明日か、明後日からラマダーン月に入ります。
なぜ、開始日がはっきりしないかというと、太陰暦を使っているイスラーム暦は目視で新月の確認をするからなのです。そのため、地域によって、ラマダーンやイードの日がずれることもよくありますが、これはいたって普通のことです。
少しラマダーンについて、お勉強しましょう。
法学書を参考に、要点を書き出してみます。
サウム(断食)の定義:断食するに相応しい人が、意志を伴って日の出から日の入りまで、ムファッティラート(断食を無効にするもの)を断つこと。
つまりサウムは、食欲と性欲を断つこと。
食欲を断つとは、昼間、体内に五感で捉えられるものが入るのを避けることです。
断食するに相応しい人とは、月経・出産後でない、理性を持ったムスリム(イスラーム帰依者)です。
意志とは、イバーダ(崇拝行為)とアーダ(習慣)を隔てるもので、行動を迷わずに起こす、と心にに決めることです。
サウムのメリットはたくさんあります!
物理的・心理的メリットがあります。
サウム(断食)は至高なるアッラーにお仕えすることです。信者はこれを行うことで、限り無い報奨を得られます。その一つが、『アッ・ラッヤーンالريان』(*)と名付けられた、断食者たちに準備された特別な門から天国に入ることです。そしてサウムは、罪業が原因によるアッラーの罰から私たちを遠ざけてくれます。アッラーにお仕えすることで、信者はアッラーが施行された法の上を正しく歩くことができます。それは、サウムが、”禁止事項を避け、神の命を遵守する畏敬の念を私たちの中に実現させてくれる”からです。アッラーは仰せです:「信仰する者たちよ、おまえたちには斎戒が書き定められた、ちょうどおまえたち以前の者たちに課されたように。きっとおまえたちは畏れ身を守るだろう。」(雌牛章183節)
(*)アッ・ラッヤーンについて:アル=ブハーリーとムスリムとアン=ナサーイーとアッ=ティルミズィーが伝えたハディース。サハル・イブン・サアドが預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)について伝えたところによると、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:「楽園にはアッ=ラッヤーンと言われる門があるが、審判の日、断食者がそこに入って行き、彼ら以外の者が入ることはない。彼ら(断食者たち)が入り終えると、門は閉じられ、誰も入ることは無い。」
サウムは信者が多くのマナーを学ぶ機会です。サウムは精神を鍛え、悪魔の誘惑とも戦います。信者はサウムをすることで、禁じられたものを目の前にして忍耐する訓練をします。忍耐の対象が禁じられたものの他に、強い欲、大きな災難であったりもします。目の前で作られる美味しそうな食べ物、美味しそうな香り、冷たくて美味しい水…主の許しの時が来るまで、断食する人たちはひたすら待ちます。
つづく
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13日木曜から、斎戒が始まると公表されました。
みなさんにとって、有意義なラマダーン月になりますよう、祈っています。
伊曼