『嘘塗し編』
悟史&詩音ファンなら読んでおくべし。
原作では未解決のまま終わっている問題点、「悟史が目覚めた後の対処」について真っ向から挑んでいる意欲作。
入江機関の地下に自分が秘匿されている事に、悟史が少しずつ疑心暗鬼を強めていく下りは、読んでてグイグイ引き込まれた。
自分が倒れた当時の出来事、即ち叔母への殺人から苦しむ悟史は、しかし同時に、かつて自分を救ってくれた詩音との記憶も思い出す。
一方、詩音もまた、自分の一方的な感情で悟史に接していた罪を反省する。
もっとも、私たち読者から見れば、他のカケラにおける詩音の罪に比べれば、本作の彼女の罪なんてよほど軽いわけだけれど。
このエピソードを経て、悟史は日常生活に戻っていける事を祈る。
それでは。また次回。