老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

7月29日,30日のコロナ関連記事

2021-07-31 14:00:49 | 社会問題
○英国:制限を緩和後の一週間で15%以上の感染者数増が見られたとの調査結果が出る。
 健康省の毎日行っている検査データをもとにした感染者数動向と、国家統計局が行う調査をもとにした感染者数動向に、乖離が見られるようで、市民からランダムに抽出したデータに基づく後者の結果の方が信頼性が高いようだ。
○キプロス:12歳以上の子供に接種を開始。
○WHO:ようやく手にしたものが、デルタ株拡大で危機へ。Ghebreyesus氏は世界の諸地域で最近の4週間で感染が80%以上増加している、と声明。アフリカ(接種率1.5%)の死者数は同期間で80%の増大がみられる。
○イスラエル:接種ワクチンの効果の減少を再度賦活するブースター効果を狙って、60歳以上の人に三回目の接種を開始。
○オーストラリア:首相は国境開放を行う前に成人の80%が接種を終えていることを要望。
 現在成人の18%が接種済み。感染者数は34000人を超える所、死者は1000人弱。先進国の中では良い状況。国境封鎖をパンデミックの始まり頃から行ってきている事が要因。
○インド:ドーハを訪問した市民に隔離義務化。8月2日から発効。
○フィリピン:現在施行中のパキスタン、インド他8カ国への渡航禁止を8月15日まで延長。
○インドネシア:新規感染者49000人以上と、新たな”エピセンター“化している。
○グーグル:パキスタン・タイ・マレイシア・ベトナム・フィリピンのパンデミック対策の為に750万ドルを供与とUNICEFを通じて発表。
○南京:南京で最近発生した感染者を調査した結果を市の防疫センターが発表。それによると感染初期の患者は、南京Lukou国際空港の従業員で、ロシアから到着した飛行機を清掃していた。52人の遺伝子配列を検査したところ全てデルタ株に起因の感染であること、そして同飛行機で到着の感染者と同一だったということが判明。
○タイ:政府のパンデミック対応が批判されている中、政府が“偽情報の流布”禁止の布告。
○シドニー:ロックダウン監視強化で軍出動。
○WHO:変異株デルタが中東地域の感染急増を招いている。ワクチン接種率は低く、感染者・入院患者の大半は未接種者である。
○グアテマラ:ロシアのワクチンの2回目の注文をキャンセル。注文分の出荷遅れが原因。
 他のワクチンサプライヤーとの交渉に入る。
○スリランカ:コロナ感染防止ルールを違反したとして3人のクリケット選手を処分。
 2名を2年間の出場禁止処分。1名を18カ月の処分。
○LinkedIn:マイクロソフトのプロフェッショナルSNSが方針変更。昨年10月の方針ではパンデミック解除後には50%の事務所内勤務を想定していたが、新たな方針は100%リモートオフィースと部分的事務所勤務を含むリモートかを選択できるとしている。
 世界に16000人以上の従業員がいる。
○WHO:COVID-19は若者に長期にわたる影響を与える可能性があるとしている。
○Emirates:パキスタン・インド・バングラデシュ・スリランカからDubai向けの飛行停止を8月7日まで延長。
○英国自動車メーカー:国営アプリ(National Health Service)で特定され自宅待機を要請されている労働者が、メーカーによっては全従業員の30%までに達している。いわゆるPindemicが英国自動車メーカーを直撃している。先月の生産台数は1953年以降で最低の69,079台を記録している。半導体チップの供給難の問題もあるようだ。
○ドイツ:今週末からすべての旅行者はワクチン接種済みか、過去のコロナ感染歴か、検査陰性かの免疫を証明する書類の提示が必要になる。休暇シーズンによる流行の波を抑制することを狙っての方策。
○日本はCOVIDをコントロール出来ているか?いよいよ世界から疑問符(?)を打たれはじめたようです。
○インド:南部の州Keralaが2日間のロックダウンを宣言。政府はホットスポット(検査陽性率が現在最高値である)のKerala州に専門家を派遣し拡大防止を図る。
○セネガル:病院関係者によると、セネガルの病院は1次と2次の流行の波は上手く対応して乗り切ってきたが、その対応で伸びきった状態になっており、現在の第3波をかわせるかどうかで懸念があるとしている。
○タイ:バンコクと周辺地域の病院で、患者の急増によりベッドが逼迫してきている、と保健当局が声明。直近の感染者数は17669人、死者は165人。死者の内の21人は自宅で死亡。
○オマーン:夜10時から明け方4時までのロックダウンを延長。
○東京:3日連続で最大感染者数を更新している事態に、政府当局は警鐘を鳴らしている。
 東京は今日(木)3865人。昨日は3177人だった。東京以外でも感染者数の急増が見られている。
○カンボジア:タイとの国境地帯をロックダウンへ。外出の禁止・複数名の集まりの禁止・商売すること禁止。但し航空業務員はのぞく。8月12日までの予定。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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小規模農業が食糧供給システムの今後を決める

2021-07-30 12:32:41 | 社会問題
小さな土地を耕す民が、持続可能な食糧環境を形成していく上で決定的な役割を果たすだろう。それには多くの投資が求められる、とElba氏(農業開発国際基金国連親善大使)は記している。
(DeutscheWelle、2021年7月25日)

2年前、夫Idrisと私はシエラレオネ(アフリカ西部、大西洋を望む共和制国)を旅し、驚くべき人々と出会った。市民戦争とEBOLAを生きのび、そして熱心に生活を続ける田園の人々だ。生来の楽天気質を体全体から発散し、将来を明るく見ている。当時は当然パンデミックが身近に迫っているとの思いはなかった。

だがCOVID-19がアフリカ大陸を覆う以前から、アフリカ諸国は数カ月にわたる厳しい困難に直面していた。ジンバブエを含む南部アフリカ一帯の諸国は、数十年に一回あるかどうかの最悪の日照りに見舞われていた。一方東部アフリカでは、70年来で一番のイナゴの被害に会い穀物は壊滅していた。貧困と食糧不足の危機が増幅されていた。

シエラレオネへの訪問は何かを教えてくれていた。即ち彼らが精神的に回復力・反発力を持っている、ということ。戦争があろうが、天災があろうが、驚異のウイルスがあろうが、人々は適切な支援さえあれば、どんなことからでも立ち上がれる、という事を。

私が農業の持つ力を学んだのはそんな旅の最中だった。農業が如何に共同体の軸になるか、農業が如何に経済と社会の発展を促進するか。

もし女性や若者達に活力を与えたいのであれば、そして真にわれわれの大地と地球を大切に思うのであれば、やるべきことはわれわれの周りにいる、種を大地に蒔く小さな自作農の人たちを大切にすることだ、と学んだのはシエラレオネにいた時だった。

「規模は小さいが影響力はでかい」

小規模農業は世界の食糧安全保障に莫大な貢献をしている。世界需要量の少なくとも30%分が生産されている。サハラ以南のアフリカ大陸では、小規模農業が食糧生産の80%となり、さらに重要な貢献をしている。地球規模で言うと、ほぼ5億戸の小規模農家が20億人以上の食を支えている。

小規模農家は地形状況が同じであれば、大規模農家よりも実際に収穫割合が大きい。小規模農家はまた、より大きな生物多様性(栽培穀物だけでなく農場の外延に沿って昆虫や動物の生態系)を持っている。 

いまだに多くの小規模農家は気候的に脆弱なホットスポットのなかで生活している。気候変動の打撃に適切に適応できるよう支援されなければ、彼らの田園の共同体と世界の食糧システムとの双方に破滅的な打撃が加えられることになるだろう。

