私は,先日,ロイター通信社から,日本の消費動向に関して次の4点に関する取材をうけました。質問内容とそれに対する私の見解を,ブログに書きご提示します。
◆問題の前提 -「自粛」と「おさえ気味の行為」は分けて考える
明解国語辞典によると,「自粛とは自分から進んで行動や態度をつつしむこと」とある。未曾有の大震災の災害地と被災者の方々,その復旧に懸命に取り組む関係者の方々の心痛とご苦労を察して,行動を慎むという世の動きが,自粛ムードを生んでいるのである。
いま,各地の温泉地や観光地でキャンセルが相次ぎ,観光業者が大きなダメージを受けていることが報道されている。確かに「自粛」という面もあろう。だが,余震頻発で不安であることから,《「遠出は控える》といった自己都合,さらには世情騒然した時勢では,当面の≪出費は控える》といった,不要不急な行為は当面差し控えるとの思いは自粛とは,分けて考えるべきである。
*「自粛」の類語としては,自制 自律 自重 克己 自己批判 遠慮 注意 セルフコントロールがあげられる。《必携 類語実用辞典(三省堂)》
◆東日本大震災が個人消費に及ぼす影響 - 自粛ムードはいつまで続くのか
Q1.東日本大震災後、小売業界で国民の自粛ムードが大きな問題となっております。このような国民全体の自粛ムードが今後どの程度続くのか見通しについてお聞かせ下さい。
Answer 私のこう思う-「自粛ムード蔓延」との言葉に違和感を持つ
いま,「頑張ろう」のかけ声のもとに,全国民の一体化が叫ばれています。だが,その思いは全国民が一律というのではなく,居住地,職業,収入,さらにはライフスタイルにより,それ自粛への考え方,取り組みは多分に,温度差があると考えます。
鹿児島県を事例にあげると,3月18日から鹿児島市で開催のイベント「「花かごしま2011」は,盛況でした。また,九州新幹線全線開通に伴うこの一ヶ月間の鹿児島-熊本間の利用客数は,震災前のJR九州が予想を上まわる1.55倍となっています。
また,私がお手伝いしているコンサル先の企業は,この震災にめげることなく,企業活動を通じて社会貢献していくとの方針を打ち出しており,企業活動における自粛はありません。
観光業界,サービス産業などの事例を通じて自粛ムードが伝えられていますが、一面的でありセンセーショナルとの感を持ちます。自粛ムードとは,マスコミのつくった幻想との感も持ちます。
観光,サービス産業など,生活の余裕あるいは不急分野は自粛の対象となり,客足が遠のく状況は当分続くでありましょう。空きが目立ち「ACジャパン」のスッポト広告で埋めているテレビコマーシャルもこの分野に入ります。
自粛といっても,一昔前の「~断ち」しているわけではありません。,日常生活を送っていく上での必須な部分の消費部分は,震災後も消費は落ち込んでいません。「自粛ムード蔓延」との言葉に違和感を持ちます。
( 続 く )
Q2.東日本大震災は東日本の個人消費を落ち込ませました。その落ち込んだ個人消費はいつ頃、どの程度まで回復するとお考えですか。
Q3.また、阪神淡路大震災後の回復と東日本大震災の今後の回復において類似点と相違点をどのようにご覧になりますか。
Q4.東日本大震災の1年後、2年後の個人消費の傾向はどのような変化が生じるとご覧になりますか。(例えば、9月11日のテロ以降、アメリカではその前と比較し、多くのアメリカ人が家庭内で過ごす時間が増えた結果、家庭内の消費や販売が好調になりました。)
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