最近残業続きで寝不足気味だった俺。
ある日の朝、ふと気付くとホームで寝転がってしまっていた。
周りにいる人たちが迷惑そうな顔で俺を見下している。
中には罵声を浴びせてくる奴もいた。
だが俺は、猛烈な睡魔に勝てずに寝続けていた。
そんな中で1番失礼な態度だったのは、何とも駅員の野郎だった。
面倒くさそうに声を荒げて野次馬を追い払うと、
俺の顔をひっぱたきこう言いやがった。
「おい!生きてんのか? 何か喋れ。名前は?」
ムカついた俺は目を閉じ寝たふりして無視してやった。
するとどうだ。
こいつは俺の髪の毛をつかんで無理矢理引き起こしやがったんだ。
一瞬、寝てる設定を忘れて、
つい「痛えな髪引っ張るじゃねえよ」とつぶやいたが、
駅員は無造作に俺の頭をバケツみたいなものにつっこみやがったんだ。
中には何か硬いものが入っていて、
目のうえを少し切っちまった。
これにはさすがに俺もキレた。
文句付けてやろうと何が当たったのかよく見てみると、
それは見慣れた俺の腕時計だった。
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