日本にホームセンターが誕生して40年になる。今や業界の市場規模(08年度)は3兆9091億円,店舗数は約4000店にのぼるが,日本DIY協会によると売上高は05年度をピークに3年連続減少,10年度はさらなる落ち込みが予想される。
現在の業界ランキングはDCM(東京)を1位に,カインズ(埼玉),コーナン商事(大阪),コメリ(新潟)と続き,5位に地場のナフコ(北九州市)が入る。
DCMは6位のホーマック(北海道),10位カーマ(愛知),12位ダイキ(愛媛) が合併して誕生した物流会社を吸収合併している。こうした域外大手は地場勢へのM&A攻勢など,さまざまな手法を駆使して九州進出を図っている。
九州上陸を最初に果たしたのはコーナン商事。04年,福岡市西区と長崎県佐世保市に初出店。場所はともに同年倒産したディスカウントストア,オサダの店舗跡。続いてコメリが07年進出,長崎市に1号店を出店,現在,九州に約100店舗を構える。
08年にはDCM傘下のダイキが,熊本市のホームセンターサンコー(旧九州産業交通グループ)の19店舗を当時所有のイエローハット(東京)から買い取り,九州での足場を確保し,ナフコのおひざ元・北九州市西部2カ所で大型店を相次ぎ開業した。
こうした域外資本の出店攻勢の荒波をまともにかぶっているのがナフコ。1947年創業,家具店でスタートしたが70年,ナフコの名でホームセンター業に参入,九州内外で積極出店した後,01年に深町家具店と統合。現在,ホームセンター,家具,コンビネーションストアを3本柱で事業展開している。
▼ナフコの戦略(http://www.nafco.tv/corporate/ir/index02.html)
人々の生活の多様化と競争の激化により、流通業界を取り巻く環境はますます厳しいものが感じられます。こうした状況にあって私どもナフコは、西日本を中心に276店(グループ)を展開することができました。これも、ひとえに皆様方の温かいご支援とご鞭撻の賜物と深く感謝致しております。
1947年、深町家具店を創業致しまして以来、私どもは常に「店はお客様のためにある」という意識のもと、商品開発に、作業システムの改善に、接客サービスの向上にと全力を注いでまいりました。そして現在、より快適な生活を創造する生活総合提案店「暮らしのクリエーター」をめざし、鋭意努力中であります。加えて、私どもは社員のプラス面を評価する得点主義を進め、個人の自主性とチャレンジ精神を何よりも尊重しております。そのため全社員が明るく楽しく、伸び伸びと仕事に打ち込み、自らの力を存分に発揮しております。社内のコミュニケーションは活発で組織全体のまとまりもよく、一層知恵を出し合える集団として活躍する、それが小売業は教育産業と考えるナフコの「全員参加・衆知結集の社風」であり、企業発展の原点ともなっているのです。
人も企業も健康が第一、今後も「お客様とナフコ」「お取引先とナフコ」「経営者と社員」が一つになり、人と人との触れ合い、助け合いを大切にしながら、元気に明るく切磋琢磨、共存共栄に総力を傾け、前進していく所存でございます。なにとぞ宜しくお引き立て頂きますようお願い申し上げます。
▼業績の推移----------------
2004年 年商1,817億円、店舗数172店(2004年3月現在)
2005年 年商1,850億円、店舗数187店(2005年3月現在)
2006年 年商1,901億円、店舗数201店(2006年3月現在)
2007年 年商1,947億円、店舗数214店(2007年3月現在)
2008年 年商1,957億円、店舗数231店(2008年3月現在)
2009年 年商2,037億円、店舗数246店(2009年3月現在)
2010年 年商2,085億円、店舗数259店(2010年3月現在)
▼関連ブログ
・コメリ,今期50店舗出店 150億円投じ中四国・九州中心に
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/52faba73b739239b3ad539ae42ac12cc
・「身の丈を強みとする経営」 31--コメリの需要創造 - 農家に問題解決支援コメリ
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/e4f97d32c628315db9363dd6b5abca86
・「身の丈を強みとする経営」 ホームセンター勝ち組企業にみる時代対応
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/d81d752f486073143c74aa309cad7d21
・ホームセンター コメリ 今年新卒100人を追加採用
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/a0c59ac802d1bdb349f8a43dadfe7164
****** ******* ******
新刊 『 「身の丈」を強みとする経営』 -縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」 ―日本経済新聞出版社刊
消費も市場も縮むなか,長期にわたる高収益を持続する小売業もある。キーワードは「がんばらない」「革新」「時代対応」そして「人材育成」である。店の大型化や安売り・値下げを競う体力勝負の消耗戦からいち早く抜け出した個性派企業の考える経営に学ぶ生き残り戦略。