大分県,熊本県と鹿児島県知事の語録です。それぞれ,発言の時期,その内容は異なりますが,三氏の人となりが垣間見える言葉です。
◆大分県知事広瀬勝貞氏 -原子力発電の推進,四国電力の伊方原子力発電所について
元経済産業事務次官の広瀬勝貞・大分県知事は4月18日の定例会見で、経産省時代に原子力発電を推進してきたことに責任を感じるかとの問いに「ありません」と答えた。続けて「とにかく安全を第一に、しかしやっぱり安定的なエネルギーの供給という意味で、原子力をやらざるを得ないだろうと進めてきた。そのことは間違ってなかったと思う」と述べた。
福島第一原発事故の後、経産次官経験者が責任について会見で発言するのは初めて。広瀬知事は九州地方知事会長も務めている。
知事は原発の安全性についても言及。「もっと地震や津波を大きなものに想定してやっていかねばならない。二重にも三重にも安全対策があるはずだったんだが、実は二重三重になってなかった面もあるわけだから、そうした面をしっかり生かしていかねばならない」と述べ、安全性を高める必要があるとの認識を示した。
また、四国電力の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)で事故が起きた場合の県内の避難態勢については「(伊方原発から)これだけ離れている所が、そこまで心配する必要があるだろうか」と述べ、「色んな議論の結果考えればいいが、今のところはそういうことを考える事態ではないのではないか」と述べた。
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広瀬知事は1999年から2002年まで事務次官だった。資源エネルギー庁の総務課企画官も務めた。
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出典:毎日新聞 http://www.asahi.com/politics/update/0418/SEB201104180025.html
◆宝くじ 事業仕分け-伊藤祐一郎・鹿児島県知事の発言
2010年5月21日の事業仕分けでは,宝くじを発売に関わる日本宝くじ協会,自治総合センター,全国市町村振興協会の3法人計4事業の仕分けには,自治総合センターからは理事長の二橋正弘・元官房副長官が説明者として出席。佐竹敬久・秋田県知事と伊藤祐一郎・鹿児島県知事も同席した。伊藤知事は総務省時代,宝くじ関連の3公益法人を所管する地方債課長を務め,総務省官房総括審議官などを歴任した。この日は原口一博総務相が出席を要請したという。
▼事業仕分けでの伊藤祐一郎・鹿児島県知事の発言-
総務省OBの伊藤祐一郎鹿児島県知事が,米軍普天間飛行場移設問題に関連し 「全国知事会議で総理から地方公共団体にお願いがあるように聞いている。そういう状況の中で, 地方財源ともなっている宝くじが仕分けの対象になるというのは,いささか地域主権国家の在り方としてはおかしい」と苦言を呈した。
そして,総務省OBらの天下り役員が2千万円前後の年収を受けていることに関しては,同省出身の伊藤知事は「人数が少ないから」「高いというのは言いすぎだ」との法人擁護の発言は,一般傍聴席から「ばかにするな,国民を」とヤジが飛ぶなど会場には不穏な空気も漂った。
▼伊藤知事の弁
「金額につきましては,だいたい2,000万円。知事の給料も,だいたいそれくらい。議員さんはそれ以上。天下りでこの金額が高いというのは,”しかも”宝くじの団体についておっしゃるのは,いささか行き過ぎ」。
=2010/05/22付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/173312
◆熊本県知事の蒲島郁夫(かばしまいくお)氏
家は貧乏で,勉強もできない正真正銘の「落ちこぼれ」
わたしは1947年(昭和22年),熊本県の稲田村(現在の山鹿市)に生まれました。父母,祖母と7人兄弟の10人家族で,耕す田んぼは二反半しかありません。お米も食べられないし,お金もない,とても貧乏な暮らしでした。
わたしはといえば,勉強を一切しない「落ちこぼれ」でした。高校の時には,ほとんど学校の授業は受けず,近くの山の「一本松」の下で,好きな小説ばかり読みあさっていました。そんなわけで,成績が良いわけもなく高校では220人中で200番台でした。家は貧乏で,勉強もできない正真正銘の「落ちこぼれ」でした。
また,高校を卒業して就職した自動車販売会社は1週間で辞めてしまうような「根性なし」でもありました。その後,地元の農業協同組合に勤めるようになっても,わたし自身,仕事にやりがいを見いだせず2年で退職してしまうことになります。
そんな落ちこぼれのわたしにも,3つの「大きな夢」がありました。その夢とは「小説家になること」「政治家になること」「牧場を経営すること」です。
当時のわたしを知る人ならば「とんでもない夢だ!」と言ったことでしょう。でも,どんな落ちこぼれでも「夢」を見ることはできます。しかし,ほとんどの人は夢を夢のまま終わらせてしまうことが普通です。
わたしは,そんな夢に向かって一歩だけ前に踏み出すことができました。この「一歩」を踏み出せるかどうかで,人生は大きく変わります。特に若い人たちには,前に踏み出す勇気の大切さを知ってほしいと思っています。
大きな夢-牧場を経営すること
わたしは,どんな人生にも,最低,五度の大きなチャンスが潜んでいると信じています。そこで一歩を踏み出すかどうか・・・・・「その踏み出す一歩」が人生を大きく変えてくれると思います。
地元の農業協同組合に勤めてはみたものの,仕事のやりがいを見つけることができません。そんな時に「派米農業研修生プログラム」の広告を見つけました。「牧場を経営したい」というわたしの夢に近づけるような気がして,人生で初めての大きな決断をして応募しました。それからは毎日,英語を猛勉強し,競争率4倍の試験にパスしてあこがれのアメリカに渡ることになったのです。
これまでの人生を振り返って,わたしが思うのは,逆境こそが人生成功の鍵になるということです。わたしは子どもの頃から「貧乏」という絶対的な逆境にありました。人生のスタートラインがもともと他の人より,ずっと下にあったのです。貧しい生活も,アメリカの研修生活での苦しい労働も,わたしにとっての逆境であり,この逆境のなかで,夢を持ち,一歩を踏みだしたことで,1つ1つのステップが開けてきたように思います。
◆大きな夢-政治家になること
わたしは11年間お世話になった東京大学を辞して,2008年4月に多くの熊本県民の支持を得て,熊本県知事に就任しました。
熊本県知事の蒲島郁夫(かばしまいくお)です。 私たちの郷土熊本県は,豊かな自然や多彩な歴史・文化に恵まれ,優れた人材が育ち,さまざまな産業が発展する可能性を秘めています。これらの地域の宝を生かし,「躍動し,飛躍する熊本」を創り上げること ...
熊本県知事の蒲島郁夫(かばしまいくお)です。
私たちの郷土熊本県は,豊かな自然や多彩な歴史・文化に恵まれ,優れた人材が育ち,さまざまな産業が発展する可能性を秘めています。これらの地域の宝を生かし,「躍動し,飛躍する熊本」を創り上げることが,私の使命です。
子どもたちが夢を持ち,若者が地元で働くことができ,高齢者の方々も安心して暮らせるような,誰もが幸せを感じることのできる熊本県の実現に向け,全力で走って参ります。
ともに熊本の未来に夢をはせ,その夢を実現させましょう。
出典-出典先のメモを紛失してしまい記載できません。手持ちのスクラップを整理し,わかりしだ次第出典を明記します。しばらく猶予ください。
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