サウム(断食)にはメリットがたくさんある、と前回ご紹介しましたが、続きを見ていきましょう。
サウムは、私たちが公私におけるアッラーの監視に敏感になれるよう鍛えてくれます。食べ物などを断つ人には、アッラー以外の監視者はいません。
サウムは、意志を強くし、決断力を大きくしてくれます。また、忍耐を教えてくれますし、精神浄化を手伝ってくれます。
サウムは、規律正しくあることを教えてくれます。なぜなら断食者は、決められた時間に食事を取ることが定められているからです。サウムを実行することによって、世界中のムスリムが一体感を得られます。信者たちが同じ時間に断食し、同じ時間に食事を摂るのは、彼らの主がおひとりで、彼らの崇拝行為が一つだからです。
信者はサウムによって慈愛と兄弟愛、そして相互協力の心をはぐくみます。
などなど。
まぁ、「メリットがあるから…」という意志ではなく、「アッラーが命ぜられたから、行う」という心構えでラマダーン月を過ごすのが一番信者らしいと思います。
続いて、ラマダーン月と、ライラトゥ=ル=カドゥル(ليلةالقدر)の徳について。
まず、ラマダーン月とラマダーン月の断食の徳について伝えるハディースを紹介します。
《月々の長はラマダーン月であり、日々の長は金曜日である。》(アッ=タバラーニー出典のアブドゥッラー・イブン・マスウードによるハディース)
《しもべたちがラマダーン月(の徳の大きさ)を知ったならば、きっとラマダーン月が一年ほどあれば良かったのにと思うことだろう。》(アッ=タバラーニーなどが出典)
アッ=タバラーニーがウバーダ・イブン・アッ=サーミトがアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)について伝えたところによると、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はラマダーン月のある日、言われました。
《祝福多きラマダーン月がおまえたちにやって来た。アッラーはこの期間、おまえたちを覆い給い、慈悲を垂れ給う。罪を消し、祈願を聞いてくださる。アッラーは、この期間におまえたちの(善行の)競い合いを御覧になり、天使たちは(おまえたちのその様子を見て)驚くだろう。おまえたちも善いところをアッラーに見せるがよい。まことに不幸な者とは、威厳あるアッラーの御慈悲を禁じられた者のことを言うのである。》
《五回の礼拝、金曜日から金曜日、ラマダーンからラマダーンは、大罪を犯さない限り、その間に犯した罪の償いになる。》(ムスリム出典のアブー・フライラのハディース)
《ラマダーンの間、アッラーからの報奨を願って、心を込めて礼拝に立った者は、以前に犯したどんな罪も赦される。》(アル=ブハーリー他6本で認められたアブー・フライラのハディース)
つまり、ラマダーンの夜をタラーウィーフなどの礼拝や念唱、罪の赦しを求める祈り、クルアーン読みなどで明かした者には、アッラーから約束された報奨が与えられる、という意味です。
サルマーンは言いました。
「アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がシャアバーンの最後の日に私たちに説教をされて言われました。《皆、偉大な祝福された月がおまえたちを覆おうとしている。この月には、千月に勝る日があり、アッラーはこの月の斎戒をおまえたちに課し給うた。また、この月の夜の礼拝を彼にお近づきできる手段となし給うた…》」
つづく
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