表題は8月25日の朝日新聞社説(全文は最下段のとうり)の題目であるが、ごもっともな指摘である。一部重複投稿もあるが改めて下記に申しあげたい。
NHKは受信料の一律公平負担を金科玉条のように主張しているが、これがNHKの常識だとすれば、「NHKの常識は世間の非常識」だと言いたい。世間では水道、電気、ガスなどの料金は基本的に使用した量に応じて支払う従量制が常識だからである。
人のライフスタイルも多様化し、メディアの種類も増え、NHKテレビを見ている時間は人様々であるのに、テレビ機器を所有しているだけで一律の料金を徴収するのは視聴者には不合理で公平負担ではない。公共料金と同じように観た時間に応じた従量制料金が公平公正な負担なはずである。
その上で訴訟するなど横暴である。受信契約を結びながら料金不払いの人や、契約自由の原則に基づき受信契約締結に応じない人には、NHK放送が見られないようにスクランブルを掛ければ済むはずである。その権利はNHK側にある。
電気・ガス・水道は利用者が使用料金を滞納すればその家庭は供給をストップされると聞いている。ストップされても苦情が出ないのは、需給者間で料金支払いの在り方が社会通念に沿い理に叶っているからであろう。このような在り方が世間の全ての物の売買の基本であり、売買者のいずれかに不満があれば契約自由の原則で取引が成立しないだけである。ところがNHKは契約を強要して受信取引を押しつけ、料金不払い者を裁判に訴えているいるのである。
いずれにしろ、NHKの受信料徴収の基になっている放送法による受信契約の強要は憲法の契約自由の原則に反する、として最高裁で争っている人が居るので、応援しながら見守りたい。
*NHK受信料訴訟、10月弁論=年内にも初の憲法判断―最高裁
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170714-00000108-jij-soci
7/14(金) 18:02配信
仮に最高裁が憲法上合法との判断を下すのであれば、他に売買契約を強制されるものは日本には存在せず、NHKの受信契約だけがどうして強制できるのか、自由主義経済の原則に照らしても合理的な説明が必要であろう。
ところでNHKには経営委員会という組織が有る。そのメンバーはそれなりの有識者で国会の同意を得て首相が任命する様に成っているが、一律徴収と従量制とどちらが公平負担に叶ってるか検討されたことがあるのだろうか。検討されていないとすれば怠慢か、NHKか監督官庁への忖度であろう。また従量制導入により経営を成り立たたせる経営指導ができないのであれば、視聴料から給料が支払われる経営委員会など不用ではなかろうか。
最後にNHKが放送法の真の不偏不党に徹しきれない背景を探ってみよう。放送法第一条二項には次のように規定されている。
*放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
特に放送の不偏不党が遵守されているか否かを観るには、毎時のニュースやニュース解説(今は殆ど無いが)を見聞すれば分かる。私の視聴経験ではNHKは大体自民党と自民党政権よりの忖度放送が多い。最近では集団的自衛権の解釈改憲、森友・加計問題と文科省・財務省の関係、自衛隊の内部文書隠蔽に関する防衛大臣の答弁等に関する放送等は、民放に比べ政権政党に甘い。
政党や政権が憲法や法律や社会正義に反しても批判しないのが不偏不党であるかのように誤解しているように見えるが、法や正義に反していることをしているのであれば、与野党を問わず公正公平に指摘してこそ放送法に規定する真の放送の不偏不党ではなかろうか。以上が当たらずとも遠からずのNHKの実態ではなかろうか。
またメディアの使命として公共放送が権力者のチェック機能を果たさないのであれば、受信料を支払わない契約者が居て当然で有り、まして契約自由の原則に則り契約締結をしない人が居るのは当たり前であろう。受信料不払いや受信契約未締結にはいろいろな言い分が視聴者にあることをNHKは再認識して欲しいものである。
これらを改革するには毎年のNHKの予算成立方法にメスを入れる必要があると思われる。
現在NHKの予算は衆参両院の総務委員会で審議され賛成多数で成立し、新年度の活動がスタートする。当然職員の給与も予算が成立しないことには支払われない。衆参の総務委員会の多数はどこが握るかと言えば衆参両院選挙で多数を制した与党である。従って政府与党の意に沿わない報道をすれば予算成立が妨害され兼ねないわけで、そこに不偏不党に徹しきれない要因が潜んでいる。
よって真の不偏不党を実現するには、NHKの予算成立方法の抜本改革が必要である。
一案であるが、政治に関与する行政府や国会がNHKの予算審議に一切係われない仕組みにして、各界の有識者が視聴者を代表して予算審議して予算の組換え、原案の賛否を決するようにすれば、NHKは政治家や中央省庁の官僚を忖度する必要も無く、報道表現の自由が今より遙かに保障され、名実ともに放送法の真の不偏不党の報道が貫けるようになると思う。
現状のように国会の同意を得て首相が任命する人で構成される経営委員と経営委員会があっては、NHK職員も政府与党の活動を自由に批評できないようにも思われる。まさにNHKの報道表現の自由はがんじがらめに監視されているようにみえる。