耕作に適した土地の崩壊、天然資源の崩壊と生物多様性の崩壊により、収穫量の低下が起こっている。また増大する人口を養う必要性もある。小規模農業は収穫量の低下や人口増という背景があるにも関わらずに、生産量を増大させる必要を求められるという困難な問題に直面している。

引き続く世界の気温上昇が、食糧収穫高を25%以上低下させる。一方更にしばしば起こる極端な気象事態が農家の土地に、生計に、食糧安全保障上に壊滅的な作用を及ぼす。

われわれは、彼らが気象緊急事態と取り組めるように、そしてアフリカの長期と短期の安定と発展を保証できるように 田園の女性と若者の適応能力を高める必要がある。

「将来への投資」

的確な支援のもとで、アフリカは世界を扶養する能力を持っている。アフリカ農業の進歩は印象的であった。過去30年で収穫量は160%の増収。世界平均の100%をはるかに超えている。

しかも改善の余地はまだまだ大きい。気候保険(Climate Finance)の1.7%だけが小規模農家に振り向けられている。これは農家の実践と食糧チェインの両方に大きな弾力性を作っていくのに必要な数十億ドルのごく一部分である。

安全安心な食糧システム無しでは、また穀物の生物多様性や受粉システムがなければ、我々は食糧欠乏・不足に見舞われる。

今年、ドイツ、UKや他の政府は、農業開発国際基金(The International Fund For Agricultural Development, IFAD)を通じて持続可能な農業への基金を増額することで、更なる飢饉危機の防止が図られる可能性がある。15.5億ドルを用いて、IFADは2030年までにその役割を倍加出来る。そしてもっと多くの田園の共同体をパンデミックから回復させ、彼らの生活の再建を図る助けになるだろう。

諸国家が直ちに行動し、気候基金を拡大し、小規模農家に焦点を当てた食糧の安全保障を拡大していけば、彼らは農場に投資し将来の食糧に投資するだろう。行動を起こさなければ、われわれは数年先にもっともっと頻繁に飢饉・危機に見舞われることになるだろう。

ふとこの記事を読んでグラミン銀行のユヌスさんのことを思い出しました。マイクロビジネス・マイクロファイナンス・ソーシァルビジネスのこと、ユヌスさんの現在等々、気になって調べ始めています。

一戸一戸の単位から社会を組み立てて見ていく視点の大切さ面白さを思い出させてくれました。一戸用の風力発電、一戸用の水力発電、一戸用の太陽光発電、一戸用のバイオマス発電‐‐‐。大手の企業が不得手とする分野。そこに市民にとっては広大なビジネスチャンスが埋蔵されていると常々空想しているのですが。介護士さんの力を10-20%アシストする補助器具等の開発も延長線上にありそうです。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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アメリカの占領が継続している日本

2021-07-30 09:57:47 | アメリカ
戦後史を検証していると、様々な疑問が出てくる日本の現在である。その疑問の多くは日米関係の問題に収れんされると言っても過言ではないだろう。特に、米軍基地が日本の各地に張り巡らされている。沖縄では米軍基地が本土よりも断然多く、それでも不足しているらしく、現在は辺野古への移設工事が進んでいる。

こうした、多年に渡る疑問と「謎」に終止符を打つ著書に出会うことになった。矢部宏治著「知ってはいけない」全2巻である。

矢部氏によると、日本の現状は、実際にはアメリカの「占領」が継続されていると言う。その顕著な事例が、米軍の飛行機(戦闘機のこと)は日本本土と沖縄の上空を「自由に」飛行できるし、アメリカ本国では禁止されている「低空飛行」が許されているということ。そして、その「自由な飛行」などの法的な根拠は、安全保障条約とそれに基づく「日米地位協定」にあるという。

それだけではない。「密約」という非公式の取り決めに、日米関係の不均衡な国家関係の「謎」が集約されているという。

◎「日米関係の密約とは何か」

安全保障条約は、二回の改正を受けて、現在は新安全保障条約と言われるものになっている。しかし、矢部氏によれば、旧安全保障条約と新安全保障条約では条約の規定内容が異なっているが、実際上は「全く変わっていない」のだと言う。

その具体的内容は次のようになっているとされる。矢部氏の著書、72ページを引用する。(「知ってはいけない」1,講談社現代新書)

★安保法体系の構造
(この構造は1960年の安保改定後も少し条文上の表現を変えただけで、新安保条約+地位協定+日米合同委員会という三重構造の中に受け継がれています。)

旧安保条約 「アメリカは米軍を日本に配備する権利をもつ」
      「その配備の内容は、行政協定で決定する」

→★行政協定 
  「日本は安保条約・第1条の遂行に必要な基地を提供する。具体的な内容は日米合同委員会で定める。」
  「アメリカは米軍基地の中で絶対的な権力をもつ。米軍基地の外でも必要な権力をもつ。具体的には日米合同委員会で協議する。」
  「すべての具体的な協議は日米合同委員会でおこなう」

→★日米合同委員会 
  「日米合同委員会の議事録や合意文書は、原則として公表しない」
  「日米合同委員会で決定した日米合意は、日本の国会での承認を必要としない」(安保改定交渉の中での秘密合意 1959年4月)

以上の内容が矢部氏の著書からの引用ですが、この安保条約(新安保条約も旧安保条約と基本的に変わっていないと、矢部氏は強調する)の概略から分かることは、日米関係の重要な取り決めは、政府と政府が決めているのではなく、「日米合同委員会」という米軍の要人と日本の高級官僚が、秘密の合意、つまり「密約」で決めているということであり、これがキーポイントである。その意味は、後段にある「国会の承認」を必要としない、と定めていることから明らかです。

ここから、次のことが帰結されます。

第一に、安保条約と「密約」(法的な根拠は、日米地位協定です)があることで、日米関係は、日本の国内法の上位に位置づけされている、ということ。つまり、憲法や刑法などは安保条約の下位にあり、言ってみれば、米軍は「治外法権」の法的な扱いになっており、米軍の行動は日本の裁判所の裁判を原則として受けません。

ここから様々な問題が起きています。米兵の殺人行為などはともかく、交通事故などは日本の裁判の対象となっていません。(殺人でも、実際には日本の裁判が事実上存在しているかは疑問な事件もありました。ジェラード事件、参照)

第二に、日米合同委員会の密約で、すべてが決められるということなら、安保条約があっても、政府間の交渉は存在していないも同然であり、特に以前の国会でも大騒ぎになった「核密約」つまり、アメリカの原子力潜水艦の核兵器の持ち込みなどは、日本政府が言う「米軍の核の持ち込みはなかった」という公表は虚偽であると矢部氏は強調しています。なぜなら、アメリカは、日本との密約を情報として「公開」しているからです。

結論として、日米関係は安保条約で規定されている、というのは表面的な事柄なのであり、実際には米軍のトップと日本のエリート官僚(外務省の高官)が密約で決めていて、日本政府とアメリカ政府の「合意」で決まるわけではないということです。

ここから様々な問題が発生します。米軍が決めた取り決めが優位に立ち、アメリカの行動に日本の官僚も「協議」が条件となっていない事柄は口出しできないとなっており、沖縄上空ばかりか、本土でも非常に危険な「低空飛行」とかは、「野放し」状態であるということになります。

次回は、何故、こうした取り決めが「密約」で決まってしまうのか。改めて、岸信介元首相とアメリカ政府の最初の「密約」に触れたいと思っています。その問題が、現在の日米関係の「初期条件」となったからです。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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7月27日,28日のコロナ関連記事

