『空とぶオシリ!』
第3フェーズ開始。
当分、獠は香に「もっこり」しない。
主人(マスター)と助手(アシスタント)の、
穏やかな関係が続く。
この事件から、香の口調や髪型も安定し、アニメ版からのファンにも違和感がなくなる。
残酷な殺人描写も消える。
冒頭、獠があくまで器物損壊に徹している事は象徴的だ。
この度の依頼人は、ファンの望む美女の究極形。
前作『CAT'S EYE』の三姉妹のような美人泥棒・麻生かすみだ。
連載2年目でセルフパロディをやってのける作者に、
驚きつつも苦笑する私。
そんな、かすみと並ぶ、強烈なゲストキャラ達。
自称・超常現象研究家の不律乱寓と、執事サンチョス。
特にサンチョスについては、香の魅力に早々に気づく点を要チェック。
因みにCHの連載当時は、オカルトブームの最中。
このエピソードでこそ、超能力は否定されるが、
後の展開では寧ろ逆。
この世界には、不思議な力もあるのです。
本作の白眉は、病室での一幕。
客観的な「事実」より、主観的な「真実」が、CHでは重んじられる。
この思想は、後にも取り上げられるので、覚えておく事。
無論、かすみについても忘れるべからず。
それでは。また次回。