7月24日(月) 2日目。
6:00 残念ながら今日も小雨。
この日のために低い山から、きつい山まで登って鍛えてきたんだ。
私たちが穂先に取り付く1時間だけでもいいから晴れてくれーと、勝手な願いごとをしながら槍沢ロッヂを出発ー

こんなガレ場でも

ちゃーんと道が整備されているところが、さすが槍ケ岳!!と感じられる。

ドロドロの道のはずが、どこかの庭園みたいに石がきれいに並べられている
歩きやすいったらありゃしない。

雪渓が出てきた。
実は昨日泊まったロッヂで話題になっていたのが、天気のこともあるが雪渓だった。

大小7か所の雪渓があり、登りはともかく下りは(軽)アイゼンが必要と。
私たちは持って来ていないので、「滑ったらどうしよう?」と不安満載で出発した。
ちなみに、私はポールあり(アイゼンなし)、ツレはポールもアイゼンもナシなのに
何故かあまり心配していないようだ。
ゆーーっくり踏み跡を歩き無事通過(ホッ
)。
山桜が咲いている。

ババ平通過

また出たぞーー。
雪渓ってこんなに厚いんだ。
下界は気温34度とかあるのに、ここは氷が残っている別世界だ。

ヘッピリ腰で歩く私に「オレが先に行く」とツレが言い出す。
付いて行くほうが楽なので「どうぞ!」と先を譲る。
晴れている時に見たかったな~

大曲(水沢乗越分岐)を抜けると、また・・

どこまでも続く雪渓が現れた。
これ全部上がるの?

大穴が口を開いてる、滑って落ちないようにしなくちゃ・・。

雪渓ていうから雪だと思うけど大間違い。
ほとんどが氷で、ちょっとだけ融けて雪に見えているだけだからポールも刺さらないときもあった。
用心深く一歩一歩降りる、下って行く人たち。

雪渓のない夏道を歩いたり雪渓に戻ったりして、こんなに登って来たよ。

道端に咲いていた花

花

花ではないがキレイだったのでつい・・・

花

今度はトラバース
急斜面には見えないけど、下側は絶壁だから滑って落ちたら止まらないーーーよーー

ペンキで方向が分かるので、体力と理解力があれば安全に登れる。

転ぶことなく雪渓は乗り越えたが、山頂が近づくにつれて雨・風・霧が強くなってきた。
強風に煽られて体が揺れる。
殺生分岐
歩いていたら、吐き気が時々出てくる。「何か悪い物でも食べたかな?寝不足かな?」なんて思いながらこれ以上悪い症状が出てこないよう別のことを考えよう。

ポールを持っている腕が重く感じ前に出ない、10mくらい進んでは休みがちになる。
息を吸っても吸っても体に入ってこない空回りしている・・酸素が薄いぞーーツライ。
(うーーんこれって高山病か?)
せめて晴れて絶景が見渡せたら、苦しさも帳消しなんだろうなー。
雨と霧で自分がどこまですすんでいるのか不明だ。
意識が半分くらい薄れているのが分かるが、ただひたすら「前に歩かないと着かないんだな」と足を動かしていた。
そんな時に「ほらもう100mだぞ!」と先を歩くツレの声。
(なんだよう、まだそんなにあるの??)
重い足を引きずっていたら、ずぶ濡れで何も見えない景色のなかに、建物が近くはっきり見えてきた。
11:50 槍ケ岳山荘到着


晴れていたら小休止して、リュックをデポし穂先の頂上トライだったのだが、登れないのは明らかだ。
明日の朝に行こう!!!
7月25日(火)3日目
4時半起床、雨が降っている。
それでも5時には朝食を済ませて、穂先に登る準備をする。

外は霧で穂先どころか20~30mくらいの範囲がぼんやり見えるだけ。。
晴れていたら、穂先がドドーンと迫って見えるんだろうな、くやしい。

穂先に登ったことがある経験者が一緒ならいいのだけれど、先を行く人も見当たらない。
雨も強く、濃霧・・

しばらく歩く。
「(私)やめようか??」「(ツレ)あんたが決めていいよ」
「(私)うーーん、じゃーやめよう!!!」と決断し小屋に戻った。
無念だけどしかたない、岩場から滑落なんてしたくないしさ。
6:45 槍ケ岳山荘を後に下り始める。
気持ちを切り替えても、私の胸の中はこの景色と同じですっきりしないなぁ。

しぼんだ気持ちで歩いていると、痛々しいけど強く咲いている花が目に飛び込んできたよー。
「またくるからね」と、花と自分に話しかける。

下りは同じコースを降りた。
雨が降り続けているのに雪渓は小さくなってない。
どうにか、転ばず滑らず降りてくることができた。
この日は横尾山荘にお泊り。
きれいな山小屋で、お風呂もあり部屋も空いていて極楽ゴクラク。
7月26日(水)
横尾山荘をゆっくり出発。

雨合羽を着ない日は今日だけ。
行きの明神から下山の横尾まで3日間ずーーっと着ていたので、ズボンの裾がドロドロに汚れていた。
明神池を散策。

ちょうど昼ごろには上高地に無事到着。
バスターミナルで登山靴に付いた泥を落とし、帰路についた。
おしまい
読んでいただき、ありがとうございました。
6:00 残念ながら今日も小雨。
この日のために低い山から、きつい山まで登って鍛えてきたんだ。
私たちが穂先に取り付く1時間だけでもいいから晴れてくれーと、勝手な願いごとをしながら槍沢ロッヂを出発ー