2021-07-29 13:29:47 | 社会問題
○グーグル:大半の従業員の職場へ戻る時期を当初の9月1日から10月18日へ延期、とPichai CEOが13万人以上の従業員へ連絡。
○英国:接種者であれば米国から、またはEUからの旅行者の隔離義務を撤廃と発表。但しフランスは除外。8月2日、4AMから発効。
○英国:外務担当官が、世界のワクチン接種促進を訴え、英国が供給していくことを言明。
 貧困国への供与運動に英国は加わっていくが、可能な他国の協力参加がなければ、世界が妥当な接種率に到達するのは2024年以降になる恐れがある。協力があれば2022年の半ばにも目標が達成される可能性がある、とRaab氏が言明している。
 供与の20%は直接該当国に、80%はCOVAX経由で、を予定。
○WHO:世界のコロナ死者が先週21%上昇。
○東京:3177人の新規感染者。病院に逼迫圧力を高めている。感染増は大会自体への懸念も高めている。日本全体では初めて9000人を超える。
○タンザニア:ワクチン接種を開始。
○東京:大会競技者の精神状態に警鐘。自国の応援と期待を背に、東京で家族や友人から隔離した状況で、しかもパンデミックの中にいる選手たちに精神的な問題が起こっているようだ。火曜日体操チームから離脱したBiles選手は、肩にあたかも世界が乗っかっていたような感じだったという。その重みはパンデミックで引き起こされた年来の悲しみ・喪失感・制約等によって増幅・悪化されてきていたようだ。
○パキスタン:Sindh州政府はカラチの全政府系病院に換気装置(32)酸素付きベッド(40)110床のHDU(High Dependency Unit)ベッドを増やすことを決定。
○中国:吸入型のワクチン候補を開発中のCan Sino Biologics社は重篤な副反応無しに免疫応答を引き起こしている、という初期の研究結果を公表。The Lancet Infectious Diseases誌に発表。
○タイ:ボランティアがバンコクDon Muang飛行場の倉庫をベッド数1800床の病院へと模様替え。重篤症状以外の患者用のレベル1+の病院。
○ノルウェー:ロックダウン解除を再度延期。
○ミャンマー:ミャンマー当局はコロナとの戦いの助けを国際社会に求めている。
 2月の軍による政権奪取以来混乱するなか、多くの病院は乏しい医療設備と医療従事者の軍政への抗議罷業等で混乱している。東南アジア諸国連合(The Asssociation Of Southeast Asian Nations)に設立されたコロナ対策基金から資金援助を求める予定とHlaingリーダーはいっている。
○東京:陽性で隔離中のオリンピックのスケボー選手がホテルの環境を非人道的と発言。
 窓が開かない部屋に隔離中(8日間)で、監督者の監視のもと短時間、新鮮な空気の環境が許されると、Instagramのビデオメッセージで発表している。
○ドイツ:国民の半数以上が接種済みと、健康相Spahn氏が声明。
○トルコ:新規感染者19761人。5月初め以降で最高。前日の16809人を抜く。ここ3週間ほどの増大は著しく7月4日は4418人だった。全てのコロナ対策の制限を解除していた。人口は8530万人。累積感染者は563万8178人。累積死者は5万1048人。
○UK:新規感染者23,511人、7日連続して前日を下回る。陽性が判明して28日以内の死者数は131人となり3月以降で最大を記録。
○ロシア:SputnikとAstra-Zenecaとの組み合わせ接種の試験を承認。
○伊:2月以降の死者のほぼ99%が完全なワクチン接種者でなかった、と国立健康研究所(The National Health Institute:ISS)が発表。接種済み者と完全には接種されていなかったコロナ死亡者の平均年齢にも差がある、とし接種済み者の88.6歳に対して不完全者は80歳。また感染前の健康状態も重要は要因になるとしている。
○サウジアラビア:ブラックリスト国へ渡行した住民に帰国後3年の出国禁止を課すと警告。
○パキスタン:Sindh州の新規感染者数が2517人。2020年6月30日の2701人以来で最高。
○国連:ブースター用ワクチン生産を要請。
○ベトナム:新規感染者7913人。7911人は国内感染、2人は海外からの感染。
 累積感染者数は114,260人。累積死者数は524人。
○アイルランド:ワクチン接種計画に12歳から15歳も含めることに。
○米国:これからの6週間以内に感染者数が日に20万人になるだろうと、先のCDC代表が声明。
○EU:EU代表のLeyen氏はブロック内の成人の70%が少なくとも1回の接種済みになるだろうと声明。完全な接種者は18歳以上で57%とも発表。デルタ株の感染拡大の危険性も警告している。
○東京:新規感染者が2848人へ。パンデミック発生以来最高数。都は病院にベッド数の増床を要請し、デルタ株の拡大に備えるとしている。
 感染増により、菅氏の支持率は更に低下し、最低レベルを記録。これは氏のデタラメなパンデミック対応に主に大きく影響されている。
 多くの市民は、選手と大会関係者が流入したことで感染拡大に輪がかかる恐れがあるとし、オリンピックに疑念を持っている。
○フィリピン:新規感染者7186人。ここ6週間で最高。Duterte大統領は現状の悪化が続く場合には厳格な制限を課すだろうと月曜日に警告している。研究者たちはデルタ株に対処を強めていかないと日に8000人から10,000人の感染が起こるだろうとしている。
○タイ:感染者数拡大につれて、タイはボランティアへの依存を強める。
○パキスタン:カラチの病院ではコロナ感染増により、外来診療と手術の停止を予定。医師、技師、看護師や救急医療従事者等の医療関係者に感染が広がってきていることからの止むを得ずの対応だろう。医療崩壊の始まりか。
○オーストラリア:デルタ株拡大が抑えられていることから、オーストラリア第二の都市メルボルンはロックダウンを解除。隣接のサウスオーストラリア州は不用の外出を控える制限を緩和する方向。一方最大都市のシドニーは5週目になるロックダウンを継続の予定。メルボルンと隣接のビクトリア州の住民は5回目のロックダウン(2週間)から解放されることになる。
○米国:退役軍人省(The US Department Of Vetarans Affairs:VA)はVAの10万人以上の健康担当者に接種を要請と発表。カリフォルニアとニューヨーク両市が市職員に接種要請しているのに次いで、最初に接種要請した連邦政府機関となる。Biden政権は当初このような動きに否定的であったが、現在デルタ株拡大に直面している。
○コロナ研究者:ウイルス及び感染症の専門家らは変異株デルタが最も早く広まり、最も人間に適応し、最も手ごわい相手であるとしている。ワクチンを完全に接種すればデルタ株に対しても重症化が避けられる可能性が高まるとし、未接種者又は不十分な人には大きい危険が残るとしている。
○韓国:55歳から59歳への接種を始めている。今月初めにワクチンの輸入減衰と予約ウェブサイトの混乱で、この年齢層に対して一時中断していた。
○シンガポール:9月初めには人口の80%近くまでワクチン接種済みが増える見込み。
 現在は約54%がBioNTech-PfizerまたはModernaワクチンを2回接種済み。
○マレーシア:7か月の休会の後、議会が月曜から再開。緊急事態状態を8月1日以降まで延長する考えはないと政府は表明。
○ネパール:カトマンズ渓谷に課せられているロックダウンを更に10日間延長と政府発表。
○バングラデシュ:現在厳しいロックダウン中だが、感染者数と死者数の高止まりが続く。
○ブラジル:Sinopharmワクチンを緊急時使用限定で承認。現在Sinovac BiotechのCoronavacは使用中。
○南アフリカ:第三派の流行が峠を越してきたことでロックダウン制限を緩和の方向。
 前週に比して20%の感染者数ダウンがあり、経済に及ぼす影響を考えての緩和方針。
○ガーナ:Akufo-Addo大統領は9月末までには少なくとも1800万回分のワクチンを希望すると発言。西アフリカ一帯での感染増を懸念しての発言。現在第3派に見舞われており、デルタ株主導になってきている、としている。J&Jワクチン1700万回分を注文中、
 100万回分のBioNTech-Pfizerを米国から供給受ける予定という。

