『Postscript』を読了すると、『羽』を読めるようになる。
PC版『羽』は2話しか収録されていないため、私は未読。
よって今回が初読である。(ネット記事などで概要は把握済み)
羽1.『朱志香と殺人扇風機』
初出:2011年5月(EP8終了後)(PC版『羽』に収録)
この話の最大の特徴は、登場人物の少なさ。
戦人・朱志香・紗音、ラムダ&ベルン。5人しかいない。
ベアトの対外的な正体が紗音であると事実上明かされた話とも言える。
朱志香の書いた脚本が起こすドタバタ騒ぎを通して、『うみねこ』全体の構造を確認できる作りになっている。
・忘我状態で書かれた物語が、ラムダに認められて力を得る。
・囚われた姫を助けようとする王子(戦人)は何度も酷い目に遭わされる。
・ベアトの荒っぽい言動は、朱志香のそれに沿って設定された結果。
・紗代は本心では戦人を待ち焦がれ、添い遂げたいと願っている。
・ラムダ&ベルンは物語の外側にいる傍観者であり、善人でも悪人でもない。
ただ、この話も時系列が謎。
作中の脚本を書いたのは朱志香だが、ラムダを知っている戦人を書いたのは誰なのだろう。
羽2.『戯書NO,xxx』
初出:2011年6月(EP8終了後)(PC版『羽』に収録)
EP8発表後、「実は戦人が全ての黒幕である」という説が世間に上った。
逆に言えば、そうでもないと納得しかねるという次第。
当時は漫画版などの完もなかったため尚更だ。
その説を受けてか、本作に登場する「黒き戦人」は、しかし黒幕というより快楽殺人者の印象が強い。
ロノウェやベアトと、思わせぶりなやり取りをして、十八を挑発して……終わる。
「悪人の戦人」というのは成立しがたいと言いたいのかもしれないが、消化不良。
最後に、個人的に気になる事。
「ナンバー」の略って「No.」だよね? コンマじゃなくてピリオドだよね?
それでは。また次回。