10月26日朝日新聞及び朝日デジタルで「NHK受信料契約は合憲か否か」についての問題を取り上げている。
「NHK受信料契約は合憲か、契約の自由か 最高裁で弁論」
http://www.asahi.com/articles/ASKBT4T3RKBTUTIL02K.html
『家にテレビがあったら、NHKの受信料を支払わなければいけないか。受信料契約を定めた放送法の規定が憲法の保障する契約の自由に反するかが争われた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は25日、原告のNHKと、受信料を支払っていない被告男性の意見を聞く弁論を開いた。最高裁は年内にも、受信料を巡る初めての判断を示す。
NHK受信料訴訟、支払い義務づけは合憲 法相が意見書
受信料の支払い義務は放送法では明文化されておらず、総務相の認可を得た規約で定めている。NHKは同法の「受信設備を設置したらNHKと契約しなければならない」という規定を根拠に受信料を徴収している。
裁判では、NHKが自宅にテレビがあるのに契約をしていない東京都の男性に支払いを求めている。この日の弁論で、男性側は「規定は努力義務を定めており、強制力はない。契約の強制は契約の自由に対する重大な侵害だ」として違憲と主張。規定が合憲だとしても、支払い義務が生じるのは契約成立時からだと訴えた。
一方、NHK側は「放送文化の発展や放送インフラ基盤の充実など社会的役割を果たしている。規定には必要性と合理性があり、合憲だ」と主張。契約は相手に締結を求めれば成立し、受信料を請求できると反論した。裁判では、法相も規定を「合憲」とする意見書を最高裁に提出。寺田裁判長は弁論で「参考資料として取り扱う」と述べた。
一、二審判決は、NHKが災害報道で果たす役割などを踏まえ、規定は「公共の福祉に適合する」として合憲と判断。個別の契約はNHKが裁判を起こし、勝訴が確定した際に成立し、テレビ設置時にさかのぼり受信料が請求できるとした。(岡本玄)』
実は朝日新聞は8月25日の社説でも同じ主旨のことを論じている。
8月25日朝日新聞の社説「NHK受信料 徴収策の強化の前に」
http://www.asahi.com/articles/DA3S13101520.html?ref=editorial_backnumber
『NHKが主な収入源である受信料の確保のために知恵を絞るのは当然である。だとしても、「公共放送の役割とは何か」「NHKはどうあるべきか」という根本の議論を抜きにして、自分たちの都合を優先しすぎてはいないか。・・・(以下略)』
これは非常に重要な問題で、いよいよ最高裁大法廷で弁論が始まったので、8月25日の社説についての弊投稿を下記にリピートしておきたい。
「NHK受信料 徴収策の強化の前に(朝日新聞社説)に加えて」
http://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/67ee986cad3ac6241256871bb386079e
『表題は8月25日の朝日新聞社説の題目であるが、ごもっともな指摘である。・・・NHKは受信料の一律公平負担を金科玉条のように主張しているが、これがNHKの常識だとすれば、世間の非常識だと言いたい。世間では水道、電気、ガスなどの公共料金は基本的に使用した量に応じて支払う従量制が常識だからである。
人のライフスタイルも多様化し、メディアの種類も増え、NHKテレビを見ている時間は人様々であるのに、テレビ機器を所有しているだけで一律の料金を徴収するのは視聴者には不合理で公平負担ではない、公共料金と同じように観た時間に応じた従量制料金が公平公正な負担なはずである。
その上で訴訟するなど横暴である。受信契約を結びながら料金不払いの人や、契約自由の原則に基づき受信契約締結に応じない人にはNHK放送が見れないようにスクランブルを掛ければ済むはずである。・・・(以下略)』
一つ追記しておきたいのは、受信料にはNHKが下記放送法第一条二項の規定を遵守する対価も含まれており、NHKが現在の偏向不公正な報道姿勢のままでは受信料契約はしたくないと思っている視聴者も多いということである。
一方NHKは最近災害報道が公共の福祉に寄与していることをアピールしているが、これは東北大震災後のことで有り、公共放送であれば当然で、むしろ遅きに失した、後付の理由と言うべきであろう。
*放送法第一条二項
放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