以下は8月25日朝日新聞の社説
http://www.asahi.com/articles/DA3S13101520.html?ref=editorial_backnumber
+++
「NHK受信料 徴収策の強化の前に」
NHKが主な収入源である受信料の確保のために知恵を絞るのは当然である。だとしても、「公共放送の役割とは何か」「NHKはどうあるべきか」という根本の議論を抜きにして、自分たちの都合を優先しすぎてはいないか。
NHK会長の諮問機関が、受信料の徴収のあり方についての答申案をまとめた。「公平負担の徹底」をうたい文句に、いま対象世帯の80%にとどまっている徴収率を引き上げる方策などを検討している。
視聴者に不公平感を抱かせない。効率よく受信料を集める。どちらも大切なことだ。だが、電力会社やガス会社にNHKが照会して、受信料契約のない住民の氏名と住所を教えてもらい、契約を求める案内を郵便で送る――という提案には、疑問を抱かざるを得ない。
NHKのために個人情報がそのように使われることを、国民はどう受けとめるか。実施にはきわめて慎重であるべきだ。
答申案は、不払い世帯に割増金を求める考えも示した。こちらはすでにある制度だが、過去に発動された例はない。
この諮問機関はすでに先月、番組のインターネット同時配信が行われた場合、ネットのみの利用者にも「受信料と同程度の負担を求めるのが妥当」とする答申を出している。
二つの動きから浮かび上がるのは、受信料制度とNHKのありようは現状を維持したまま、収入を得る道を確かなものにしようという姿勢だ。
NHKは四つのテレビチャンネルを持ち、4K・8Kの高精細新技術でも業界を主導する。ドキュメンタリーや教養番組、ドラマなど、この夏も優れた番組をたくさん送り出したが、一方で「なぜNHKが国民の受信料を使って放送しなければならないのか」と思わせるようなものも少なからずある。
子会社13社の利益剰余金は15年度末で948億円にのぼり、会計検査院から適切な規模を検証するよう求められた。配当を通じて一部がNHK本体に戻れば、視聴者サービスに還元される可能性が増える。
外部から寄せられる声に耳をすまし、真に視聴者の役に立つ番組やサービスを発展させる。同時に不要な業務を見きわめ、整理・縮小する。そのなかで受信料値下げの可能性を探る。
そうした営みと視聴者に対する丁寧な説明があって初めて、答申案にあるような受信料の徴収方法の見直しにも、理解を得られる道が開けよう。踏むべき手順を間違えてはいけない。
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「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔
NHKは受信料の一律公平負担を金科玉条のように主張しているが、これがNHKの常識だとすれば、「NHKの常識は世間の非常識」だと言いたい。世間では水道、電気、ガスなどの料金は基本的に使用した量に応じて支払う従量制が常識だからである。
人のライフスタイルも多様化し、メディアの種類も増え、NHKテレビを見ている時間は人様々であるのに、テレビ機器を所有しているだけで一律の料金を徴収するのは視聴者には不合理で公平負担ではない。公共料金と同じように観た時間に応じた従量制料金が公平公正な負担なはずである。
その上で訴訟するなど横暴である。受信契約を結びながら料金不払いの人や、契約自由の原則に基づき受信契約締結に応じない人には、NHK放送が見られないようにスクランブルを掛ければ済むはずである。その権利はNHK側にある。
電気・ガス・水道は利用者が使用料金を滞納すればその家庭は供給をストップされると聞いている。ストップされても苦情が出ないのは、需給者間で料金支払いの在り方が社会通念に沿い理に叶っているからであろう。このような在り方が世間の全ての物の売買の基本であり、売買者のいずれかに不満があれば契約自由の原則で取引が成立しないだけである。ところがNHKは契約を強要して受信取引を押しつけ、料金不払い者を裁判に訴えているいるのである。
いずれにしろ、NHKの受信料徴収の基になっている放送法による受信契約の強要は憲法の契約自由の原則に反する、として最高裁で争っている人が居るので、応援しながら見守りたい。
*NHK受信料訴訟、10月弁論=年内にも初の憲法判断―最高裁
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170714-00000108-jij-soci
7/14(金) 18:02配信
仮に最高裁が憲法上合法との判断を下すのであれば、他に売買契約を強制されるものは日本には存在せず、NHKの受信契約だけがどうして強制できるのか、自由主義経済の原則に照らしても合理的な説明が必要であろう。
ところでNHKには経営委員会という組織が有る。そのメンバーはそれなりの有識者で国会の同意を得て首相が任命する様に成っているが、一律徴収と従量制とどちらが公平負担に叶ってるか検討されたことがあるのだろうか。検討されていないとすれば怠慢か、NHKか監督官庁への忖度であろう。また従量制導入により経営を成り立たたせる経営指導ができないのであれば、視聴料から給料が支払われる経営委員会など不用ではなかろうか。