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オリンピックでも埋まらない日韓の溝

2021-07-28 12:57:28 | 安全・外交
ソウルは開会式を傷ついた両国関係の修復の機会と、希望していた。だが双方の不適切発言や歴史認識の不一致から叶わなかった。  (DeutscheWelle、2021年7月21日)

日本と韓国がオリンピックを利用して首脳会談を行い新たな両国関係を築くことが期待されていたが、韓国の文大統領の開会式不参加発表で実現できなくなった。

北東アジアに位置する2カ国は双方の歴史認識(ことに1910年から1945年の朝鮮半島を日本が占有していた期間)で長いこと争ってきている。更に2017年の文大統領就任以来、悪化が強まっていた。

強制労働と慰安婦に関する一連の法的訴訟で、双方に高まった愛国意識が妥協の余地がないまでに更に強化され、双方の溝は深まってしまっている。

この深い溝の存在は、両国を北東アジア地域の安全保障上重要な要素と考えるワシントンにとっては具合の悪いことで、1月に政権に就いたBiden大統領は文大統領と菅首相双方に圧力をかけ、双方の差異を棚上げして協力して、挑戦性を高める中国及び理解しがたい上に核戦力を高める北朝鮮とに対峙するよう求めている。

「日本から熱意に欠ける返答」

もし日本側が同意するならば、文大統領が東京におもむき首脳会談で諸問題に解決の道を模索したい旨の打診を韓国側が行って来ていた。日本の反応はしかし不熱心なものであった。

“Biden政権はソウルと東京双方が地政学的関心事に優先的に取り組むよう介入して来ていた”とソウルのEwha女子大教授のEasley氏は指摘している。“オリンピックの機会を確執に暮れる両国は融和のチャンスにすべきだった。そうはならずに、韓日関係は引き続き起こった問題で悪化してしまった”。

“文政権は首脳会談の機会に、歴史認識問題を切り離した上で現在の貿易問題及び安全保障問題を協調して対処していくよう希望していた”とEasley氏はいっている。“しかし菅政権は韓国が先ず戦時補償についての韓国内裁判所の見解を取り上げることが、両国関係の修復の前提になる“としている。

歴史に残る悪行に対する賠償問題についての韓国裁判所の問題は、菅政権にとっては前に進む障害となる砂上に描かれた一本の線であり、その線を消す努力は韓国側にあると、日本側は考えているとEasley氏は説明する。

“これらの見解の相違から一連の外交上の侮礼侮辱が起こり、文‐菅会談がオリンピック時に開催できなかった”とEasley氏は指摘する。

「下劣な言動と最終判断」

ソウルの最終判断の根拠は、ソウルの日本大使館公使から発せられた外交上非常に深刻な発言であったように見える。

先週の韓国報道陣との昼食会で相馬公使は、日本がオリンピック準備に追われている最中、また更にパンデミック対応で忙しい最中に、文大統領が日本との関係改善を願う行動は“自淫・オナニー”だと言ってしまった。

ソウルは公式に抗議し、日本政府は相馬公使の発言に対し更迭を声明。だが打撃は大きく、青瓦台は月曜に文大統領の東京訪問がないことを表明し、相馬氏の発言が外交上の障害になると非難した。韓国メディアはソウルのオリーブの枝運動への日本の関心の無さを強く非難している。

「歴史を真正面から直視を」

韓国タイムス(The Korea Times)は社説で日本が歴史を正面から直視し、韓国との信頼関係構築に真剣に努力するように要求した。

日本のメディアは文大統領の日本訪問の取りやめを報道するだけで、オリンピックとパンデミック報道に焦点を当てている。

“菅氏は大会の成功に執着している。これは日本がホスト国という事情だけでなく選挙を今年末に控えて大会が成功裏に進めば世論を味方につけることが可能となるだろうとの期待からの執着である”と村上氏(テンプル大、東京キャンパス政治科学教授)は言う。

“日本にとっては優先すべきは国内問題であり、ソウルからの圧力で韓国との間の不一致問題に譲歩するような姿を見せることは日本の大衆の支持を得ることにはならない”と村上氏はいう。

菅氏が、文大統領は来春に交代するとの予測をしている事も理由だろうと、村上氏は言う。“日本の国民大衆は、次期大統領が誰になろうとも現在よりは話し合いが容易になるだろうことを期待して待ちの姿勢を選んでいる”とも説明している。

「戦略的我慢」

Easley氏も同調して、両国関係を今は冷却し来年新たなスタートが切れることを期待して日本は戦略的に我慢をしている、としている。

“文大統領は日本との妥協策を模索しているが、この問題の自国内政治状況を進展させることが出来ておらず、東京は日本の選挙後まで待ち、その後、韓国の後継者との交渉に入りたいと考えている”とEasley氏はいう。

状況は完全なる悲観状態でもなく、両政府が共有する関心事について議論をすることは可能である、とEasley氏は付け加えて言う。

“韓国と日本の関係は厳しい緊張状態にはあるが、修復できないほどにはダメージを負っていない。米国を交えての3カ国会議をふくむ協議を繰り返すことである”とEasley氏は強調する。

火曜に東京とソウルは裂け目の原因となった問題を解決する努力を継続する旨同意した。両国の主席外交官同士が水曜に米国の担当者をも交えて東京で会合の予定。地域及び世界の諸問題に関し話し合う。

