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破綻の安愚楽牧場,湯浅商事に直営牧場売却か

2011-11-16 15:55:20 | 「身の丈」経営

破綻の安愚楽牧場,湯浅商事に直営牧場売却か

 日経新聞(11月16日)によると,5000億円以上の債務を抱えて経営破綻した安愚楽牧場(栃木県那須塩原市)は12月16日までに全国約40カ所に持つ直営牧場を飼料商社,湯浅商事(名古屋市,湯浅薫社長http://www.yuasa-shoji.com/)に売却,300カ所以上ある預託牧場の和牛は未払いの預託料と相殺する方式で契約農家に優先譲渡する。

 湯浅商事は牧場部門も持つ飼料販売会社で,破綻後の安愚楽牧場にも飼料供給を続けている。同社は各地の取引先などに牧場を再譲渡するものとみられる。

 安愚楽牧場は民事再生手続きによる資産処分を計画していたが,東京地裁が今月8日に同手続きの廃止を決定。 同牧場では破綻後も直営牧場や契約農家の牧場で約13万頭の牛をいまも管理している。

この日経新聞の記事には,若干,気がかりな点がある。それは,11月16日現在譲渡先とされる「湯浅商事」のホームページに,牧場譲渡に関する同社の見解が一切,掲載されていない点である。


◆安愚楽牧場,09年に実質債務超過 
 安愚楽牧場が2009年2月,投資家への会計処理の仕方や情報開示が不適切だとして,当時,和牛預託取引(オーナー制度)の監督官庁だった農林水産省から改善指導を受け,事後点検のための定期報告も求められていたことが,消費者庁が開示した行政文書で明らかになった。
 開示文書によると,安愚楽牧場が契約満期時に買い戻しに応じる条件で投資家に販売した和牛オーナー契約の残高は09年3月期末ですでに2889億円にのぼっていた。同社が投資家向けに公表した財務諸表によると,当時の資産は688億円,純資産は27億円で,2千億円を超す債務超過状態であった。


◆湯浅商事株式会社
飼料の輸入,製造,販売を中心に,食に関わる事業を展開し,その幅は多岐に渡たる。現在同社は,福島県と長野県で牧場を,愛知県と滋賀県で養鶏場を運営している。

本社所在地 :名古屋市中村区名駅5-25-3(湯浅ビル)
資本金 :9,800万円
年商: 約220億円(平成22年3月実績)

▼関連した動き         *:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~.


宮崎県小林市の観光施設,「コスモス牧場」の継続目指す

 宮崎県小林市は1994年から,安愚楽牧場などと第3セクター「北きりしまリゾート牧場」を設立。牛やウサギなどの動物と触れ合えるコスモス牧場(約10ヘクタール)と共同運営している。。出資比率は市が54・3%,安愚楽牧場21・3%,JAこばやし13・7%,安愚楽牧場の子会社「レストラン安愚楽北霧島」が10・7%で,出資比率に応じて牧場の借地料年間約433万円を負担していた。 だが,安愚楽牧場の経営悪化が表面化した夏場以降,安愚楽牧場と子会社は借地料を滞納,計約137万円を市が肩代わりしている。

 肥後正弘市長は,借地契約が14年3月で終わることから,「コスモス牧場は重要な観光施設。少なくとも契約の残り期間は(営業)継続を目指したい」としている。

◇バックナンバー

    ・安愚楽牧場の破産手続き開始を決定 -東京地裁 (12/13)

  ・安愚楽牧場が破産へ=民事再生手続き廃止―東京地裁
     
(2011-11-08)

 

 

                     
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