葡萄酒
私は ワインと言うより 葡萄酒の方が まだなじみが有る世代です。
父がお酒…特に洋酒が好きで
葡萄酒も時々購入しては、家で呑んでいました。
当時、葡萄酒を色々選べる店は少なく、家の近くにあった明治屋さんか、日本橋の高島屋さんに
父に連れられて、買いに行っていました。
父のおかげで、私も多くの美味しい葡萄酒を口にすることができました。
昔は、 DRCのロマネ・コンティは13万円で買えました。ラ・ターシュも3万円ぐらいで
ボルドーのロートシルト、シャトー・ラ・トゥール、オーブリオン、マルゴーは1万円以下で、ちょっと背伸びしたいときに飲むお酒
今では有名になった アメリカのオーパスワンは、「50ドルワイン」と称してボルドー風葡萄酒として1980年代前半に出てきたことを
覚えています。その葡萄酒がこれほどプレミアがつくとは思ってもみませんでした。
1990年代前半は、まだそれほど葡萄酒の値段は上がっておらず、月に1本のペースで美味しい葡萄酒を楽しんでいましたが、
子供が大きくなるにつれ、学費にお金が費やされるようになってからは
お手頃な価格帯の葡萄酒に移行して、1,000~5,000円ぐらいのお酒を時々、年末には奮発して一本
というペースで楽しんでいます。
でも、北海道に来てから、お店も少ないので
比較的外れが少ないと私は思っている、
米国のロバート・モンダビの3,000円前後の葡萄酒か
イタリアの大衆的ブランド フォンタナフレッダのバローロやバルベラ・ダルバ
関東で展開しているOKストアのオリジナルワインのなかで高めの1,000円ぐらいのを
買ってのんでいました
先日、今住んでいる町の 実験農場に行ったとき
葡萄酒用品種のピノ・ノワールを植えているのをみて
たまには 奮発して良い葡萄酒でも飲むかぁ!!
と気合いをいれて、葡萄酒を買いに行きました。
車に乗って、100kmちょっと走って 旭川へ
ネットで調べた ワインショップに入る。ここはオーパスワンも売っているというお店
期待してお店に入る。
お店の人「いらっしゃいませ、何かおさがしですか?」
私「はい、赤を1本買いたいなと…できればピノ…」
お店の人「ピノ・ノワールですね、いろいろございますよ」
私「ありがとうございます、いつもクローン114や115、新しいところだと667や777を軸にしたモノを選んで呑んでいました。
タニックな感じは大好きで、今回まだ試したことがない828を軸に醸造した葡萄酒があれば購入したいのですがありますか?」
お店の人「ん?なんですかそれ」
私「ワインの穂木の番号ですけど…ヴィティス(穂木を挿す台木)との組み合わせでまたその味も変わるらしいですが、あまり葡萄酒には詳しくなく ヴィティスについてはフランスは110RかSO4、アメリカだと1103が多いということぐらいしか知りません。ヴィティスはこだわりませんので、828を軸に作ったピノの葡萄酒をいくつか選んでいただけますか?」
お店の人「すみません、ワインに詳しい人がおりませんので、クローンとか番号の意味がわかりません」
私「いや…わからなければ結構です。」
といって店を出た。 そのあと 3軒ほど店を回ったが どこも こちらの話すことを理解してもらえませんでした。
結局、最初の店に戻り、もう口の中は赤葡萄酒の気分になっていたので
ネゴシアンで有名なルイラツールのコルトン グランセイ2010年を買うことにしました。
家に帰って、牛すじの赤ワイン煮込みをつくり
翌日それを肴に、美味しく頂きましたが
なんだか 納得できず
クレジットカード会社のコンシェルジュデスクに相談
帯広でワインを相談できるお店がないか探して貰うことにしました
が…
その回答は次のとおりでした。
「クローンナンバーについて詳しくお話が可能なソムリエがいる店舗が見つからない状況でございます。
北海道ホテルのソムリエにはシニアソムリエが何名かいらっしゃるという情報を得たので、問い合わせをいたしましたが、お話として
すぐに理解はいただけるものの、クローンナンバーについて自信をもって対応ができると仰っていただけるような方はおりませんでした。
十勝のワイナリーにも問い合わせしましたが、ピノ・ノワール クローンナンバー828を軸としたワインとなると
ヨーロッパやアメリカのワインを好まれると思うので、お好みの商品が提案できるか分からないとの回答でございました。
また、東京都内とはなりますが、弊社が懇意にしているワインショップのエ***や、アカデミー・**・***というワインスクールなど、情報があるか、問い合わせを行いましたが、あいにくどちらもクローンナンバーに詳しいソムリエの方はいらっしゃらないという回答でございました。」
うーん、いつの頃から 穂木や台木で葡萄酒を選べなくなったのだろう…
お米にたとえると
ジャポニカ米が ピノ・ノワール とか シャルドネ という葡萄の品種だとすれば
穂木の番号は、お米の 水稲農林**号 と同じような感じで
きちんと栽培できれば、持っている特徴を備えた実がなるので
コシヒカリはどこで作っても、それなりにコシヒカリの風味を持つ米ができ
コシヒカリが土地が変わればササニシキの風味に変わることはない
葡萄もこれと同じで
自分の好みの葡萄酒を探すときは、穂木の番号を頼りに探すと
見つけやすいと私は教わったのですが…
時代は変わり、葡萄酒選びも変わってきたのでしょうね。
もう葡萄酒は楽しめないな…
どうやって 好みの葡萄酒を探せば良いのか わからないや。
楽しめないなら もう呑むの やめようかな と本気で思うようになった
今日この頃です