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鹿児島国際大学での集中講義 ーマーケティング論・13 「A-Zスーパーセンター」②

2011-09-14 11:28:32 | 大学教員として

 「A-Z」:売上高の推移-出典:利益第二主義~過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学~」(ダイヤモンド社刊)

 人口2万4千人で過疎高齢化も進む鹿児島県阿久根市に年間650万人を集客するという店が,マキオ(同市)が運営する24時間の大型小売店「A-Zあくね」です。同店は東京ドーム3.5個分の敷地に「なんでもある」とのうたい文句で,生鮮野菜から自動車まで33万点を取りそろえています。休日ともなれば車で1時間圏の鹿児島市からもお客が来店するということです。

 創業者牧尾英二氏の言によると,「人口2万チョットの田舎町で大型店舗,まして24時間営業が成り立つはずがない」「なんでもそろう品揃えなんてナンセンス」。創業当時は,商業の専門家からもこんな声があがったということです。現在は,「既成概念にとらわれない発想」,そして「顧客ニーズへの対応」の成果とマスコミや業界関係者から評価され,全国的な関心を集めています。

 経済産業省の「商業統計」によると,鹿児島県の小売業事業所数は82年の3.1万をピークに,04(平成16) 年には2.1万と約30%減。この間の減少率は全都道府県中9番目の高い水準にあります。

 04 (平成16) 年商業販売統計(確報)によると,鹿児島県の卸売業及び小売業の事業所数は,26,158事業所(前回比▲2.6%),従業者数は,146,249人(同▲2.2%),年間商品販売額は,4兆2338億円(同▲2.3%)です。

 こうした商業環境に加え,人口減少と高齢化が進む鹿児島県にあって,売上高が開業時1997年の62億円から,08年170億円,09年280億円と,増収を続ける「A・Z」の業績は賞賛されます。また,同社は「取引先もお客様,地域とどう共存するか」と地元問屋との取引を優先する仕入れ姿勢も,学ぶべき点多であり,高く評価されるべきです。

 とはいえ,コンサルタントの目で見ると,同社の経営,さらには行政にはいくつかの疑問を持ちます。こうした観点から,ビデオ視聴にあたり,以下の3点を私の見解として示し,学生の意見を求めました。


問題提起1:大型店を出店し,広域からお客を引きつけるという商法は,高齢化時代にあっては時代遅れの発想・経営である。このままの大型店指向の経営であるなら,同社は10年と持たないであろう。

問題提起2:深夜,小さな子供を連れた家族連れの買い物客も多いようだ。これは,幼児虐待ともなりかねない。店,さらに行政はこの状況を「良し」とに考えているのであろうか。

 特に,「このままの経営では,同社は10年と持たないであろう」。との私の見解に対しては,「エエ・・・。この先生何を言ってるのか」と,学生は不信の態度がありありでした。

    ---学生のビデオを視てのレポートは,次回のブログに書き込みます。

◆参考文献(PDF)
・書評 『利益第二主義~過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学~
・書評 『地方を殺すのはだれか』 (2009年)
・書評 「躍進する中小都市「岡谷モデル」の模索 (2008年)
・地域情報 九州地方の県民性(2008年)
・地域情報 長野県丸子町(現上田市)の盛衰(2010年)

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