リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

224. 16回目のドイツ旅行(27)グリュンスフェルトを9年ぶりに訪ねました。

2020年08月03日 | 旅行

▶9年ぶりのグリュンスフェルト

 


グリュンスフェルトの町 奥に見えるのが聖ペテロ聖パウロ教会

 

◆2019年8月9日(金)

 この日はグリュンスフェルトまで往復する予定です。グリュンスフェルトはバイエルン州とバーデン・ヴュルッテンベルクの州境を越えていかねばならず、バイエルンチケットは使えません。私は2010年に一度行ったきりで、今回は2度目の訪問ですが、三津夫は初めてでした。9年前には列車で行った記憶があるのですが、列車を検索してみると途中からバスに乗りかえることになっています。念のためヴュルツブルク中央駅の窓口でも確かめてみましたが、やはりキルヒハイム行きの列車に乗って終点でバスに乗り換えるように言われました。切符は2人分の往復で16.20ユーロでした。それほど高くなくてホッとしました。
 朝9:06の列車に乗り、20分でキルヒハイム。乗り換え時間が5分間しかなかったので心配でしたが、反対行きのバスの運転手さんが「あっちですよ」と指さして教えてくれたので、9:31発のバスに無事乗ることができました。グリュンスフェルト駅には9:53に到着。駅から少し歩いて戻ると聖ペテロ聖パウロ教会です。

 教会に入ると、三津夫はリーメンシュナイダーのドロテアの墓碑(写真・3枚の内の一番上)に注目。これはリーメンシュナイダーの比較的初期の作品ですが、品格のある美しい女性像で、私でも惚れ惚れします。そして今日のもう一つの目的、ペーター・デル(父)の「ヨハン4世フォン・ロイヒテンベ ルク方伯(1531年没 註)と妻マルガレータ・フォン・シュヴァルツブルクの墓碑」(写真・中)もすぐに見つかりました。こちらはドロテアさんと同じロイヒテンベルク姓の夫妻の墓碑ですから、もしかすると両者には何らかの親戚関係があるのかもしれません。
*註:方伯は、公爵と伯爵の間に位置する地位と辞書に出ています。

 さらに、教会の入口とパンフレットに書かれているのですが、ここの磔刑像(写真・下)もリーメンシュナイダーの弟子か、リーメンシュナイダー派の作家、またはリーメンシュナイダー自身の手によるものだそうです。ただ、何回か塗り重ねられたと思われるキリスト像は目の隈が太く塗られていて、残念でした。恐らくお金があって修復工房に依頼できたら気品のある彫刻になって戻ってくるのではないかと思われます。



ドロテア・フォン・ヴェルトハイム墓碑  (旧姓ロイヒテンベ ルク・リーネック)
 リーメンシュナイダーとその工房 1503年頃
 グリュンスフェルト 聖ペテロ聖パウロ教会

 


ヨハン4世フォン・ロイヒテンベ ルク方伯(1531年没)と
 妻マルガレータ・フォン・シュヴァルツブルクの墓碑
 ペーター・デル 1534~1536年


磔刑像 リーメンシュナイダーの弟子作、または本人作か? 中世後期


◆ヴュルツブルクのドーム博物館

 グリュンスフェルト駅まで歩いて戻り、しばらく待つと11:07のバスが来ました。朝の運転手さんでしたので、ホッとして乗り込みました。ラウダから戻ってきたこのバスには朝より多くの乗客が乗っていました。キルヒハイムに着くと、表示にヴュルツブルク中央駅行きは2番線と出ていたので2番線に回りました。多くの人が1番線に向かったのですが、行って見てその理由がわかりました。2番線は柵がしてあってホームには入れないのです。キルヒハイム行きの列車がそのまま折り返すので1番線のままで良かったのですね。あとから自分の検索した予定表を見たら、ちゃんと1番線と書いてありました。
 午後1時頃ヴュルツブルク中央駅まで戻ってきました。駅のアジア食堂で焼きそばを食べ(ここの味はまぁまぁですよ)、ドーム博物館に久しぶりで入ってみることにしました。展示内容はあまり変わりばえしていませんでしたが、「キリストの埋葬」というリーメンシュナイダー工房の作品が1点増えていました。これで、取りあえず見たいところは見て回ったので、最後にペーターの病院にお見舞いに行きました。

 ペーターはびっくりして喜んでくれましたが、明日私たちは旅の最終地点、フランクフルトに向かうので、またしばらく会えなくなります。ペーターは11日の月曜日からリハビリに行く予定です。手術のおかげで痛みがなくなったので、リハビリで楽に歩けるようになりますようにと祈りつつ。京子さんと7月に来たときには少し歩くにも相当痛そうにしていましたから、今の笑顔がことのほか嬉しく思えます。


 宿に戻って、三津夫が高温にならないコンロにイライラしながらうどんを作ってくれている間に日記をつけました。それにしてもこの宿はキッチンの使い方がわかれば別ですが、結構高価なので、次回は普通のホテルに泊まった方が良いかもしれません。あるいは、シェドラーさんのもう一つのアパートを検討してみようかと思います。そちらもバスで駅まで出なければならないそうなのですが、このアパートはバスに乗らなくても駅まで出られるのが便利でした。ヴュルツブルクは大好きな町で、ドイツに来たら必ず行くのですが、料金、駅からの近さ、快適さの全部が揃う宿というのは難しく、どこに泊まるのか悩ましいところです。

 ようやくできたうどんは美味しく食べられました。先日買ってきた食品も明日の朝でピッタリ終了の予定です。明日泊まるフランクフルトのトーマスにメールを書いて床に就きました。いよいよ旅も終盤です。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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