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7月23日,24日,25日,26日のコロナ関連記事

2021-07-27 16:31:23 | 社会問題
○米国:EUから緩和の要請があるも、米国は海外からの入国に対する制限を延長。国内ならびに海外のデルタ株感染状況を勘案して。
○UK:感染者数の減少傾向から見て、現在の流行はピークを過ぎたと思われる、と声明。
○世界銀行:COVAXと世界銀行は途上国むけワクチン供給を促進するため新たな財政機構構築。Gaviが新たに設計した先進市場誓約:Advance Market Commitment(資金負担に関する)AMCを形作るため財政機構を構築。
 これにより途上国は入手可能なワクチンについて、その可能入手量について、そして将来の入手スケジュールについて、見える化が進むことで、途上国が早期にワクチン確保が出来、接種プログラムを効果的に組み立てることが出来るようになると期待される。
○イタリア:伊首相Draghi氏が国連食糧システム予備サミット(ローマで開催)開催に当たり、“COVID-19危機が食糧危機を誘発しつつある”と警告。サミットは9月予定で、2030年を持続可能な発展をしていくためのゴールと設定する諸討議を行う予定。
○ニューヨーク市:教師・警官を含む市職員全員に9月中旬までに接種するか、毎週検査を義務付けることになるだろうと、Blasio市長声明。市職員34万人を対象。
 市は6月末段階で新規感染者数が3倍以上になってきている。
○オランダ:コロナ制限を緩和。EU内全地域への旅行が可能となる。但し数日以上に亘るフェスティバルの禁止は継続。この動きはEU内26カ国の接種率が50%に達したこととオランダ国内の病床占有率がコントロール可能な状態になっていることが要因。
○ドイツ:未接種成人に対し、制限を課すことを検討している。
○イラク:新規感染者12180人で過去最高記録。4000万人強が接種に懐疑的、という。
○タイ:新規感染者15376人、2日連続で最高数。隣国に比して接種プログラムの遅れで市民から非難が起こっている。6600万人以上の全国民の接種済みが、まだ5.6%。目標は今年末までに5000万人接種。
○東京:大会関係者から新たに16人が感染、と組織委発表。7月1日以降148人に達する。
 東京都の新規感染者は1763名。
○シンガポール:隔離制限なしの旅行が9月から可能に。但し接種済みの人に条件。それまでに人口の80%に接種する目標も立てる。市は国民の2/3が接種済みに達した後、8月初めにも制限の緩和を検討する予定。
○パキスタン:COVAX経由(供与元は米国)でモデルナワクチン300万回分割り当てを受ける。5月8日以降でトータル800万回分(250万回分Astra-Zeneca、10万回分Pfizer、550万回分Moderna)を受けている。
○中国:1月以降最高となる76人の新規感染者を記録。国内発生が40人で、当局は100万人以上を対象に検査を強化。当局はクラスター発生抑制推進の為ロックダウン策と検査の徹底を行っている模様。
○南アフリカ:Aspen製薬がJohnson&Johnsonワクチンの第1回目の出荷を26日から開始と声明。
○韓国:499人の被験者を対象にしてAstra-ZenecaワクチンとPfizerワクチンの投与法による抗体産生性を評価するテストを行う。100人へは1回目にAstra-Zeneca、2回目にPfizerを、200人へは1,2回ともPfizerを、残りの199人へは1,2回ともAstra-Zeneca。
 3種の投与法いずれも、ウイルスのホスト細胞侵入性とウイルス増殖性を抑制する中和抗体を産生しているが、2回ともAstra-Zeneca投与法は他に比して1/6、1回目Astra-Zeneca、2回目Pfizer投与法は、2回ともPizer投与の方法と同じ中和抗体産生があったとされる。
○インド:パンデミックが続き、医療体制の悪化状態の泥沼が続く。
○パキスタン:5月21日以来最高の3752人の新規感染者。検査数は49947人で陽性率は7.5%。
○韓国:休暇シーズンを迎え抑制策を強める。ソーシァルディスタンスの徹底を求める。夜10時以降の外食禁止、4名以上の集会禁止。首都圏以外の地域での感染増を憂慮。
○インドネシア:制限を1週間延長し8月2日までとするとWidodo大統領が声明。
○ドイツ:来月に新たな波が生じるならば、未接種の人に対して制限を課すことが必要になって来るだろうと政権幹部が言明。但し新たなロックダウンまでは念頭に置いていないとも声明。制限にはレストラン利用や映画館・競技場が含まれるだろう。州・国家は市民の健康を保護する責任があることから、これらの施策は合法であると考えている、とBraun氏は言っている。
○英国:健康相Javid氏、“COWER"という言葉を氏のTweetに使用したことに対して謝罪すると共に削除する。
○欧州:変異株が支配して来ており、夏の観光熱に陰りがみられる。
○オーストラリア:New South Wales州は前日の数千人による反ロックダウンのデモの後、2日連続で感染者記録を続けており、ロックダウンが長引く恐れが出ている。
○ヨルダン:12歳以上の子供へのワクチンの用意が出来た、と健康相が発表。7月25日から。接種は随意制で、18歳以下は保護者の同意が必要。Pfizer-BioNTechワクチン。
○パリ:接種反対と制限反対のデモ隊が警官と衝突、催涙ガスが使用される。
 Marseille、Montpellier、Nantes、Toulouse市へも波及か?健康パス発行や医療従事者への接種強制化を目指す政府提案に対し立法府が今週末投票を予定していることに対する抗議行動。
○Astra-Zenecaは東南アジアへの販路拡大を表明。7月末までにタイへ1130万回分を供給。
○タンザニア:1回目のワクチンを受領。100万回分のJ&Jワクチン。
○ベトナム:新規感染者7968人。金曜日の記録7307人を超える。
 世界のパンデミックが始まった当初は流行をコントロール出来ていたが、ここにきて流行の拡大が起こってきている。
○米国:Pfizer社と共同会社のBioNTech社は米国政府から2億回分の追加注文を受けたと発表。小児用と必要性が出るかもしれない3回目のブースター用(再賦活化用)の為。
○ロシア:新規感染者23947人、感染者数最高状態が続く。
○レバノン:病院長が財政危機による病院経営に悪影響が累積してきている、と警告。体制の悪化で次の流行に対処困難としている。医薬品と電力不足もあり、更に医師と看護婦の海外流失も起こっている模様。
○東京:更に一名の選手の感染者発生。
○米国:45州でデルタ株拡大のため入院者数が上昇。
○スウェーデン:国家全体では感染者数は低く抑えられているものの、主要都市で感染者数上昇。デルタ株が主要株になってきている。
○EU規制当局:12歳から17歳へのModerna接種可能に。2番目の承認ワクチンへ。欧州医薬品庁(EMA)によると、ワクチンSpikevaxは18歳以上に対しての結果と同等の結果を青少年に対して与えるとしている。EMAは2回の接種を4週間をあける事としている。3732人対象のテスト結果に基づいてのEMAの判断。
○パキスタン:COVAX経由のModerna300万回分供与で米国に謝意。
○ロシア:アルゼンチンへの2回目のSputnikVワクチン供与が自国内需要高まりのせいで遅れている問題で、ロシアは解決を急ぐと声明。アルゼンチンはSputnikを最初に使用し始めた国の一つで2回目の供与遅れでワクチンプログラムに支障をきたしている。
○米国:デルタ株の拡大で、悩める米国。地域により異なる指針が混乱を招いている。
 ロスアンジェルスの各郡では地域長が、接種済みでも再度室内でのマスク着用を要請。
 ヒューストンとニューオリンズの州当局も同様にマスク着用を今週から要請。
 一方フロリダではDesantis州知事が木曜に学童の校内でのマスク着用は必要ないと声明。
 ホワイトハウスの広報担当が直ちにフロリダの対応に懸念を表明、という具合の状況のようです。市民にどの指示に従えば良いか、で混乱が起こっているという。
○フランス:COVID収束し普段の生活に戻ることは、2023年までは期待できないだろう、とフランスの科学者が声明。併せて8月の始め頃には、日に5万人程が新規に感染するだろうと予測。また第4波が8月半ばに病院を襲うとも予測している。
○東京:更に3人の選手が陽性。大会関係者としては19人が陽性者に加わり、全感染者は106人となった。
○J&J:有効性がリスクより勝っているとの研究結果が続いて出ている。
○中国:中国ワクチンは高齢者への防護力が劣るとの新研究結果が出る。
○フィリピン:マレーシアとタイからの旅行客に入国を停止。日曜から発効し、7月末までの予定。
○ミャンマー:国境地域で中国製ワクチンを使用予定と発表。
○台湾:流行の警告レベルを下げる予定。感染者数減に基づき。

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東京2020開会式‐‐‐誤った図柄・誤ったメッセージ

2021-07-25 10:10:11 | オリンピック
開会式を見ていないので、雰囲気を伝えるドイツ記者の微妙な言い回しを間違った方向に捉えていなければ良いのですが。

最後の「選手たちが主役」というくだりは、私はやはりCOVID-19も今回は役割を大会中も大会後も果たしていく存在であり、当然大会に反対の姿勢を貫く抗議者も主役であり続ける権利と義務を持っていると思っております。

