飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

答えが一つではない問題 解答編

2024年12月15日 08時24分30秒 | 算数科
前回の私立中学校入試問題の解答。

例1 Aを選ぶ
≪理由≫ Aは安定しているが最頻値は低めで、Bは最頻値は高いが不安定である。1回しか飛ばせないことを考えると、失敗は許されないのでBよりもAを選んだ方がよい。

例2 Bを選ぶ
≪理由≫ 3.5m以上飛んだ回数がAは6回で、Bは9回だから、Bの方が飛距離が長い可能性が高いと考えられるから。

解説
20回すべてで考えると、飛距離の平均は等しくなるので、飛距離の平均はすすめる根拠にはならない。
理由を説明する方針は、大きく分けると、2つある。
①ある順位について、その大小を考える。
②ある区間までの回数に着目する。
③代表値を利用して考える。

解答例
①ある順位についてその大小を考える場合

距離が長い方から17番目で比べると、Aは2.5m以上の飛距離があるが、Bは17番目が2.0m未満の飛距離なので、Aの方が飛距離が長い可能性が高いと考えられるから。
距離が長い方から5番目で考えると、Aが3.5m以上4.0m未満で、Bが4.0m以上4.5m未満のところにあるので、Bの方が飛距離が長いと推定できるから。

②ある区間までの回数に着目する場合

2.5m以上飛んだ回数がAは17回でBは14回だから、Aの方が飛距離が長い可能性が高いと思われるため。
3.5m以上飛んだ回数がAは6回でBは9回だから、Bの方が飛距離が長い可能性が高いと考えられるから。

③代表値を利用して考える(最頻値の近辺)

20回のうち、最も可能性が高いところで比べると、Aは「3.0m以上3.5m未満」6回と「2.5m以上3m未満」5回となる。一方でBは「3.5m以上4.0m未満」4回と「3.0m以上3.5m未満」3回と「4.0m以上4.5m未満」3回となる。よって、Bの方が飛距離が長い可能性が高いと推定されるから。
Aは安定しているが最頻値は低めで、Bは最頻値は高いが不安定である。1回しか飛ばせないことを考えると、失敗は許されないのでBよりもAを選んだ方がよい。

自分の解答に対してきちんとした根拠をもつ習慣が大切であることがわかる。
どんな教科においても答えや結論だけに注目するのではなく、常の根拠の妥当性を問う授業をする必要性を感じる。

saitani

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