですが、
他人の権利を返上することが困難でない場合、きちんと出頭なりするべきだと思います。
しかし、「アッラーは100人殺した男を赦した」というハディースがアル=ブハーリーとムスリムにあるので、他人の権利を何らかの理由で返上できず、タウバだけになってしまっても、アッラーは赦してくださる、とも理解できます。
殺人罪からのタウバについての他の意見に、次のようなものがあります:殺人罪からの完全なタウバ(悔悟)には、
①タウバに必要な諸条件
②自分自身が報復刑に処されるために、出頭すること。もしくは報復権を放棄した遺族に血債を支払うために、出頭すること。
が必須。
もし罪人が①の条件に適ったタウバをしても、報復刑に処されるために出頭しなかった場合、彼のタウバは正しいが、出頭していないという罪は残る。これは他人の権利に関連している独立した罪なので、別のタウバが必要。
参考に、「人間の権利の種類」を以下に述べます。
1.金品:持ち主に返すか、持ち主に自分がそれを持っている・いたことを伝えた後に放免してもらう。
2.尊厳など金品と関係ないもの:タウバ実現の条件に、本人にその罪について知らせるべき(私はあなたの悪口を言いましたなどと、と被害者に伝えること)かどうかで、学者間で意見が分かれている。
①アブー・ハニーファ、アッ=シャーフィイー、マーリク、アフマドの伝承:知らせることは、条件。
②イブン・タイミーヤが選んだアフマドの別の伝承:被害者に知らせる必要は無い。知らせることで、不仲になったり、問題解決がさらに難しくなるため。→①以外は、後悔とイスティグファール(罪の赦しを乞うこと)とその罪に二度と戻らないと決心することと、自分の不品行のために被害者となった人のために祈ることで足りる(=イブン・タイミーヤの見解)。
3.1、2と違うが他人の権利が絡むもの:誰かの被害者の報復刑の権利
参考文献:タサッウォフのひらめきとその歴史、アッ=サーイフ・アリー・フサイン著、79~81項
アッ=タフスィール・アル=ワスィート第一巻、ワフバ・アッズハイリー著、363項
部屋の片づけがなかなか終わらない。ものが多すぎる。
今日はベランダの窓を洗ったりした。
お掃除、片付けは気持ちいい。
さて、読書の続き。
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1.サラフィー主義運動が起こるまでのモロッコ国民の間に浸透していた信仰は、聖者崇拝などのような、真のイスラームから逸れたものだった。
2.モロッコにおけるサラフィー主義は、アブー・シュアイブ・ドゥッカーリー、ムハンマド・イブン・アラビーといったウラマーによって始められた。
3.モロッコにおけるその特徴は、堕落したイスラーム(聖者崇拝を生み出すザーウィヤやマラブー)に対する非常に激しい攻撃を伴っていたこと。
4.(3.の理由:)フランスがザーウィヤやマラブー勢力を手先として使うなどといった手法で、モロッコを含めたマグレブ地域の植民地化が進められた。
5.サラフィー主義者とナショナリストの運動は密接な関係を持っていた。
6.ナショナリズム運動→①アッラール・ファースィー、②ワッザーニーの両人によって指導されたが、それぞれの政治に対する考え方は根本的に相違していた。
①サラフィー主義のファースィー:宗教と国家の分離はありえないし、国家はシャリーアに基づかなければならない。
②西欧的モダニストのワッザーニー:フランス革命を褒め称え、西欧的な思想を基本とした国家を。
7.ファースィーが結成したイスティクラール党は国民から支持を得、国王勢力と協力しながら独立を果たしたが、ワッザーニーの世俗的思考は逆に指示を得られなかった。独立後、ファースィーの思想は受け継げられたが、党の実権はモダニストに渡ってしまい、独立運動の成果は国王派に握られた。