IOCと組織委・政府は黙っていても大きな顔をする存在なのですから、ほうっておけば良いと思います。彼らが大きな顔をする権利と同等の権利を市民は持っているわけですから。

***
一年遅れのオリンピックが始まる。開会式を見る限り、IOCはどうやらパンデミックから何事も学ばなかったようで、重要なメッセージを伝える機会を無にしてしまった、とDeutsche WelleのSarah Wiertz記者は伝えている。(DeutscheWelle,2021年7月23日)

開会式会場となる競技場の外ではデモ隊が開催反対を叫び、そのメガフォンを通しての声は競技場の中まで届いていた。照明が消され、開会を祝う音楽が奏でられ始めても、抗議者達の声は競技場内に明らかに届き続けていた。

選手らの入場が始まり、競技者らは手を振るもその先は観客のいないシートの列、列、列。ただ少人数のジャーナリストと、同じく少人数の大会関係者がいるのみ、そして彼らの気がねがちな拍手は確かに有った。だが歓声はなく、振られる旗もなく、競技場内の雰囲気はシュールそのものだった。

「不毛であり隔たりが残り」

開催会場の新競技場は68000人収容能力を有し、今夜は選手たちにとっては、世界中から集まった観衆からの声援で忘れられない晩になる筈だった。

実際には10人程の各国リーダーが姿を見せるだけで(リオの時には40人ほどは参列していた)、しかも目立つのはジャーナリストたちというむなしさ付きであった。

ここ数十年の開会式はテレビ画面を意識した、水膨れで、奇抜さを競う見世物に退化してきている。選手たちはいつものように場内にいるものの観客はいない。こんな出し物はなおさらに不毛に感じるし、隔たりを感じるし、そして感動もなおさらないと感じてしまう。

唯一光彩を放ったスポット(現れては直ぐに消えてゆく映像)は、大画面に映る家族の姿・友人の姿・スポーツを愛する人々の姿のコラージュだった。

「感動は何処に」

開会式と閉会式の存在価値は“感動による一体化”。作られたテレビ用画面を超えた感動を産むものは、手作りの衣装を着て、打ち融けあいじゃれ合う入場を待つ選手たちだ。

組織委はパンデミック絡みの話題を式に組み込むことが出来なかったし、彼らの得点になるようなこともしなかった。行ったことは二人の振付師と一人の作曲家を不行跡で解雇したことだった。聞こえてくる音楽の幾つかが放てきされたという事実がすべてを物語っている。

「招き猫」

何年にもわたる練習の後、選手たちはスポットライトの栄を得た。けれども式典中世界至るところから集まった彼ら青年たちが主役になり、喜び合う姿が伝わってくるのではなく、何か古く日本に伝わる招き猫のように、彼らは見えてしまっていた。

若者達の多くが競技を目の前にして感染に気遣っている。それに加えて多くの選手たちが不参加という事実が全てであり、公正公平な競技が期待されることも、世界最高水準の競技大会が期待されることもないだろう。熱狂の雰囲気は望むべきもない。

「この話の結末の筋書きは誰が書くのか?」

IOCと組織委は、COVID-19に立ち向かい挑戦している世界に勇気を送りたかった。だが実質のメッセージは異なったものだった。すなわち何時もの様に、即ち4年ごとにお決まりのやり方で、ショウを続けることに意味がある、というメッセージ。

パンデミック中を考慮して、競技者たちとスポーツに焦点を当てて、最小限の式典にすればまだ意義があっただろう。

今や舵をとるのは選手たちだ。選手の心意気でオリンピックの良き精神を高揚させる番だ。躍動する選手たちが新たな物語の作り手は我らだと自覚していくだろう。IOCではなく、COVID-19でもなく、抗議者達でもないことを。

