▶フランクフルトで京子さん大慌て。
❤この日の写真がないので、前日のクアハウス写真をもう一枚入れました。
◆2019年7月24日(水)
この前日の夜はフランクフルトへの移動の準備がありました。私は3日後に迫ったシルヴィアの結婚式で着る着物をハンガーに広げてあったのですが、しまう前に一度復習しておこうと、京子さんが寝た後で着付けのおさらいをしました。夏物の着物はパリッと糊がきいていて、絹の着物と違い、後ろがよく見えません。全身を写せる鏡もないので手探りでしたが、その割りにはきちんと着られたのでホッとしてトランクにしまったのでした。
フランクフルトへの移動の際は、ペーターが入院してしまっているので大家さんにお願いしてヴュルツブルク中央駅まで送っていただくことになっていました。ロフトから京子さんのトランクを下ろすのは、とても大変でした。到着した日は大家のシェドラーさんがささっと運びあげてくださったのでしたが、女性二人では結構足下もおぼつかず、これだけでも汗だくになりました。今日もとても暑そうです。
取りあえず二人のトランクがアパートの部屋の出口に揃ってホッとしたところで掃除をしました。やはり8泊すると結構なゴミが溜まっているものです。1階の玄関横にある分別ゴミのバケツの中にゴミを入れ、ホッとしたところで9時半となりました。1階の玄関までトランクを下ろそうとしているところにシェドラーさんがやってきて、二人分のトランクを下ろしてくださいました。慣れているのでしょうけれど本当に力持ちです! でも駅まではシェドラー夫人が運転してくださいました。車の中であれこれお話ししたところに依ると、シェドラーさんはもう一軒新しくアパートを作ったそうです。そこは1階に部屋があって階段を上がり下りする必要がないので楽だとのこと。今度行くときにはそちらに泊まろうかしらと思っています。今までは前金を送金しなければならず、手間と高額な送金手数料がかかっていたのですが、次回からは送金しなくても良いと言ってくださったことですし。駅に着いたらシェドラー夫人が大きなトランクを苦もなく下ろしたのにびっくりしました。ご夫妻揃って力持ち!!
ホームに着くと、私たちが乗る1本前のデュッセルドルフ行き特急列車に遅れが出ていました。これがすぐに来てくれないと次の列車が違うホームに着くことがあるので内心ハラハラしましたが、じきに来たのでもうホームの急な変更はないだろうと安心して待ちました。ところが乗る予定の列車も15分遅れ。しかも予約席の車両の停止位置を確認しておいたにも拘わらず、列車は予定よりずっと後ろに止まったのです。大きなトランクを持って走った、走った。息せき切ってその車両に着いたらそばにいた男性が二人のトランクを引き上げてくれました。Danke!! 予約した席には老夫妻が座っていましたが、「ここは私たちの予約した場所なんですけど」というと渋々移っていきました。何だか申し訳ない気もしましたが…。
フランクフルト(マイン)中央駅に11時36分到着。ホテルの場所の地図をプリントしてきているのですが、結構わかりにくい場所にあり、見つかりません。道は石畳でトランクが引っかかってしまいます。京子さんにトランクを見ていてもらって少し近所を歩いてみたら1ブロック先に目指すホテルはありました。そこに着くまでは何となく荒れた治安の良くない感じがしたのですが、ホテルに着いてしまうと落ち着いた雰囲気でホッとしました。まだお昼頃だったにも拘わらずチェックインできて、広さもまぁまぁでした。これで1泊71.15ユーロは悪くないと思いました。
この日はリービークハウスの聖母子像を見るのが第一目的です。このホテルからはトラムで往復できそうです。まずは中央駅まで歩いて戻りました。来たときは回り道をしたのでちょっと遠く感じたのでしたが、位置関係がわかって裏道を行くと3~4分ぐらいで駅に着くのです。でも駅構内は結構歩きますが、日差しに当たらないで済むだけ体力の温存ができました。まずはお昼を食べ、その後リービークハウスに向かいます。そのためのチケットを自動販売機で買いました。一日券を買って一人5.35ユーロでした。でも、トラムに乗ったら京子さん、何か様子が変です。鞄の中をあれこれ探し始めました。しばらくして「カメラがない。前の宿に忘れてきたみたい」というではありませんか。「トランクの中ではないの?」と聞くと、「いえ、いつもここに入れているのよ。夕べ充電したのをそのまま忘れてきてしまったみたい」とのこと。今までの旅の思い出がなくなったとしたら大変なことです。結局、ホテルに戻ってトランクを調べてみてから考えようということになりました。
◆ここでいきなりですが、アンケートをお願いします。
何となく落ち着かない気持ちのままリービークハウスへ。
