暑いですね…高温多湿の環境が続くと、ワンちゃんは肢の間や裏などが赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。
体質や居住環境にもよりますが、梅雨から夏は特に蒸れやすい場所を中心に細菌やマラセチアなどが増殖しやすいので困ったものです。
(◎電気代が高くなって大変ですが、ワンちゃんのためにしっかりクーラーをつけましょう!)
チカラシバ(→犬の耳や肢間に注意!)の記事でも触れましたが、小さなトゲや種子などが刺さっても同じような症状となることがあってまぎらわしいこともあります(トゲなどの時は一つの肢の限定されることが多い)。
上の写真のケースでは、まず肢間の炎症を疑い抗菌薬を処方したのですが、一週間経っても改善せず、逆に悪化したようにも見えました。
少し毛の長い子だったので、よく見えなかったのですが、毛を剃ってみると何かが刺さっていました。
鉗子で引っ張ってみると、こんなものが……
こういうノギなどは刺さっているものが大きいほど、内科的治療だけでは治らないのですが、このケースではこれだけ大きかったため、一週間経て一部自壊し、取り出すことができました。
(◎多くは内科的治療で何とかなることが多いのですが、内科的治療で引っ張るか?外科的に切開するしかないのか?悩ましいケースも時にあります)
このイネ科のノギは、長さからするとカラスムギの一種のでしょうか?
カラスムギの仲間はオートミールとなったり、いわゆる猫草としても使われているようなのですが、雑草としてそこら中に生えてるんですね。
二ヶ所の穴が確認できますが、大きい穴がカラスムギ?が刺さり、小さい穴には何故か自らの毛のかたまりが刺さっていました。
刺さっている異物が取れさえすれば、一週間でこんなにすっきり治ります。
この子は何と16歳!!中型犬の中では大きく肢の長いワンちゃんなのです。
加齢により足腰が不安定になってしまったので、バランスを取る中、勢い余って刺さってしまったことが考えられます。
大きなワンちゃんだと特に介護していくのは大変ですが、飼い主さんの愛情と共に、おだやかな歩みは続いています。