>>>三菱重工 大型客船で1600億円の巨額特損
長崎湾に面する三菱重工長崎造船所の香焼工場(長崎市)で「洋上のホテル」と呼ばれる豪華客船が建造されている。約12万5000総トン,長さ約300メートル,幅37.6メートル,約3300人乗りで,三菱重工にとっては約10年ぶりとなる大型客船の建造である。同社は2011年に米カーニバル傘下の「アイーダ・クルーズ」から2隻を受注している。
三菱重工は,この2隻の豪華客船についてアイーダ・クルーズから度重なる設計や資材変更を求められ,それへの対応ですでに1645億円の特損を計上している。
そして,災難は続き,1月11日,完成間近とみられていた1番船で火災が発生した。三菱重工は4月30日に予定されている引き渡しへの影響はないとしているが,さらに,特損が膨らむ可能性もある。
こうした状況の中,客船事業から撤退する可能性も云々されている。
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●三菱重工 創業の地・長崎造船所の2部門を分社化
出典:三菱重工 Press Information 2015年9月28日
出典: https://www.mhi.co.jp/finance/library/annual/pdf/annual_2013.pdf
三菱重工業 https://www.mhi.co.jp/ の造船事業をめぐっては,大型客船設計のやり直しにより,建造収支が2隻で1300億円と巨額の特別損失計上もあって,同社創業の地である長崎造船所(長崎市),通称「長船(ながせん)は分社化,再編で立て直しを図る。
長崎造船所は,本工場と香焼(長崎市),幸町(以上長崎市),諫早(長崎県諫早市)−4工場で構成され,2014年4月時点での従業員は約2300 人である。造船部門の売り上げは約3割にとどまり,6割を占める火力発電設備が主体となっており,実質的には,脱「造船所」の状態にある。
三菱重工は,長船の造船事業を分社した後も雇用は維持する方針である。長崎市内では下請けなどを含め,製造業就業者の約45%に当たる1万9千人が長崎造船所と関わっていることから,同所の動向は地域経済に及ぼす影響も大きい。
●分社:造船事業を10月1日に分社。液化天然ガス(LNG)運搬船などの設計・建造と、船体ブロック製造の2社に分社化。
●再編:所内4工場に分散している防衛,宇宙、エネルギー関連の生産集約に向け2017年度末までに整理。幸町工場の新たな活用法を検討する。
これらの施策により,組織のコンパクト化やコスト削減を進めることで収益の安定化,競争力強化を目指す。
>>>三菱重工船舶海洋 / 三菱重工船体
「三菱重工船舶海洋」は,長崎造船所の事業のうち,液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)の運搬船 の営業や建造を担う。社員数は約 500人。ガス運搬船に特化することで連続建造が可能になり,材料や人材の合理化を進める。2015年3月期決算で約750億円だったガス運搬船建造事業 の売上目標を約1000億円とする。
「三菱重工船体」は社員数約170人。同社は,長崎造船所 香焼工場の強みである大型船体ブロックの生産に特化することで,生産規模の拡大,同型ブロックの連続生産,生産合理化投資などを進める。溶接機増設などの 設備投資で生産能力を現在の 1・5倍にし,他社向けの生産割合を約半数に高める計画。ブロック製造事業の売上目標は,2015年3月期決算の約70億円から約100億円に引き上げ。
▼ この記事に関する情報源
⇒⇒ Press Information ⇒ 2015年9月28日
⇒⇒ Press Information ⇒ 2015年7月31日
⇒⇒ Press Information ⇒ 2015年5月8日
- 平成26年度 決算関連資料を掲載致しました。
-
⇒⇒ Press Information ⇒ 2015年2月4日
出典: 三菱重工平成26年度決算概要 https://www.mhi.co.jp/finance/library/result/pdf/h27_05/setsumei.pdf
>>>商船建造は下関,長崎の造船所に集約
三菱重工業は2012年6月,神戸造船所における商船建造から撤退し,商船建造は下関,長崎の造船所に集約した。神戸造船所は潜水艦建造を行っている。
◆ 2013年 三菱重工業 船舶・海洋部門のSWOT分析
出典:三菱重工業 「Annal Report」 36ページ
https://www.mhi.co.jp/finance/library/annual/pdf/annual_2013.pdf
◆ 三菱重工業 交通・輸送部門のSWOT分析
出典:三菱重工 MHI REPORT 2014
品質方針-船舶・海洋事業部
三菱重工業株式会社 船舶・海洋事業部は,お客様の信頼に応える製品・サービスを提供し,広く社会の進歩に貢献するため,次の基本方針を定める。
- 事業部全ての業務プロセス改善により,顧客及び社会の要求事項を満足し,かつ安全で信頼性が高い製品・サービスを提供する。
- 品質マネジメントシステムの改善を継続的に実施し,経営品質の向上に努める。
- 社員一人ひとりが責任を持ち,また自主性と創造性を発揮し,全員参加で品質の向上と事業の発展に努める。
出典:三菱重工ウエブサイト https://www.mhi.co.jp/cats/ship/hinsho/index.html
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