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夜の足音

2022-07-23 06:17:57 | 日記

「夜の足音」 著者・松本清張 角川文庫 平成21年3月 初版発行

 

久しく、遠ざかっていた読書を再開する。

ベッドの枕元には、数冊の積読の本が重ねられている。

暑さの所為か、なかなか、読んでも頭に入ってこない。

そんな中、探し出したのが、時代小説の「夜の足音」だ。

 

清張氏の綿密な史料調べ、時代考証の確かさは、群を抜いているように思う。

江戸の地名は、私が育った下町だし、いまだに古地図の中に生き生きと存在し続けているのだ。

 

この「夜の足音」は岡っ引きから、奇妙な相談事を持ちかけられて、男の尊厳を傷つけられた無宿人の話だ。

そのほか、家光上洛の折、宿を提供した小藩の武士の間での噂話を題材とした「噂始末」。

江戸詰めの、各藩の外交官ともいうべき留守居役の事件など。

短編ながら、ずっしりと重みのある作品ばかり6篇、収められている。

 

後に社会派推理小説(「砂の器」「点と線」「0の焦点」などなど)の巨匠とも言われた清張氏。

原点は、時代小説だったのか…。

小気味よい会話の数々。

 

今、松本清張の世界にどっぷり、はまっている。

コメント (6)
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