九州を地盤とし「低価格ドラッグストア」を掲げるコスモス薬品が絶好調。同社の場合、既存店売上高が前年比で5%以上増える月が多く、14年5月期は過去最高益を更新する見通し。出店意欲も今期だけで65店と旺盛である。
◆最近の業績
2013年5月期(2012年6月-2013年5月)
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出典:「コスモス薬品HP」 http://www.cosmospc.co.jp/ir_getsuji.html
コスモス薬品は「安くて、近く て、便利な」「生鮮品も取り扱う」ディスカウントドラッグストアを標榜し、「良い商品を一円でも安く」というコンセプトを貫き、ドラッグストアだけでなくすべての小売業との競合を勝ち抜く店作りを推進している。売り上げ総利益率は19.0% (2011年度)とドラッグストアの同業他社と比較して低いが、売上高販売管理費比率は14.2%と業界最低水準であり、低コスト追求が徹底されている。 2011年度の営業利益率は4.8%と前期の4.2%からさらに高収益体質が強化されている。
コスモス薬品の事業戦略は、ディスカウント路線の強化と、自社競合を発生させてでも商圏の隙間を徹底的に埋め尽くすドミナント形成を図ることにある。そして,小商圏の生活物資の需要を丸ごと取り込むことができるような地域独占型小売業を志向している。
同社はかつては、質の高い接客や、消費者の利便性向上を重視した展開を図っていた。そせが,2008年頃からドラッグストア等の同業他社が同社の事業基盤である九州や中四国地方へ進出するようになってきたことに対抗するため、消費者にとってもっとも単純明快な「ディスカウント」へと方向転換した。
なお,コスモス薬品がディスカウントドラッグを標榜していること、生鮮食品を取り扱っていることから、異業種のディスカウンターや食品スーパーなどとの競合は常態化している。ディスカウンターでは、トライアルカンパニーやルミエール、ミスターマックス、サンドラッグの子会社のダイレックスなどが価格競争の相手となる。
例えばトライアルとの競争では、コスモス薬品の店舗面積はトライアルに比べて小さいし、店舗当たり客数も少ないと見られる。しかし、徹底したローコストオペレーションと、生鮮品の品揃えによる来店頻度の増加、一人当たりの購買点数を増やす取り組みなどで、高い収益性を実現している。
【コスモス薬品 九州の店舗】
出典:「コスモス薬品HP」 http://www.cosmospc.co.jp/
社 名 : 株式会社 コスモス薬品
設 立 : 昭和58年12月
代 表 者 : 代表取締役社長 宇野 正晃
コスモス薬品全店舗数: 514店舗 (平成25年 6月末現在)
・ドラッグストア 513店舗
・調剤薬局 1店舗
従業員数:
正社員:2,093人 平均臨時雇用者数 6,664人
在籍者総数 :16,405人(2013年5月末)
資 本 金 : 41億7,856万6,600円
年 商 : 3,293億円(2013年5月期)
本 社 :福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目10番1号 第一福岡ビルS館4階
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コスモス薬品による食品スーパーの代替化は確実に進行している。その事例が,鹿児島にみられる。地場スーパーの「タイヨー」http://www.taiyonet.com/は,苦戦を強いられている。この辺の事情は,あらためて取り上げる。
▼タイヨ-の連結業績
◆タイヨー
鹿児島地盤の食品スーパーで県内シェア首位。地場の生鮮食品や健康志向の食品を重点訴求。大証2部,福岡上場。
・売 上 高:1,308億円(平成24年2月末)
・店 舗 数:93店舗
・従 業 員 数 :8,282名(社員1,379名、嘱託326名、準社員4,383名、アルバイト2,194名(平成24年2月)
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