モーテルでの火事
エンジニアと化学者と数学者が古いモーテルの隣接した客室に宿泊していた。最初にエンジニアのコーヒーメーカーが出火した。彼は煙臭いので飛び起き、コーヒーメーカーのプラグを抜いて機械を窓の外に放り投げ、そしてまた眠りについた。
その夜しばらくしてから、化学者がやはり煙臭いので飛び起き、タバコの吸い殻が屑入れで燃えているのを見つけた。彼は独り言で、「ふむ、どうやって火を消そうか。燃料の温度を引火点より下げるか、燃えているものを酸素から引き離す、あるいはその両方を行えば良いが、それは水をかけることで達成できるな。」と言い、屑入れを拾い上げシャワー室に置いて蛇口をひねり、火が消えた後にまた眠りについた。
数学者は勿論、これらの火事を窓から眺めていた。だから、しばらく後に彼のパイプの灰がベッドシーツに火を付けた際にも少しも動じることはなく、「解決法の存在は既に証明済だ」とそのまま眠りについたのである
|
クリックをお願いします↑↑↑↑