好事家の世迷言。

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EP46 都会のシンデレラ編(JC第27巻)考察。

2023-04-29 | 『シティーハンター』原作考察
『都会のシンデレラ!!』

前回から続く掌編。
獠と香の恋愛模様を察した絵梨子が、二人をデートさせようと奮闘する。
香は、ウィッグと衣装(&メイク)によって至高の美女に仕立てられる。
一方、獠も絵梨子の指示でドレスアップ。
ところが獠は、出会った相手を香と気づかず、それで香も名乗らないという、何とも不思議な時間が開幕する。

こうして彼らは、お互い初めての「恋」をした。
例えるなら、ずっと長く隣にいた幼なじみが、過去の記憶を忘れ、初対面からやり直したようなもの。
そんな二人のやり取りは、(少年漫画という事もあり)まるで中高生のデートのよう。
ゲーセンでハイスコアを刻む。コーンアイスをダブルで頼む。
アニメ版オリジナル加筆で、一つのドリンクをストロー2本で分け合っているのは、実に象徴的だ。
(逆に、ラブホテルの中に入ってしまう下りは、少々やり過ぎの印象もある)

ところで本作には、考察すべき謎がいくつかある。
最大の一つは、「獠はいつの時点から相手を香と見破っていたか」。
私としては、端的に「最初から」だと考えている。
身も蓋もない話だが、「声聞きゃ分かるさ」ってなもんである、と思いたい。
(今まで獠がロングウィッグ香に惑わされた時、香はほとんど声を発していない)

それから、「香は如何にして帰宅したのか」。
午前0時を過ぎてから横浜→新宿へ移動しようにも、交通手段がほぼ無いという論。
香を安全に帰してあげたい読者は、ならば前提を壊しましょう。
「午前0時」という時刻の根拠は、実は獠の台詞のみ、つまり客観的証拠は作中に存在していない。
よって、《何らかの理由で勘違いしている香を、獠が無事に帰らせるために話を合わせた》という推察が、ミステリ読みとしての私の屁理屈です。

それでは。また次回。

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