こんなガレ場でも

ちゃーんと道が整備されているところが、さすが槍ケ岳!!と感じられる。

ドロドロの道のはずが、どこかの庭園みたいに石がきれいに並べられている

歩きやすいったらありゃしない。

雪渓が出てきた。
実は昨日泊まったロッヂで話題になっていたのが、天気のこともあるが雪渓だった。

大小7か所の雪渓があり、登りはともかく下りは(軽)アイゼンが必要と。
私たちは持って来ていないので、「滑ったらどうしよう?」と不安満載で出発した。
ちなみに、私はポールあり(アイゼンなし)、ツレはポールもアイゼンもナシなのに
何故かあまり心配していないようだ。
ゆーーっくり踏み跡を歩き無事通過(ホッ

山桜が咲いている。

ババ平通過

また出たぞーー。
雪渓ってこんなに厚いんだ。
下界は気温34度とかあるのに、ここは氷が残っている別世界だ。

ヘッピリ腰で歩く私に「オレが先に行く」とツレが言い出す。
付いて行くほうが楽なので「どうぞ!」と先を譲る。
晴れている時に見たかったな~

大曲(水沢乗越分岐)を抜けると、また・・

どこまでも続く雪渓が現れた。
これ全部上がるの?

大穴が口を開いてる、滑って落ちないようにしなくちゃ・・。

雪渓ていうから雪だと思うけど大間違い。
ほとんどが氷で、ちょっとだけ融けて雪に見えているだけだからポールも刺さらないときもあった。
用心深く一歩一歩降りる、下って行く人たち。

雪渓のない夏道を歩いたり雪渓に戻ったりして、こんなに登って来たよ。

道端に咲いていた花

花

花ではないがキレイだったのでつい・・・


花

今度はトラバース
急斜面には見えないけど、下側は絶壁だから滑って落ちたら止まらないーーーよーー


ペンキで方向が分かるので、体力と理解力があれば安全に登れる。

転ぶことなく雪渓は乗り越えたが、山頂が近づくにつれて雨・風・霧が強くなってきた。
強風に煽られて体が揺れる。
殺生分岐
歩いていたら、吐き気が時々出てくる。「何か悪い物でも食べたかな?寝不足かな?」なんて思いながらこれ以上悪い症状が出てこないよう別のことを考えよう。

ポールを持っている腕が重く感じ前に出ない、10mくらい進んでは休みがちになる。
息を吸っても吸っても体に入ってこない空回りしている・・酸素が薄いぞーーツライ。
(うーーんこれって高山病か?)
せめて晴れて絶景が見渡せたら、苦しさも帳消しなんだろうなー。
雨と霧で自分がどこまですすんでいるのか不明だ。
意識が半分くらい薄れているのが分かるが、ただひたすら「前に歩かないと着かないんだな」と足を動かしていた。
そんな時に「ほらもう100mだぞ!」と先を歩くツレの声。
(なんだよう、まだそんなにあるの??)
重い足を引きずっていたら、ずぶ濡れで何も見えない景色のなかに、建物が近くはっきり見えてきた。
11:50 槍ケ岳山荘到着



晴れていたら小休止して、リュックをデポし穂先の頂上トライだったのだが、登れないのは明らかだ。
明日の朝に行こう!!!
7月25日(火)3日目
4時半起床、雨が降っている。
それでも5時には朝食を済ませて、穂先に登る準備をする。

外は霧で穂先どころか20~30mくらいの範囲がぼんやり見えるだけ。。
晴れていたら、穂先がドドーンと迫って見えるんだろうな、くやしい。

穂先に登ったことがある経験者が一緒ならいいのだけれど、先を行く人も見当たらない。
雨も強く、濃霧・・

しばらく歩く。
「(私)やめようか??」「(ツレ)あんたが決めていいよ」
「(私)うーーん、じゃーやめよう!!!」と決断し小屋に戻った。
無念だけどしかたない、岩場から滑落なんてしたくないしさ。
6:45 槍ケ岳山荘を後に下り始める。
気持ちを切り替えても、私の胸の中はこの景色と同じですっきりしないなぁ。

しぼんだ気持ちで歩いていると、痛々しいけど強く咲いている花が目に飛び込んできたよー。
「またくるからね」と、花と自分に話しかける。

下りは同じコースを降りた。
雨が降り続けているのに雪渓は小さくなってない。
どうにか、転ばず滑らず降りてくることができた。
この日は横尾山荘にお泊り。
きれいな山小屋で、お風呂もあり部屋も空いていて極楽ゴクラク。
7月26日(水)
横尾山荘をゆっくり出発。

雨合羽を着ない日は今日だけ。
行きの明神から下山の横尾まで3日間ずーーっと着ていたので、ズボンの裾がドロドロに汚れていた。
明神池を散策。

ちょうど昼ごろには上高地に無事到着。
バスターミナルで登山靴に付いた泥を落とし、帰路についた。
おしまい
