タジュウィードの法則勉強会【1】
録音(ラジオトーク):
【われらが啓典を授け、それを真の読誦で誦む者たち、そのような者たちが彼を信じるのだ。そして誰でも彼を否定する者、それらの者たちこそは損失者である。】(2章121節)
●タジュウィードの歴史:
アッラーの御言葉であるクルアーンはタジュウィードに基づいて啓示された。
信頼おける大天使ジブリールはアッラーに示された読み方でそれを読み、預言者ムハンマド様ﷺはジブリールから聞いたとおりに啓示を受け取った。
そして預言者ムハンマド様ﷺは教友たちにジブリールから受け取ったままの形のクルアーンを伝授し、それが啓示された通りに読み上げるよう彼らに言われた。
彼ﷺは次のように言われている:まことにアッラーはクルアーンが啓示された通りに読み上げられるのを好み給う。
ただ、アラビア語を解さない土地にイスラームが広がるにつれて、クルアーンの読み間違いが増えてしまうおそれが出て来たためムスリムの学者たちはクルアーンの改ざんが起きることを恐れた。
そこでクルアーンを正しく読むためのルールを定める学者たちが現われたが、彼らはこのルールをタジュウィード学と名付けた。
学者たちはタジュウィードの法則を自分たちで編み出したのでは決してなく、プロの読誦家らの読みが預言者ムハンマド様ﷺより伝わった読み方そのものであることに着眼することに目的があった。
つまり後代のムスリムたちは前代のムスリムたちの読誦に使われていたルールに名称を付けたということである。
●タジュウィードの定義:
より良くすること。
各文字に、発音場所、性質、母音における権利を与えること。
●クルアーン読誦のマナー:
アッラーは「純粋」で「正しい」行為のみを嘉納し給う。
「純粋」とは、アッラーの御喜びを求めたものであり、
「正しい」とは、聖法に適ったものを指す。
そのためにも読誦者は読誦にあたって必要なマナーを身につけるべきである。
その中でも重要なマナーが以下:
1.ハダス・アスガル(ウドゥーを失効する事項)から清浄であること。
(つまり礼拝が出来る状態であること)
2.場所が清浄であること。
3.読誦の初めに御加護を求めること。スーラの初めから読む時、途中から読む時も同じ。
根拠:【(信仰者よ、)あなたがクルアーンを誦む時には、追放されたシャイターンに対し、アッラーによるご加護を乞うのだ。】(16章98節)
4.悔悟章を除く全てのスーラを初めから読む際にバスマラを唱えること。
(バスマラ:ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーミ)
5.敬意を込めて、畏敬の気持ちをもってクルアーンを読むこと。
【もし、われらがこのクルアーンを山に下し(、それがその約束と警告を理解し)たならば、あなたはそれが恭順となり、アッラーへの恐怖ゆえに砕け散るのを見たであろう。】(59章21節)
6.自分が読んでいる内容に思いを巡らせて読むこと。
【一体、彼ら(偽信者たち)は、クルアーンを熟慮しないのか?】(47章24節)
7.無理のない範囲で、美しく読むよう努めること。
ハディース:《皆さんの声でクルアーンを飾りつけなさい》
美しく読む目的は、聴いている人にその内容を分かりやすくし、また聴くこと自体を楽しめるようにすること。
しかしクルアーンを音楽のように読み上げることは禁じられる。
8.クルアーンを聞く者(生の読誦であれ、機械からの音であれ)は、それに聞き入り、読まれている内容を考えること。
【クルアーンが読まれたら、あなた方が慈しまれるよう、それに耳を傾け、傾聴せよ。】(7章204節)
9.クルアーンをより良く読むよう努めること。
10.あくびが出そうな時はそれが去るまで読誦を止めること。
11.読誦の終わりには、アッラーが真実を仰せになったこと、また預言者ムハンマド様ﷺがそれを伝搬したことを証言すること。
(サダカッラーフ・ル・アズィームと唱える)
12.必要時を除き、会話で読誦を途中で止めてはいけないこと。
13.慈悲についての部分を読んだら、アッラーに恩恵を与えていただけるよう祈願し、
罰についての部分を読んだら、アッラーにそれから守っていただけるように祈願すること。
※参考文献:アル=ムフィード・アル=イルム・アッタジュウィード、ハヤート・アリー・アルフサイニー著
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