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7月19日,20日,21日のコロナ関連記事

2021-07-22 10:51:16 | 社会問題
○サウジアラビア:インドネシアへの旅行を停止。
○中国:Sinophamワクチンの新しい研究データ。282人の被験者の95%以上に2回接種後2週間以内に抗体産生が見られる。デルタ株に対しては少し劣るものの同様に抗体産生が起こるとする。スリランカの大学での結果。
○ロシア:11月までに国民の80%が免疫獲得状態になると発表。
○Novartis:今年中に5000万回分ワクチン出荷予定。
○東京:4選手がオリンピック出場停止。
○Pfizer-BioNTechが南アフリカでワクチンを製造。
○WHO:変異株デルタが一月以内に主要感染株になるだろう。インドで発生したデルタ株は今や世界124カ国で確認されている。先週から新たに13カ国が確認国に加わった。
 他の懸念される変異株の状況は、アルファ株(英国で確認)180地域(先週から6増)、
 ベータ株(南アで確認)130地域(先週から7増)、ガンマ株(ブラジルで確認)78地域
 (先週から3増)
○メキシコ:ワクチン接種を拒否する村が幾つか存在。
○東京:最近の6カ月間で最大の感染者数へ。1832人。日本医師会会長の中川氏が“心配していたことが実際に起こってきている。感染者数の急増はオリンピックの実施・中止に関係なく予想されていたことである。感染の爆発が懸念される”と言明。
○バングラデシュ:数千万人が感染増を無視して、イードの祈りのためモスクや礼拝場所に集合。
○ベトナム:ロシアのワクチンの第一回目生産をおこなう。
○韓国:火曜日に1784名が感染。先週の感染者数を超える。
 先週の感染者の2381人に対し遺伝子分析がおこなわれた。その結果40%近くが変異株デルタの感染者であった。
○フランス:ワクチン通行券提示がこの水曜日から必要になる。映画館・博物館・美術館・スポーツ観戦や他の文化施設を利用に際し、ワクチン接種済みや検査陰性を証するものの用意が求められる。いわゆる“健康通行券”が50人以上の人が集まるイベントや集会場所に行く際必要になる。8月までの猶予があるがレストラン・カフェ・ショッピングセンター利用についても求められていく。
○英国:最近の4カ月間で最高になる一日の死者数96人を記録。デルタ株の拡大とロックダウン規制撤廃が要因か。感染者数は46,558人を記録。マスク・ソーシァルディスタンスの励行要請も同時に停止していた。
○パキスタン:イードの祈りの最初の日のみワクチン接種センター閉鎖。
○ミャンマー:反政府派で収監中の政治家NyanWin氏が収監中コロナ感染の疑いで死去(79歳)。軍政府は2月に政権奪取後、旧政権側政治家と共に若者を中心に数千人を逮捕している。医療資源が乏しい上に医療従事者の軍政反対の抗議活動も重なり医療崩壊が懸念される。
○米国:Fauci氏が火曜の上院公聴会で発言。デルタ株が新規感染者の原因の80%以上を占めている。しかし現在のワクチンは入院化や死に至る症状の重篤化を90%以上抑制していると報告。 
 直近の週で週平均一日239人の死亡。これは前週の平均を48%上回っている、とWalensky氏報告。
○EU:EUがSanofi-GlaxoSmithKlineワクチンをリアルタイムで評価始めると報道。
○フランス:感染が前例ない速度で増大中と、健康省Veran氏声明。18000人に達する。
 前週に比して50%の上昇。
○英国:昨年Johnson首相のもとを去ったCummings氏が、昨年秋に二回目のロックダウンを敬遠した際、首相が“死んでいる人は基本的にすべて80歳以上だろう”と言っていたと声明。
 また当時パンデミックの始まりに直面し政府内にも感染が広がり出していた最中、更に政府が市民に不用な面会特に高齢者への面会は控えるように要請している最中に、首相自身が95歳のエリザベス女王に面会を求めていた、とも発表。
○台湾:Medigen Vaccine Biologics Corpが開発中のワクチン候補の後期臨床テストをパラグアイで行うと発表。1000人規模の希望者を対象にしてMVC-COV1901のフェーズIIIテストという。
 今年の第3四半期にテストは終える予定で第4四半期にデータがそろうと予定。今後中央アメリカと南アメリカに販路を求める動き。
○パキスタン:国家災害対策庁(The National Disaster Management Authority:NDMA)はGilgit-Baltistan州政府に500本以上の酸素ボンベの提供を行った。併せて30の換気装置と15の酸素濃縮器も提供。第4派のパンデミックに対応するため。
○イラン:感染者の記録を更新(27,444人)。
○東京:オリンピック選手村のCOVID-19隔離バブルが既に破裂と専門家声明。選手村内から広く拡散の危険がある、と指摘される。
 IOCバッハ会長の先週の宣言(検査と隔離の規制で選手や関係者から市民に感染の恐れは“ゼロ”)は崩壊まじか。Kenji Shibuya氏(ロンドンキングスカレッジ前所長)は、かかる宣言が混乱と怒りを市民に与えるだけで、実情は全く真逆だとしている。更に続けて”「バブルシステム」は壊れているのが明白で、最大の心配は選手村の中で、または別の収容施設の中でのクラスターの発生、そして市民との接触の懸念である”としている。
○WHO:Ghebreyesus会長がオリンピックにメッセージ。”我々はCOVID-19に打ち勝てる。ただし全員がそれぞれの役割を果たして初めて可能である”とメッセージ。“オリンピックが希望の源泉となり、連帯でワクチンの公平分配が為されパンデミックに終止符が打たれんことを祈る”
 この程度のことを言うために国境を越えてやってくる必要は全くなかったと思うし、リモートで充分だったでしょう。世界の医療の代表なら他に述べることがあっただろうに。存在価値を疑われる参加だったと後に言われることでしょう。
○スイス:スイス医薬大手Rocheが開発のCovid-19の軽度から中度の症状を示す患者向け治療薬Ronapreve抗体の最終承認を日本から得たと発表。フェーズIIIの治験で軽度と中度の患者が入院に至る重体化を抑制することが認められている。
○シンガポール:木曜日から一カ月間にわたり、レストランの停止、2名以上の集まりの禁止を健康省発表。8月9日までに人口の2/3が接種済みになる予定であり、この制限の見直しを2週間後に予定している。この制限はこれにより時間を稼ぐことを目的にしており、この猶予時間で高齢者への接種の促進をはかる、としている。
○インド:この24時間での感染者数は30093人。ここ4カ月間で最低。
○米国:米国研究者らがインド政府発表の累計死者数の415,000人ではなく実際には10倍は多いだろうと報告。
○オーストラリア:国内で3番目になるロックダウン宣言(1週間)を南オーストラリア州が宣言し、ロックダウン延長中のビクトリア州と5週間期間でロックダウン中のシドニーに続く。
○パキスタン:パキスタン証券取引委員会(Securities&Exchange Commision Of Pakistan)は加盟社に従業員のワクチン接種状況を求めていく動き。
○カナダ:8月9日から、接種済み米旅行者と永住者の入国制限を撤廃の予定。米国以外の接種済み者への適用は9月7日からの予定。米国とカナダの国境は2020年3月以来必須でない旅行者に対し閉じられてきていた。
○欧州:月曜日の欧州市場、2%以上下降。ここ9カ月で最も低下。デルタ株の急速な拡大が世界経済回復に下振れ圧力の懸念。商品関連・銀行・旅行関連株は3%以上の下落。
 汎欧州STOXX600は2.3%の下落。独DAXは2.6%下落。伊MIBは3.3%下落。
 英FTSE100は2.3%の下落。
○WHO:ワクチン接種後もCOVID-19の予防手段の継続が必要と言明。
○英国:必須労働従事者に対する自主的隔離ルールに新しい例外規定を導入。飛行管制業務や鉄道信号守のような極めて重要性緊急性の高い業務に携わる人に対する規制の見直し。
○パキスタン:Sindh州家庭局はイードの祈り(EidPrayers)のやり方と生け贄の動物の解体方法の手順書(Standard Operating Procedures:SOPs)を布告。
○イラン:テヘラン地域で1週間(火曜~翌週の月曜)にわたるロックダウン。全市場・役所・映画館・ジム・レストランが閉鎖。今日の新規感染者が25441人、死者が213人。デルタ株の拡大による新たな波に警告が出されていた。
○WHO:最大のそして唯一の防御方法は“完全なワクチン接種”である、と声明。
○英国:Johnson首相が陰性で、症状も見られないことが判明。自主的隔離は続行。
○キューバ:2020年中はコロナを抑えてきていたキューバがここにきて人口当たりの感染者数がラテンアメリカで最高を記録している。医療環境に緊張が高まり、それに誘発された形でめったにない抗議行動も発生している。デルタ株の拡大も見られている。
○台湾:自前ワクチンを緊急目的限定で承認。
○日本:選手村でチェコ・ビーチバレー選手1名がテスト陽性とチェコオリンピック委員会公表。前日の土曜、プラハからのチャーター機で入国時にスタッフメンバー1名が陽性だった事態に続く陽性者の発生である。
○フランス:コロナワクチンセンターが破壊される。
○バングラデシュ:政府がEidulAzha祭を認めてロックダウンを8日間解除する。数百万人が買い物・旅行となる予定。デルタ株拡大で感染がひろまり、ICU・ベッドの空きの問題や医療従事者の疲弊等医療崩壊が心配される中での解除に専門家の懸念が高まる。
 解除期間は15日~23日。ワクチン接種は人口1億6000万人に対し400万人を超えた所。
 アセアン各国のイスラム行事の話が続き、極めて心配な状況で進展に注意が必要です。
 オリンピックだけではなさそうです。
○英国:ロンドンのクラブで制約なしのライブ音楽再開でファンでクラブ賑わう。
 5万人を超す感染も見られるなか、忍び寄る危機も感じるなか、真夜中をきして再開したクラブを参加者たちは喜びあい祝いあっていた。
○パキスタン:ウイルスがHajや将来の巡礼様式を変える可能性。

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将来、より極端な天候と科学者が予測 DeutscheWelle、2021年7月18日

2021-07-22 10:35:15 | 社会問題
今も続くドイツをはじめとする欧州での洪水被害。そして米国とカナダを襲う熱波。今日(7/21)は中国でまた洪水があった模様です。異常気象の問題を考えてみたい。参考になればと思います。

地球温暖化・ジェット気流の弱体化・天体としての月等が協働して、更なる悲劇的な熱波や洪水を今後の数十年に亘り引き起こすだろう。

100人以上が死に、更に多くの人が行方不明。今週、危機的な洪水が西部ドイツ地域を襲った。甚大な破壊をもたらし、多くの人が友人、親類や家を失った。これほどの洪水はここ数十年の間では、経験したことのないものだった。しかし気象学者は、極端な気象状況は今後もっと身近なものになるだろうと警告する。

“温暖化している世界では極端な降雨が頻発していくだろう”とAndreas Fink氏(カールスルーエ工科大の気象気候研究所)はいう。

一つの理由は地球温暖化で大気が変化した、とSebastian Sippel博士(チューリッヒの気象気候科学研究所)はいう。“大気温度が1℃上がるごとに約7%の水分を大気は吸収する。地球温暖化で蓄えられた余分の水分が長期的に降水量の増大につながり、結果として降雨の際の激甚化となる。”

