今年も
ひたすら走り続けた1年でした。
今年の大きな出来事は
ずっと憧れていた
Antonio Capela 1989 を手に入れることができたことです。
以前、数日間お借りして、弾いたことはあったのですが
今回、改めて、ガンさんに調整をお願いして
受け取った楽器は…
非常に軽やかに弾ける楽器で、むしろ 強引に弾くことを拒否している感じの楽器でした。
いやいやこんなに ふわっと 弾いて良いのか????
と感じてしまうほどで
こういう感じは、1600年代後半の古いイタリアの楽器を触って以来の感覚でした。
良く鳴り、音も厚みがあり、造りは良いし、きれいだし
本当に良い楽器だと思います
1989年と 古くはないのに
古い楽器の弾き心地で… 非常に幸せであります。
また、今年 まだ 家内に内緒なのですが
もう1本楽器を購入しました。
年末にオークションハウスの担当者の方から、プライベートセールの売買の打診を受けまして
いくつかの楽器の中から、
1800年代後半の楽器で
フランスの J B Vuillaumeの工房でVuillaumeの楽器を作っていた
製作者のバイオリンを買いました。ランパルさんの、鑑定書もついています。
楽器は、全体として良い造りをしています。ニスもオリジナルが十分残っています。
使われてきた傷も、全然気になりません。
ただ…修理痕がすごく気になっています
ランパルさんの鑑定書の写真には、
ヘッド部のブッシングの修理痕はなく、実物にはあり
この修理が、どうにもよろしくなく、一見して、上手じゃない人がやったと思われるのです
そう思うと、表板のちょっとした割れの修理も気になり
年明けに、じっくりガンさんに相談しようとおもっているところです。
思い切って、オープンして バスバーの交換も考えています。
Vuillaumeの楽器は、高額で購入できないけれど
同じ品質の楽器であることを 期待しています。
まだ、プライベートセールスで取り交わされる
NDAを締結していないので、
どこまでお話して良いかわからないのと
まだ、楽器が手元に来ていないので
お話は ここまで ということで…
今年最も印象に残ったのは
タツノヤさんの 展示会で 試奏した
ウンガリーニ という製作者の楽器です。
数本のオールドイタリアンがあったのですが、G ロッカ、と ウンガリーニ の2本だけが
私の 心に ぐっ と来ました
ウンガリーニは 1,000万円ぐらい、G ロッカ は 数千万円だそうで
いずれも、簡単に購入できる金額ではありませんが…
今年気になったのは
一般の人が、海外のオークションハウスで落札して手に入れた楽器で
「アレレ」 というモノを数本みたことです。
インターネットでの写真や コンディションレポートだけでは
楽器・弓の判断は難しいです
プレビューには、必ず行って自分の目で確認するとか
お金を払って、自分の代わりにプレビュー確認してくれる人を雇うとか
鑑定書や製作証明書は絶対に信用せず、実物を 自分の目 または、自分の代理人の目 で
見て確認することが必要だと思います。
それができないなら、偽物を手に入れてしまう可能性が高いことを理解して、割り切って参加するしかないと思います。
先日、とある楽器屋さんで、有名な製作者のラベルのついた楽器を拝見しました。
ネットに力を入れているTオークション、で製作者証明書付でBYの楽器として入手したそうですが…
造りがあまりにひどく、5万円の量産楽器にも劣る、ひどい楽器でした。
持ち込んだ人は、楽器の下取り用として持ってきたそうで…楽器に詳しいと自己紹介しており
「真作」と言い張っていたそうです。この造りで真作を主張するなんて、良く恥ずかしくないな~ と思いました。
「無料であげようか?」と言われましたが
「焚き付けにしかならない楽器はいりません」と丁重にお断りしました
皆さん、変な楽器には、お気を付けください。
来年、どのような楽器と出会いがあるのか
楽しみにしようと思います
拙ブログにお立ち寄りいただいた 皆様の ご多幸を 祈念いたします。