ここの聖母子像はヴュルツブルクのフランケン博物館にある聖母子像と同じ時期に作られた作品で、どちらも損傷が少なく、今でもとても素敵な姿を維持しています。二体とも砂岩で彫られていて、似たようなポーズ。大きく違うのはヴュルツブルクの聖母子像が左側にキリストを抱いていて、ここフランクフルトの聖母子像は右側にキリストを抱いていることです。私は、この聖母マリアがどちら側にキリストの頭がくるように抱いているのか最初から興味がありました。私自身はやはり利き腕の右手を空けた方が便利だし、自然に左側に抱っこしていました。心理学で赤ちゃんは母親の心臓の鼓動を聞くと落ち着くと教わっていたこともあって、ほとんどの右利きの母親は左腕に赤ちゃんを抱えるのだろうと思っていました。母乳をあげられなかった私だからかも知れませんが、母乳をあげていたお母さんでも授乳以外の抱っこ場面では左に抱える人が多かったような印象です。ところが教会でも博物館でも、結構多くの聖母が右側にもキリストを抱いているのです。また、キリストのポーズも様々なので、『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(丸善プラネット株式会社 2008年出版)の169頁にリーメンシュナイダー、及びリーメンシュナイダーと工房作の聖母子像26体を比較した一覧表を作って載せました。
結果的には26体のうち左側に抱いていたのは16体で61.5%でした。この後で見た作品をもう一度比較して4冊目に載せられたらと思っていますが、今では育児に関わる男性も多いので、母親だけではなく父親の育児体験からも、主に赤ちゃんをどちら側に抱いていたか伺いたいと思います。もしアンケートに答えてくださる方がいらしたら、頭が左に来るか右に来るかという抱き方と、ご自身の利き腕も一緒に教えていただけると嬉しいです。midfk4915(アットマーク)yahoo.co.jpまでお知らせください。可能であればお友だちやご自身のお母様はどうだったかもお知らせいただけるとより正確なアンケートになります。よろしくお願いいたします。
この聖母子像をしばし眺めて、すぐ近くのシュテーデル美術館で少し喉を潤してからホテルに戻りました。
◆やっぱり無いわ。
困りました。ホテルに戻り、京子さんがトランクを隅から隅まで探してみましたが、カメラは見つからなかったのです。そして宿に電話をして聞いてみたところ、結局見つかりませんでした。どこかで落としたという可能性は低く、かといって部屋をお掃除した方を疑うのも失礼ですし。京子さんは、開き直って「良いの。もう気にしないで。あのカメラは古かったから良い機会だと思って新しいカメラを買うわ。撮った写真が戻って来ないと思うと残念だけど、あなたの写真をもらえたらそれでいいから。」と吹っ切れたようです。切り替えの早いのが京子さんの良いところ。私もホッとしました。今後も宿やホテルを出るときにはもう一度よく忘れ物がないか確かめてから出ようと肝に銘じました。
さて、この後、疲れた京子さんはシャワーを浴びたいというので、私は眼鏡の蔓をなおしてもらうべく、町に出ました。ホテルで聞くと大きなショッピングセンターがあるから、その中の眼鏡屋さんで見てもらうと良いと教えてくれました。そのショッピングセンターはSKYLINE PIAZAというところでしたが、道路から見るとまだ工事中に見えたので一度通り過ぎてしまったのです。少し迷ったのですが、若い女性に聞いたら通り過ぎた場所だったとわかって戻りました。中に入ると沢山のショップがあり、店内図を見てもどれが眼鏡屋さんだかよくわかりません。歩いて探すしかないと思って歩き始めたら2軒目に eyes+more というお店があったので眼鏡屋さんだとわかりました。中に入って眼鏡と外れた蔓を見せ、「直りますか?」と聞くと、難しい顔で調べてから「合うネジを探してみます」と持って行きました。戻ってくると、「直したけれど、ピッタリ合うネジがなかったから外れやすいので気をつけて」と渡してくれました。ちゃんと蔓が付いています。「おいくらでしょうか」と尋ねると「いりません、いりません」とにこっと笑ってくれたので「ありがとうございました」と深くおじぎをして帰ってきました。とても嬉しくて、このショッピングセンターのことは是非ブログで紹介しようと心に決めました。でも、何よりもまず、普段からネジが緩んでいないかどうか、特に旅行前には気をつけないといけませんね。
ホテルに戻るときに、トラムの停留所で翌日の一日券を買いました。明日は京子さんが日本に帰る日です。私も一緒に空港まで行き、成田から来ているはずの三津夫と会って、このホテルに戻ってくるという算段です。飛行機は夜の出発なので、午前中はゆっくり市内観光をしてくる予定です。今日買った一日券は近場の距離だったので安かったのですが、明日の一日券は遠く空港まで行くので値段は9.65ユーロでした。目的地の番号と料金段階が違います。次回行くときには参考になるかと思い、チケットの写真を撮ったので参考までに載せておくことにします。
……と書きましたが、後から間違いに気がつきました。この日はうまく買えなくて、翌朝苦労して買ったのでした。ごめんなさい。書き直しておきます。何が苦労かといえば何回もお札を入れても吐き出されてしまったのですが、画面上に赤いバッテンが付いているお札は使えなかったのでした。この日はちょうど使用できるお札を持っていなかったため、結局翌朝クレジットカードで買いましたけれども、全体的に切符の買い方を丁寧に書いてあるサイトが見つかりました。お困りの方は参考にされると良いと思います。(ただし、このサイトの写真は2018年なので、既に料金は多少上がっています。)
Arto Exprole https://artoexplore.net/frankfurt-ticket/