「非難されるべきは気候変動」

人間が作りだした気候変動が大気気温を上昇させているのは疑いのない所である。今回の洪水を問われて、Carl Friedrich Schleussner博士(ベルリンのフンボルト大地理学部)は“2021年、気候変動が役割を果たしたかどうか、を問うのではなく、如何に大きく役割を果たしたかを問うことが大切である”と主張している。

熱力学的工程(上昇する大気気温と上昇する保持水分量)に関しては、科学者の間に共通した理解がある。

しかしある研究者たちは別の要因を信じている。その別の要因が今週の欧州を襲った洪水のような極端な気象事象や米国とカナダ西岸を襲った最近の熱波に、多分関係していると思われる。だが、この要因はまだ完全には確定していない。

この要因は欧州の温帯緯度内の高気圧部と低気圧部が迅速に動く空気の流れを保証していることと関係している。Andreas Fink氏をはじめ気象学者は、北極の周囲を約9kmの高度で吹く西向きの風であるジェット気流が近年運動量を失い、その結果一定であるべき空気の流れに波が出来てしまっているという。

“これらの波がある場所に留まり、その留まる場所によっては北アメリカで見られたような熱波が引きおこされたり、または洪水が引き起こされたりする”と彼は言う。

今回の嵐Berndが、サイクロンと反サイクロンが激しく押されなかったという事実と、一つの嵐が一か所に集中して濃縮していったという事実、との2つの事実の結果によっての、今回の洪水だったと言える。

専門家は、北極が温度上昇することで、その結果気温差が小さくなり空気の流れが弱くなり、本来北極と熱帯地域間の温度差で助長されるジェット気流がゆがめられると信じている。

「月の軌道の不規則化」

別の懸念は潮の干満がこれから十年間、通常より余計に高まったり、あるいは余計に低まったりしていくと予測されることである。原因は月の軌道の不規則性である。

この不規則性は18年周期で繰り返されるけれども、2030年までには海水面が限界を超えて高まる恐れが指摘されている。

NASAはホームページに“月の18.6年周期の半分では地球の通常の干満は抑えられる傾向になる(高潮は低くなり、干潮は高くなる)。もう一方の半分では干満は増幅される(高潮はより高まり、干潮はより低くなる)。世界の海面は上昇し、一方的により高くなるように高潮を押し上げていくことになる”と記載。

研究者は悲劇的結果を産む洪水が今後長い期間続くと予測している。洪水以外の他の異常事象もありえる。気候変動が混乱を産んでいくだろう。

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COVIDは若者の病気になるか? NATURE,Vol.595,pp343-344(2021)

2021-07-21 20:55:50 | 社会問題
子供へのワクチン接種の是非についてのもう一つの情報です。孫へのワクチンの問題と考えると切実な話題となると思います。

安全性の確認、特に日本の子供への安全の確認が充分なされていない点が気にかかることの大きな事柄です。もう一点はやはり他国により優先される方々が多くいるのになぜ子供へ、という論点です。

有効性の点だけを取り上げていえば、そしてジジババへの感染を防ぐという論点だけを考えれば、”GO”となるかもしれません。よく考える必要がある問題と思います。

ワクチン接種率が高まっている国で未接種の若者の感染増が目立ってきており、パンデミックの最中での若者の存在に注目が集まってきている。

6月21日、イスラエル健康大臣が12歳から15歳の若者にワクチン接種を勧めるとした。この分野での先行国の一つに更に進むとした。この決定は高接種率の国で、最近感染割合を高めている年代層が若者層であるという傾向に対処するためである。

(7月5日までの一カ月間の感染者を年代層別に表したグラフ:対象イスラエル)
    0から9歳         11.8%
    10から19歳        39.6%
    20から29歳        8.5%
    30から39歳        6.8%
    40から49歳        11.4%
    50から59歳        8.2%
    60から69歳        8%
    70から79歳        4.6%
    80から89歳        1%
    90歳以上         0.1%
19歳以下が50%以上の寄与をしている。

今や成人の85%以上が接種済みという急速なワクチン政策で、6月初めには1日の感染者数が10人程度まで抑えられていたのが、月の後半に100人以上の新規感染者をみるまでになっており、その多くが16歳以下であったことから、政府が全てのティーンエージャー対象に接種を開始の決断をしたことになる。

感染者の中での若者の存在は驚くことでもない、とRan Balicer氏(イスラエルの感染症研究者)はいう。だが社会に起こる次の感染の波(特に新規の感染力を高めた変異株による)が、若者の階層により主導される可能性があるという事に気を使わねばならないだろう。

「世界で進展する傾向」

イスラエルに限らない傾向がある。米国とUKではCOVID-19は“ワクチン未接種の人の病気、特に主として若い人の病気になってきている”とJoshua Goldstein氏(カリフォルニア大バークレーの人口統計学者)はいう。

この傾向は先ず老齢者に接種をし、次いで成人層に接種をして高い接種率に到達している国で起こっている。そして老人ホームにいる高齢者のような感染リスクの高い層に感染が広まらない様に予防措置をほどこす等のことが相まって、そのような国では早期の感染者数の減少が続いて起こる、と研究者は指摘する。

そしてこのシフトの傾向が若者層での伝染性と病気の研究へと向かう新たな動因を起こしていく。

より良い政策決定のため、“子どもと青年期の層に対する病気の重みを理解することが重要性を増していく”とKarin Magnusson氏(ノルウェー公共衛生研究所の感染症学者)はいう。

Magnusson氏はノルウェーの健康福祉を考える上でCOVID-19が子供にどのような打撃を与えるのかを見続けて来ている。6月5日の報告で、専門家による診療までは感染した子供達に必要はないけれども、感染から半年くらいの期間は主治医に繰り返し診てもらう必要はあるだろう、と彼女は指摘している。

Balicer氏はイスラエルで多世代同居家族での感染拡大問題を研究している。子供に接種を決定する議論についても、青年や子供にマスク励行のような予防策を延長していくことの議論についても、COVID-19感染パターンの変化がそれらの議論に大きな影響を与える、と氏は言う。

「割合としての上昇であり、絶対数としての上昇ではない」

“感染問題の重みが若者の方にシフトしていくと、青年への接種の議論が若干強制的なものになっていく”とNick Bundle氏(ストックホルムの欧州疾患予防コントロールセンターの感染症学者)は同意する。しかし子供の重篤な感染リスクは全体としては低い所に収まっている。そして若者層に感染者割合の上昇が起こることを観察している国においても、全体の感染者数は低下している、と彼は指摘する。

国家は世界を意識して考えていくことが必要だと、研究者たちは言う。“貧困国の老齢者層へ接種することで得られる生命への支援活動の効果に比べて、富裕国内の子供への接種の行動がより安泰な好ましい効果を生む選択であるのか?”とJennie Lavine氏(アトランタのエモリー大の感染性疾患動力学の研究者)はいう。“それらの議論が本当に良い議論であるかは判断しにくい”。

高接種国で感染者年齢が下方にシフトしていくことは面白い現象ではあるが、それは短期間観察される事である可能性がある、と一部の研究者は言う。ごく少ない可能性だが、傾向の逆転が起こるかもしれない、とHenrik Salje氏(ケンブリッジ大感染症疾患研究者)はいう。

イスラエルや米国が既に始めているように多くの国が若者への接種を始めるかもしれない。あるいは新たな変異株の出現や高齢者のワクチン効果が減弱することで人々が新たに感染しやすくなる可能性もある、と彼は言う。

COVID-19はいまだ若者の病気になりえる、とBundle氏はいう。“でも問題がどんなに大きくとも、それに対処していくことは単純なことではない。”

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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