最後にNHKが放送法の真の不偏不党に徹しきれない背景を探ってみよう。放送法第一条二項には次のように規定されている。
*放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
特に放送の不偏不党が遵守されているか否かを観るには、毎時のニュースやニュース解説(今は殆ど無いが)を見聞すれば分かる。私の視聴経験ではNHKは大体自民党と自民党政権よりの忖度放送が多い。最近では集団的自衛権の解釈改憲、森友・加計問題と文科省・財務省の関係、自衛隊の内部文書隠蔽に関する防衛大臣の答弁等に関する放送等は、民放に比べ政権政党に甘い。
政党や政権が憲法や法律や社会正義に反しても批判しないのが不偏不党であるかのように誤解しているように見えるが、法や正義に反していることをしているのであれば、与野党を問わず公正公平に指摘してこそ放送法に規定する真の放送の不偏不党ではなかろうか。以上が当たらずとも遠からずのNHKの実態ではなかろうか。
またメディアの使命として公共放送が権力者のチェック機能を果たさないのであれば、受信料を支払わない契約者が居て当然で有り、まして契約自由の原則に則り契約締結をしない人が居るのは当たり前であろう。受信料不払いや受信契約未締結にはいろいろな言い分が視聴者にあることをNHKは再認識して欲しいものである。
これらを改革するには毎年のNHKの予算成立方法にメスを入れる必要があると思われる。
現在NHKの予算は衆参両院の総務委員会で審議され賛成多数で成立し、新年度の活動がスタートする。当然職員の給与も予算が成立しないことには支払われない。衆参の総務委員会の多数はどこが握るかと言えば衆参両院選挙で多数を制した与党である。従って政府与党の意に沿わない報道をすれば予算成立が妨害され兼ねないわけで、そこに不偏不党に徹しきれない要因が潜んでいる。
よって真の不偏不党を実現するには、NHKの予算成立方法の抜本改革が必要である。
一案であるが、政治に関与する行政府や国会がNHKの予算審議に一切係われない仕組みにして、各界の有識者が視聴者を代表して予算審議して予算の組換え、原案の賛否を決するようにすれば、NHKは政治家や中央省庁の官僚を忖度する必要も無く、報道表現の自由が今より遙かに保障され、名実ともに放送法の真の不偏不党の報道が貫けるようになると思う。
現状のように国会の同意を得て首相が任命する人で構成される経営委員と経営委員会があっては、NHK職員も政府与党の活動を自由に批評できないようにも思われる。まさにNHKの報道表現の自由はがんじがらめに監視されているようにみえる。
以下は8月25日朝日新聞の社説
http://www.asahi.com/articles/DA3S13101520.html?ref=editorial_backnumber
+++
「NHK受信料 徴収策の強化の前に」
NHKが主な収入源である受信料の確保のために知恵を絞るのは当然である。だとしても、「公共放送の役割とは何か」「NHKはどうあるべきか」という根本の議論を抜きにして、自分たちの都合を優先しすぎてはいないか。
NHK会長の諮問機関が、受信料の徴収のあり方についての答申案をまとめた。「公平負担の徹底」をうたい文句に、いま対象世帯の80%にとどまっている徴収率を引き上げる方策などを検討している。
視聴者に不公平感を抱かせない。効率よく受信料を集める。どちらも大切なことだ。だが、電力会社やガス会社にNHKが照会して、受信料契約のない住民の氏名と住所を教えてもらい、契約を求める案内を郵便で送る――という提案には、疑問を抱かざるを得ない。
NHKのために個人情報がそのように使われることを、国民はどう受けとめるか。実施にはきわめて慎重であるべきだ。
答申案は、不払い世帯に割増金を求める考えも示した。こちらはすでにある制度だが、過去に発動された例はない。
この諮問機関はすでに先月、番組のインターネット同時配信が行われた場合、ネットのみの利用者にも「受信料と同程度の負担を求めるのが妥当」とする答申を出している。
二つの動きから浮かび上がるのは、受信料制度とNHKのありようは現状を維持したまま、収入を得る道を確かなものにしようという姿勢だ。
NHKは四つのテレビチャンネルを持ち、4K・8Kの高精細新技術でも業界を主導する。ドキュメンタリーや教養番組、ドラマなど、この夏も優れた番組をたくさん送り出したが、一方で「なぜNHKが国民の受信料を使って放送しなければならないのか」と思わせるようなものも少なからずある。
子会社13社の利益剰余金は15年度末で948億円にのぼり、会計検査院から適切な規模を検証するよう求められた。配当を通じて一部がNHK本体に戻れば、視聴者サービスに還元される可能性が増える。
外部から寄せられる声に耳をすまし、真に視聴者の役に立つ番組やサービスを発展させる。同時に不要な業務を見きわめ、整理・縮小する。そのなかで受信料値下げの可能性を探る。
そうした営みと視聴者に対する丁寧な説明があって初めて、答申案にあるような受信料の徴収方法の見直しにも、理解を得られる道が開けよう。踏むべき手順を間違えてはいけない。
+++
「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔
